箱根外輪山の中腹に位置する「モダン湯治おんりーゆー」。約3,000坪の閑静な森の中で、美人の湯と評判の自家源泉を堪能できる癒しスポットのひとつです。地元の旬を集めたヘルシーな食事を味わいながら、川のせせらぎを聞いてリラックス。周辺観光や宿泊も可能で、まさに現代の湯治場のような場所です。今回はモダン湯治おんりーゆーを実際に訪れて、館内で体験できる“極上の非日常”を徹底的にレポートしました。
モダン湯治おんりーゆーとは?
神奈川県西部にある南足柄市。金太郎伝説が伝わる金時山などからなる箱根外輪山の山麓にあり、市内の7割が森林に覆われた自然豊かな場所です。また、県内では最も人口の少ない市です。
モダン湯治おんりーゆーがあるのは、標高250mの山の中。1500万年前の地層から湧き出る自家源泉は、pH9.5のアルカリ性の単純硫黄泉。体の免疫力を高めるといわれている38℃のぬる湯で、血行を促進して体の中からデトックスできると評判です。
施設の入口・ラウンジ・大浴場脱衣所など、さまざまな場所で目にする「きんらん水」。これは地下200mから汲み上げた天然水です。クセが少なく、おいしい空気がそのまま水になったかのような澄んだ味には、体の中の穢れが流されていく感覚を味わえます。
きんらん水の名前の由来となっている“キンラン”は、絶滅危惧種に指定されている、黄色くて小さいかわいい花。敷地内の森には、春にキンランの花が咲きます。いかに豊かな森なのかがわかりますね。きんらん水は飲み水以外にも、シャワーや水風呂にも使用されています。
広葉樹林の森の横には上總川が流れ、野鳥のさえずりが耳に心地よく、敷地内にいながらにして森林浴も体験できます。
未病(健康な状態から病気になりつつある状態)の改善に力を入れている神奈川県。県西地域では、食・運動・森・湯・集い・芸術の6つの特性を持ったスポットを「未病いやしの里の駅」とし、訪れた人が観光しながら未病の改善体験ができるようになっています。
モダン湯治おんりーゆーは、その6つすべてを体験できる唯一のスポット!なんとなく体の不調を感じている人にとって、病気を発症する前のかけこみ寺のような場所といえるでしょう。
モダン湯治おんりーゆーの利用方法
それではさっそく、湯治の旅へ出発しましょう。一歩中に入ると、大きな窓の外は一面の緑!館内にいるのに、まるで森の中に入ったかのようで、思わず圧倒されます。
券売機で入館チケットを購入したら、靴のままフロントへ。受付で渡されるリストバンドは、館内の支払いすべてに対応。最後に清算するので、無くさないように注意してくださいね。
入館料2,420円ですが、17:00以降は1,650円と、ちょっぴりお得に利用できます。後ほど紹介しますが、平日はランチがセットになったお得な湯治プランもありますよ。
入館料には、館内着・バスタオル・フェイスタオルが含まれているので、手ぶらで気軽に利用できるのがうれしいですね。
利用時間は10:00~20:00。なんと滞在時間の制限がないので、最高10時間もゆっくり過ごせます。さらに再入場可能なので、近くのスポットを観光してから温泉に入りに戻ってくるなんて過ごし方もできるのです。
更衣室は男女ともに2階。靴は更衣室に入る手前で脱ぎます。ロッカーの中には館内用のスリッパが用意されており、ハイキングや登山帰りの人でも快適に移動できるのがうれしいところ。一気に足元が軽くなり、長時間ゆったりとくつろげますよ。
館内着に着替えてバスタオルとフェイスタオルを持ったら、女性はその先にある大浴場へ。男性は脱衣所を出て1階の男性用大浴場へと進み、浴室前の簡易脱衣所で館内着を脱いで温泉に入ります。
森の中の露天風呂からサウナまで!お風呂の楽しみ方を一挙紹介
ここからは気になる温泉について紹介します。敷地内から汲み上げている源泉は、アルカリ性単純温泉。pHは9.5程度ですが、日によってはpHが10を超える時もあるそうです。
アルカリ性のお湯は、通称“美人の湯”と呼ばれるほどお肌がスベスベになります。手のひらでお湯に浸かっている体を触ると、スーッとすべるような肌になっていてビックリ!
内湯・露天風呂には2つの湯船があり、ひとつは38℃、もうひとつは42℃です。湯治目的なら38℃がおすすめ。体温とほとんど変わらないお湯は、のんびりと長時間浸かっていられます。温泉に15分ほど入り、血行を促進して、体の内側から温めるのが良いそうです。
実際に入浴して周りを見渡すと、やはり38℃のお湯のほうが人気のよう。とくに露天風呂では風が気持ちよく、体中の力が抜けてお湯と同化するような感覚になるほどリラックスできました。
洗い場にはシャンプーやコンディショナー、ボディソープなどのアメニティも用意されています。しかもDHCとPOLAの2種類。洗いあがりの髪の毛もしっとり艶々です。
大浴場の内湯は男女ともにシンプルな作り。内湯なのに開放感があって、外にいるような気分になれるのがポイントです。
露天はどちらも木々に囲まれていますが、男湯は川に面しているためせせらぎが聞こえてきます。一方の女湯は、周りすべてを木で覆われたプライベートな空間。森林浴の効果がより強く、マイナスイオンをたっぷりと浴びられますよ。
サウナは男女ともにひとつずつ完備されています。入ってみて驚いたのは、サウナ室内のヴィヒタは自家製だということ!スタッフのみなさんが森に入り、樫の木を集めて作ったものだそうです。自然のありがたみを感じられて、思わず愛着がわきますね。
また、男性用のサウナではロウリュウも行われるのだとか。日時はとくに決まっていなくて、支配人がゲリラ的に行うことが多いそう。スタッフとお客さんの距離の近さも人気の理由です。
男性用サウナの外には、きんらん水の水風呂があります。女性用はきんらん水のシャワーでしたが、女性用の水風呂も近々作る予定とのことです。
男湯の外気浴スペースは、川に向かって椅子が並べてある開放的な空間。上からはミストが降り注ぎ、とっても気持ち良さそうでした。