奈良県の庭園

船宿寺庭園

遠州型の大和では珍しい庭園。

願行寺庭園

室町時代、本願寺第８世蓮如上人が吉野地方布教の拠点として創建した寺で、「下市御坊」とも呼ばれています。本堂と大書院との中間に位置する庭園は、石組みを主とし、玉石を敷きつめ、平坦地を水面に見立てた枯山水式平庭を取り入れた県指定の文化財です。 訪れる際には予約をしてください。

竹林院群芳園

竹林院の庭園で千利休が作庭し、細川幽斎が改修したという。回遊式の借景庭園で、大和三庭園の一つに数えられる。吉野山西側の展望がよい。

當麻寺中之坊庭園

奈良・平安時代建立の東塔、西塔を望む三庭園から成る。中之坊庭園は、後西上皇御幸間のある客殿の南面にあり、塔がよく見えるように低い築地塀で仕切っている。池の中央のくびれたところに石橋が架けられ、出島には亀頭石を立て、その西には鶴石組と思われる石組を配して、力強く仕立て、昔の面影をよく残している。

當麻寺護念院庭園

北庭の枯山水（江戸時代初期）、西庭の池泉鑑賞式庭園（江戸時代中期）、南庭の双塔園（日本で現存する最古の双塔を借景）があり、約千株のぼたん、樹齢百年余りの大つつじ群を見ながら庭園を回遊できる。樹齢三百年以上とされるしだれ桜は多くの参拝者が訪れる。

當麻寺西南院庭園

西南院庭園は、江戸初期に造られたものを、中期頃一音法印によって改修された池泉廻遊式庭園で、天平建築の粋たる 西塔を東側に組み入れ、その優姿を池泉に落し、美しい陰影は絵画そのものであり、他では見ることかできない。又、 庭園の一隅にある水琴窟の妙音は、一時を無我の世界へさそう。春は新緑、夏は驟雨、秋は紅葉、冬は雪とその四季折々の趣をそえ、さつきや石楠花なども妍を競いて心を遊ばせてくれる庭園である。

當麻寺奥院庭園

境内の西に広い倶利迦羅龍の牡丹園がある。そこにはいろいろな珍しい種類の牡丹を配植して清浄な信仰的境地をかもしだしている。見頃は、４月下旬より５月上旬。８０余種、約５０００株。

九品寺庭園

門前に池泉回遊式の庭園がある。

高鴨神社庭園

興福院庭園

小堀遠州作と伝えられ、隣接して茶室長闇堂がある。拝観は要予約。

法然寺庭園

表門・本堂・鎮楼・客殿・庫裡・墓地があって、境内はかなり広く、客殿座敷に面して、香久山を背景に美しい庭園があり、この地方には珍しい名園です。法然寺は鎌倉時代の初めごろ、法然上人が高野から橘寺を経て御帰還の途上、この地に巡錫され、この地に少林院を開いて念仏化導の道場とされました。その後、知恩院第２６代歓蓮社保誉源派上人（日野大納言豊光卿のご令息）が隠居され、寺号を法然寺と称するようになりました。

慈光院庭園

大和平野を一望し遠く青垣山を見て、眼下に富雄川を眺める雄大な借景庭園である。石組が用いないで、さまざまな形の刈込で築山を表現し、周囲の景色と調和するよう作られた技法は巧みである。茶席の露地も美しく、書院も武士らしい気骨を感じさせるものがある。

東院庭園

称徳天皇の時代に宴会や儀式を催した庭園を復原し公開している。

円成寺庭園

松林のなかに細長い池があり、浄土式庭園の典型。

名勝大乗院庭園文化館

奈良ホテル南側の池が庭園跡で，明治時代以降荒廃していたものを復原整備している。

法華寺庭園(名勝庭園・華楽園）

本坊庭園は元禄ごろの作庭といわれる。白砂の後ろに池を設けた小さいが気品のただよう庭で、春には池中いっぱいに燕子花が咲き乱れる。

吉城園

吉城川沿いにある日本庭園で，深い林の中に母屋がたち，若草山を借景にした杉苔の庭園が広がっている。

依水園（寧楽美術館）

東大寺南大門の西にあり、面積26、500平方メートル、吉城川を引き入れた奈良でも屈指の庭園で、前園と後園の組み合わせによって構成されている。前園は元興寺摩尼珠院の別宅のあったところといわれ、庭内には三秀亭、挺秀軒、清秀庵がある。東側の後園は明治中頃に作られたもので、緑の樹々の中に茶室が点在し、入口付近には中国・朝鮮の古陶磁・書画などを展示した寧楽美術館もある。しかし、依水園の一番大きな特徴は借景の巧みさということであろう。若草山、春日山、東大寺南大門などを背景にした雄大さはまれに見るものであり、名勝の指定を受けている。