utatoen さま

utatoenさまの口コミ

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内藤礼さんの作品は、日常にあるささやかなものに命を与え、その空間を一体とします。そこに行き交う人々が首を傾げたり、顔を近づけたり、息を吹きかけたり、そんな仕草を座って眺めていると、一人一人の内面や癖が垣間見れるようで、不思議と目の前の空間が舞台であるような心地良さに包まれます。
作品一つ一つにキャプションがないこと、絵を額装していないこと、すぐ手の届く所に作品があることなども作者の意図。
素晴らしい作品だと感じました。
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〈運営について〉
繊細な作品ゆえに気付かぬうちに頭に触れてしまいそうになった時もありました。実際には触れていないのに「お手を触れないでください。」と注意されている方もいらして、見ている私も心穏やかではありませんでした。

また、3つ目の会場(一番小さな部屋)では、作品の横でずっと鳴り止まぬカシャカシャという音。人数をカウントしているスタッフが「作品ですのでお気をつけ下さい」と大きな声で言っていました。とても内藤礼さんの作品にそぐわない鑑賞の場となっていて残念。

この作品展は、本来ならば時間の経過とともに展示室1→2→3→2→1と繰り返し見ることをおすすめされましたが、部屋を移動する度に、30分程、列に並んで待たなくてはならず、時間指定の予約制であることが意味をなしていなかったです。

観客が作品の世界を楽しめる人数、スタッフがきちんと目を届かせ、安心して見守ることが出来る人数であること、ゲストのことを信頼し、何かあった時にどんな声掛けをするかなど、運営について改めて考えていただきたいと思いました。