【9月15日(日)】梅若会定式能(12時開場・13時開演)
チケット利用可能期間
『経政』~つねまさ~琵琶の名手で仁和寺御所の寵愛を受けていた平経政は、出陣の直前に御所より拝借していた唐渡来の名器「青山」(せいざん)をお返しして都を離れる。その後、経政は討死し、その知らせに御所では仏前に「青山」を供えて、僧都行慶が供養を行うことになった。夜を徹して音楽を奏で一心に弔っていると、灯火の影に経政の亡霊の姿がおぼろげに浮かび、手向けを喜び自ら琵琶をかきならす。亡霊は時を忘れ音楽を楽しむが、突然修羅の苦しみに襲われ、猛火に苦しむ姿を恥じた亡霊は、自ら灯火に飛び入り火を吹き消し姿を消す。
『芭蕉』~ばしょう~所は唐土。楚国の湘水~しょうすい~という所に山居して日夜読経する僧のもとへ、夜な夜な夢現のうちに訪れてくる女がある。不審に思った僧はある月夜、今日も現れた女にその身を尋ねた。女はこの辺に住む者と名乗り、ありがたい御経を聞くのが嬉しくて花を捧げて礼拝して仏縁を結ぶ者だといい、内へ入れて聴聞させてくれと乞う。僧がそれを許して静かに薬草喩品を説いて聞かせると、喜んだ女は月影に姿の見えるのを恥じて、「雪の中の芭蕉の偽れる姿」と言い残すと鐘の音とともに消えた。非情の芭蕉と詞を交わした奇特に、僧が夜もすがら読経していると、芭蕉の精が再び姿を現す。一花開けて四方の春となれば楊梅桃李はとりどりに咲いて色香を競う。春が過ぎ夏も終われば庭の萩には早くも秋風が訪れ、じきに古寺の軒の草や芭蕉葉には寂しく露がこぼれ、蓬~よもぎ~がもとの虫の音もかれがれとなる。それば諸法実相で思えば定めのないこの世は芭蕉葉のようにはかない。そう説きつつ、芭蕉の精は、美しい舞を舞うように見えたが、折しも山嵐が吹き払い、草も千草も散りぢりになるかとみるまに、その姿は消え、庭にはただ破れた芭蕉葉のみが残っていた。
アクセス
所在地 | 梅若能楽学院会館 〒164-0003 東京都中野区東中野2-6-14 地図を見る |
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