オレダヨオレオレ さま

オレダヨオレオレさまの口コミ

4 / 5とても良い

当日、会場でご両親に連れられた女の子が「最初は何が描いてあるのか全然わからなかったけど、最後まで見て、もう一回戻って見てみると、『これがああいうふうに進化するのか』とか『ああいうのが描きたくてこういう絵を描いてたのか』っていうのがわかって面白いね」なんて言ってましたが、本当にそんな感じの面白さでした。
最初の方に展示されている1900年代のピカソやブラックの作品は「なんか苦労してるなあ」、「本人的にも半信半疑でいろいろ試してるんだろうなあ」といった印象でしたが、1910年代半ばあたりの、謂わばフォロワーの作品になると、そういった苦労は無くなり(勿論、創作ですから当人は苦労もすれば苦悩もし、なんなら身を削り魂も削るつもりで描いているでしょうけれども)、「キュビスム、こういう表現にいいよね」、「こういう効果にキュビスム適してるよね」くらいの感じで、キュビスムという表現が、当たり前のものとして、数ある手法の中の一選択肢として扱われている風だったのが興味深かったです。
「この絵が凄かった」、「この絵が好き」という面白さでは(個人的には)ありませんでしたが、全体の感想としては、大変面白く観賞できました。