とても清々しい気持ちでコークスクリューに並んでいる。
みなも期待に満ち溢れた顔で並んでいる。
目に涙を浮かべるもの、懐かしい眼差しで見つめるもの、様々だ。
何て素敵なんだろ。
三味線の音がどこからか聞こえてくる。
これは幻聴なのか。現実なのか。
それはあなたが決めればいい。
今年は夏らしい事はなにもしていない。
私の腕に何かが止まった。それは夏の風物詩、蚊だ。
としまえん、ありがとう。
私もすっかり大人になってしまった。
見ている光景が全て変わってしまっている気がした。
そんな事を考えている中、コークスクリューに乗ることになる。
動き出すコースター。
回るコースター。
落ちないように足で必死に挟む荷物。
子供の頃は両親が持っていた荷物。
今は自分で持っている。
これが大人か。
大人になってしまったのか。
小腹がすいてきた。
あのラーメンを食べに行くか。
あぁ、そうそう。これこれ。
小さく見えたがそれは大人になったからか。
味はあの頃となにひとつ変わらない。
思い出の味だ。
いや、少ししょっぱく感じた。
それは涙のせいかもしれない。
この味も最後になるのか。
最後のスープまで飲み干した。
ごちそうさまと呟いていた。
まだまだ今日は終わらない。
最後のとしまえんを童心に返り全力で楽しみたいと思う。
これで話しは終わる。