2024年に十日町エリアと松代エリアを自転車や徒歩で巡りました。またオフィシャルのツアー(A)で清津峡渓谷や最後の教室など各エリアの有名作品を鑑賞しました。晴れた日も土砂降りの日もありましたが，総合的に見て素晴らしい体験をすることができました。注意点として，受け身では楽しさが大きく減じると思います。能動的に作品を鑑賞しようとする気持ちがあると，とても楽しめると思います。また，それなりに体力が必要です。
　どれも粒揃いの作品ばかりで，自然あるいは大規模な建築，設備を使った体験型のインスタレーションも多く，博物館等の展覧会では味わえない質と規模と量でした。
　天候次第で鑑賞の計画が大きく狂う部分はありますが，悪天候によって作品がより魅力的になる(あるいは異なる魅力が見える)ものもあります。晴れても曇っても雨が降っても，それぞれに独自の体験が楽しめます。大地の芸術祭という名の通り，自然の中にある作品を鑑賞する醍醐味がそこにありました。
　例えば，私が松代エリアを巡った日は朝からずっと大雨でした。本来自転車で巡るつもりでしたが，シャトルバスと徒歩に切り替えました。スタート地点の農舞台から見える「棚田」は晴れた日とは全く違う印象を与えてくれました。森の中に設置された作品群も異なる表情を見せてくれました。「手をたずさえる塔」は土砂降りの雨からのシェルターとして機能してくれ作品の雰囲気を盛り上げてくれました。雨によって本来の鑑賞計画は崩れましたが，シャトルバスなどの代替手段も用意されており，天候に合わせて作品を楽しむことができました。
　回り切れていない作品も多いため，期間中にまた訪れたいです。