みくさまの口コミ
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酷暑真っ只中の9月に見つけた「ジブリの世界をトレッキング」というコピーに惹かれ、何だか面白そうと申し込んだツアー。そんな軽~い気持ちで来てしまった自分に後悔するとは、夢にも思っていなかった。私にとっての鋸山はペットボトル600㎖2本以上必須で、足元はしっかりした靴でなければダメな「ガチ登山」だったのだ!途中にある防空壕は普段は水が入って見学できないとの事だったが、今回は迷路のような奥にまで踏み込めてラッキーだった。鋸山から切り出された1本80kg の房州石3本を「ねこ車」と呼ばれる荷車に載せ、麓まで運び降ろした「車力道(しゃりきみち)」を歩き始め、そんな超重労働を女性が担っていたと聞いて心底驚いた。それも1日3往復。当時の女性の強さ、たくましさにはただただ頭が下がる。ねこ車の轍(わだち)の跡をひたすら登って辿り着いた石切り場跡は、息をのむ圧倒的なスケール感で、こんな光景を今まで見た事がない。もうただただ圧巻で栃木の大谷石が地底の神殿なら、鋸山は「地上の要塞」。奥行きもあり、穴の奥からロード・オブ・ザ・リングのオーク族が雄叫びを上げて飛び出して来そうな雰囲気だ。整然と直角に切り出された跡はまさに石切り職人達の芸術作品であり、人の手の温もりを感じると同時に凄まじい迫力。切り出した石だけでなく、切り跡まで整然としているのがいかにも日本の職人さんらしい。この風景は日本遺産、いや、世界遺産に値するんじゃない? だってこんなに魅了される壮大な手仕事の現場なんてないから、マジで。よそでは絶対に見られないから、ホント。クレーンや大型機械もなかった時代に素朴な道具だけで石を切り、人力で運び出したと思うと想像を絶するものがある。職人魂全開だ。そんな誇るべき歴史の跡が房総半島に存在していたとは、今の今まで全く知らなかった。それを知れただけでも無知な私はうれしいし、何より得した気分だ。東京から始発に乗り、バスを乗り継いで来た甲斐があったというもの。眼下に見える青い海と鋸山の芸術的な岩肌のコントラスト、それを眺めながら下山した時の頬を撫でる風がとても心地良かった。また鋸山資料館は最後に訪れた方が、展示物の一つひとつが感慨深いと思う。今回、頑張って登れたのも頼もしいガイドさんのおかげであり、歴史的な背景はもちろん、花の名前や食べられる木の実、登山の歩き方のコツなど、色々と教えてもらえた。特に高尾山をリフトで上り下りする私のような超初心者には、鋸山が体力の限界だと思い知らされたので、ベテランのガイドさんと一緒に行くのが絶対オススメだ。麓で食べた創作かき氷「好日堂(こうじつどう)」の「梨ヨーグルト」がめちゃめちゃ美味しかったなぁ。初めて食べたサッパリとした組み合わせで、好日堂もガイドさんが教えてくれた。こういったジモティー情報も有り難い。あっという間の3時間半コース。見どころ満載でツアーに参加して本当に良かった。おかげで素晴らしい非日常体験ができました。体力オバケのガイドさんに心から感謝です笑。ありがとうございました!