屏びゅう さま

屏びゅうさまの口コミ

5 / 5素晴らしい!

  最初に、音声ガイドは必携(600円)であると思います。
確かな情報でその展示のために作られており、目の前にある絵は単なる紙や木と油でできた物体ではなく芸術であるという見方や、展示の見方のようなお手本を見せていただける点がすごく良かったです。今度美術館へ伺う際は音声ガイドをお借りいたします。

 ゴッホ氏がひまわりを描くまでの経緯がわかりました。最初は、彼の生きた時代背景から始まり、色使いを気にしていたこと。そして、芸術のための芸術という運動の中、ひまわりが特別な意味を持つモチーフとなったこと。
さらには、あまりにも貧しかったため念願の人物画を描くことなくなくなってしまったこと。まさか、練習で描いていたであろうひまわりが現代ではここまで評価されるとも思わなかったのではないかと思いました。
(もちろん、ゴッホ氏自身についてゴーギャン氏がひまわりから回想するなどはゴッホ氏のひまわりにもつ観念を観念を浮だたせていたと思いました。)

 そして、思わぬところに収穫がありました。
なんの文脈だったかは定かではありませんが、「鉢と果物のある静物 (エミール・シェフネッケル作)」は今回の主役であるゴッホ氏よりも忘れられない一枚となりました。
この作品からは、オレンジが香ってくるようでまた、きっと柔らかい地中海のそよ風が吹いているようにさえ思えました。実に感銘を受けた作品でした。

最後に、彼の哲学には共感するところも多かったです。ゴッホ氏はどこか悲壮感のある人生でも、ひまわりのように陽気な人物だったのかもしれません。

ありがとうございました。