人生で2度目、母と東京都練馬区にある「としまえん」を訪れました。

昨年の暮れ、以前から訪れたいと思いつつ時間が経ち、やっとのことで初めて同施設を訪れた直後に今年閉園となる事を聞きました。
今年も絶対に訪れようと決心していましたが、コロナの影響で中々訪問出来ずこんな時期になってしまいました。それでも、コロナの状況を見つつ、最後に訪問することができて良かったと心から思います。

この場所は学生時代に母が友人と訪れた思い出の場所であり、私にとっても思い出の場所です。
私の大好きなタレントさんの思い出の場所でもありました。

この遊園地の目玉と言えば、何と言っても園内の中心にある回転木馬です。「カルーセルエルドラド」という洒落た名前がついている所謂メリーゴーランドです。機械遺産にも認定された歴史ある遊具。
しかしながら、この遊具に関しては「メリーゴーランド」というよりも「回転木馬」という言葉がしっくりくるような気がします。100年以上前から存在しているのに、衰えずまるで時が止まったかのように輝きをそのままにして、人々の希望を乗せて動いているように思えました。それは、ドイツの職人の技だけでなく、世界を転々とした後に2年という年月をかけて再び蘇らせた日本の職人の心が生きていると感じさせるからなのかも知れません。

その他にもフライングパイレーツやプリュームライド、トロイカといった大人も楽しめるスリル満点のアトラクションの数々。初めてなのに懐かしい。個人的には西武鉄道ならではのアトラクション「チャレンジトレイン」が可愛くてお気に入りでした。 実際に走っている電車の車両を摸した乗り物なので、小さい子供だけでなく鉄道ファンの方にもオススメです。

食事もイタリア料理の「レストラン カリーノ」で頂きました。今時のレストランには珍しい低価格で満足出来る食事。きちんと盛られたサラダ(他ではあまり無いように思います)とスープ、ご飯の量もしっかりありました。しかも、味もシンプルに美味しい。普段は食事に関しては辛口の母も北海道コーンのピラフを「美味しい」と食べていました。子供も大人も楽しめる。真面目に作られているんだなという印象を受けました。それでいて建物の中は千葉県の某有名遊園地のような明るく綺麗でオシャレな空間。私の座った窓際の席はジェットコースターがすぐ横を通っていたので、食事を楽しみながら遊園地を楽しむ事が出来ました。

また、企画展としてとしまえんの卒業アルバムをみんなで作ろうという「としまえんの歴史展」も開催されています。今までとしまえんが歩んできた歴史や、「カルーセルエルドラド」の歴史、としまえんの過去の遊具の紹介、広告・CMなどを知ることが出来ます。最後には来園者からとしまえんへのメッセージを残すことも出来ます。

94年という1世紀近くもの間、夢と希望と安心、そして心安らぐ場を与えてくれた場所がなくなってしまうことをとても残念に思います。日本の歴史と共に戦争を乗り越えいくつもの時代を超え、今や珍しいくらいの昔ながらの遊園地。何故もっと早く来ておかなかったかなと悔やまれるくらい、不思議と懐かしく安心出来る素敵な遊園地でした。
訪れたことのある方もそうでない方も、是非最後に1度は訪れることをオススメいたします。


最後に…。としまえんは今月8月いっぱいで惜しくも閉園となりますが、遊具の行先はまだ決まっていないそうです。是非西武園ゆうえんちに移送をという希望を遊園地に出したいと考えています。もし、来園されてそのような気持ちを持たれた方がいらっしゃいましたら、西武園ゆうえんちにその旨をお伝え頂けるお手紙など、ご協力頂ければ嬉しい限りです。