リゾート地として人気がある沖縄は、独特の文化を持つことでも知られています。県内には首里城などの有名な観光スポットもあり、旅行の際にいろいろなアクティビティが楽しめるのが沖縄の魅力です。今回ご紹介する沖縄県立博物館は、沖縄の歴史や自然、美術などを紹介する文化施設です。沖縄についてもっと知りたいときは、こういったスポットに足を向けてみると地域の魅力がわかるでしょう。ここではオススメポイントを挙げながら、沖縄県立博物館の魅力を解説していきます。
沖縄県立博物館・美術館とは
那覇市のおもろまちにある沖縄県立博物館は、博物館に美術館を併設した複合施設です。「沖縄県立博物館・美術館」の名で知られるこちらの施設は、沖縄の魅力を伝える文化施設として県内はもちろん県外からも注目を浴びています。博物館・美術館のマスコットキャラクターになっているのが、「おきみゅー(OkiMu)」です。施設の建物をモチーフにしたおきみゅーは、沖縄県立博物館・美術館の愛称から命名されました。沖縄県立博物館・美術館のコンセプトは、沖縄の自然や歴史、文化などを広く紹介することです。
例えば、博物館では民俗学や考古学をはじめ、生物学などの幅広いジャンルの展示を行っています。一方、沖縄に伝わる美術や沖縄出身のアーティストの作品を紹介しているのが美術館です。博物館と美術館の魅力を同時に味わえる点は、沖縄県立博物館・美術館ならではの大きな魅力と言えるでしょう。この施設は、収蔵する資料の量が多いことでも有名です。ちなみに、博物館では約94,000件の資料を収蔵しています。沖縄県立博物館・美術館のほとんどの資料は収納庫に保管されているため、展示品以外の資料を利用客が目にする機会は余りありません。
施設では、このような隠れた収蔵品を公開するツアーも開催しています。また、地域の子供たちを対象にしたイベントが多いのも、沖縄県立博物館・美術館の特徴です。学校とタイアップをした企画もあり、施設では子供の教育にも力を入れています。
沖縄の魅力をいろいろな切り口で紹介する博物館の展覧会
博物館では、さまざまなテーマの展覧会を開催しています。例えば、2018年から開催されたのが「海と島に生きる豊かさ、美しさ、平和を求めて」の展覧会です。常設展として催されたこちらの企画では、海に囲まれた沖縄ならではの環境にスポットを当てて、自然や歴史、文化などを読み解くのが1つのテーマになっていました。展示室には、沖縄の民族衣装や梵鐘を展示した総合展示のコーナーをはじめ、自然や考古、美術工芸などの複数のコーナーが設けられ、沖縄をいろいろな視点から眺められる内容だったのがこの企画です。また、同じ2018年からは「縄文と沖縄火焔型土器のシンボリズムとヒスイの道」も開催されました。
この展覧会でテーマになったのが、縄文時代の火焔型土器とヒスイです。縄文時代に多く作られた火焔型土器は、炎のようなダイナミックなデザインが施されているのが特徴になっています。さらに、鉱物であるヒスイは縄文人にとって貴重な宝物でした。展覧会では、沖縄や東南アジアで制作されたユニークな造形物も公開されています。その他にも、ヒスイがどのように沖縄に伝わったか、などもこの展覧会ではテーマになりました。琉球王朝で珍重された勾玉などが紹介されたこの展覧会は、古代史や考古学に興味がある人にとっても魅力的な内容だったと言えます。
沖縄伝統の建物が見られる中庭も見どころの1つ
施設の中庭には、沖縄に古くから伝わる住居や高蔵などが展示されています。琉球時代に使われていた建物を再現し、沖縄の民家の様子を紹介したのがこちらのコーナーです。沖縄伝統の家は、独特の特徴があることで知られています。例えば、強風の影響を受けにくくする石塀や屋敷林などは、沖縄の家によく見られる特徴です。沖縄県立博物館・美術館に展示されている建物も、軒が低い平屋建ての設計になっており、琉球の家の特徴を有しています。このようなスタイルの建物は本州ではなかなかお目にかかれないため、施設を訪れた際にはぜひチェックしておきましょう。
また、住居の隣には、沖縄の窯業を支えた湧田窯を紹介する湧田窯展示棟が設けられています。湧田窯は、17世紀ごろに沖縄で使用されていた窯です。展示されている窯は当時の姿をとどめており、一見の価値があります。中庭は、沖縄の植物を観察するのにも絶好の環境です。中庭の近くには地域の有用植物などが植生展示として植えられているため、歩いている途中で珍しい植物を目にすることがあるかもしれません。気になる植物を見つけたら、和名や学名とあわせて沖縄での呼び名も調べておきましょう。
学芸員から詳しい説明が受けられるバックヤードツアー
沖縄県立博物館・美術館では、毎月1回のペースで学芸員が収蔵庫を案内するバックヤードツアーを行っています。施設が所有するありとあらゆる資料を学芸員のガイドを受けながら観覧できるのが、このツアーの特徴です。沖縄県立博物館・美術館のバックヤードツアーは、小学校に入学前の幼児から大人まで参加が可能になっています。ツアーを行う学芸員は考古や地学、人類などのさまざまなジャンルを担当しており、案内してもらえる収蔵庫もその都度変わる仕組みです。各日程のツアーを行う学芸員と担当のジャンルは、公式サイトで紹介されています。興味があるジャンルのバックヤードツアーを選んで、沖縄の魅力を満喫してみましょう。
こちらの施設のバックヤードツアーは、参加費が無料です。毎回のツアーは1時間前後の比較的短い内容になっていますが、特定のジャンルに詳しい学芸員から直接話が聞けるのは大きな魅力と言えます。博物館や美術館の学芸員の仕事は、資料の展示だけではありません。沖縄県立博物館・美術館の場合も、学芸員は資料の調査や研究、収集などを広く行っています。専門家から収蔵庫を案内してもらえるバックヤードツアーは、大人にとっても貴重な体験になるでしょう。
図書や視聴覚資料が閲覧できる情報センター
1階の総合案内の近くには、沖縄に関する図書や視聴覚資料をそろえた情報センターがあります。パソコンが使えるブースが設けられたこのセンターは、利用者が自由に図書や視聴覚資料を楽しめるスペースです。パソコンを利用した収蔵品の検索もできるようになっており、見たい資料があるときにもすぐに目的の1品を探せます。一般の図書館と同じようなサービスが受けられるところは、こちらの情報センターの便利な点です。レファレンスコーナーを利用すれば、情報をどのような方法で集めればよいかもわかるでしょう。
また、情報センターの壁に設置された書棚には、沖縄の自然や歴史についてわかりやすく解説した子供むけの本や、専門書などがそろっています。沖縄県立博物館・美術館が発行した資料もあり、調べものにはもってこいの環境と言えるでしょう。さらに、情報センターでは、博物館や美術館の展覧会の音声ガイドも提供しています。無料で借りられる音声ガイドは、日本語はもちろんですが、英語や韓国語、中国語などの複数の言語に対応しています。このような音声ガイドを借りて展覧会を観覧すると、より深く企画の内容を理解できるかもしれません。情報センターは、ホワイトをベースにした明るい内装でまとめられており、開放感がある雰囲気の中で調べものができるのも魅力です。
沖縄のお土産も手に入るミュージアムショップ「ゆいむい」
沖縄県立博物館・美術館にある「ゆいむい」は、施設のオリジナルグッズなどを販売するミュージアムショップです。エントランスホールの一角に設けられた「ゆいむい」の店舗は、ガラスの壁と扉でホールと隔てられており、落ち着いて買い物ができるようになっています。明るい店内は、つい長居をしてしまいたくなるような雰囲気です。また、デパートのワンフロアのように商品が美しくディスプレイされており、優雅な気分でショッピングが楽しめます。商品のバリエーションも豊富で、いろいろな品が手に入るのがこちらのお店の特徴です。
博物館や美術館で開催された展覧会の図録はもちろん、見ているだけで楽しくなるようなユニークな品を扱っているところは「ゆいむい」ならではと言えるでしょう。販売されている商品には、こちらのお店でしか手に入らないものもあります。このようなミュージアムショップは、お土産を探すときにも重宝するでしょう。例えば、模型クラフトなどは、子供だけでなく大人のお土産にも適した1品になるかもしれません。さらに、沖縄の名スイーツである「ちんすこう」も「ゆいむい」で販売されている1品です。沖縄県立博物館・美術館のマスコットキャラクターである「おきみゅー」にちなんだグッズも充実しています。
沖縄のメニューが味わえる「カメカメキッチン」
沖縄県立博物館・美術館のミュージアムカフェ「カメカメキッチン」は、沖縄ならではのメニューを提供しているカフェレストランです。アットホームな雰囲気のこちらのお店では、パスタやサンドイッチなどのカフェの定番メニューが楽しめますが、沖縄に伝わる料理も一部メニューに載せています。例えば、沖縄の郷土食として有名な「ポーク玉子」を使ったサンドイッチなどは、ぜひ試してみたい1品です。ランチタイムに提供されるコースメニューは、充実した内容でお店でも人気を得ています。島野菜を使ったヘルシーなメニューが多いため、ダイエット中の女性や健康を気遣う人でも利用がしやすいでしょう。
「カメカメキッチン」では、スイーツのメニューも用意しています。チーズケーキやチョコレートを使ったケーキは、大人のティータイムにも最適です。また、タイミングによっては、展覧会にちなんだメニューも登場し、期間限定のオリジナルメニューを味わえる貴重なチャンスです。ユニークな盛り付けの料理なども楽しめる可能性があるため、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。さらに、「カメカメキッチン」にはキッズスペースもあり、家族連れでもゆっくりと食事ができます。
沖縄県立博物館・美術館の料金
博物館常設展料金
個人
- 一般:410円
- 高校生、大学生:260円
- 小中学生:150円
団体(20名以上)
- 一般:330円
- 高校生、大学生:210円
- 小中学生:120円
美術館コレクション展
個人
- 一般:310円
- 高校生、大学生:210円
- 県外小中学生:100円
団体(20名以上)
- 一般:250円
- 高校生、大学生:170円
- 県外小中学生:80円
WEBチケット(1DAY PASSPORT)
- 一般:2,280円
- 高校生、大学生:1,380円
- 県外小中学生:780円
おきみゅーメンバーズ年会費
スペシャルメンバー(博物館のすべての展覧会)
- 一般:3,900円
- 高校生、大学生:2,500円
- 県外小中学生:1,400円
- 県内小中学生:1,050円
- 70歳以上:3,200円
スタンダードメンバー(博物館の常設展のみ)
- 一般:1,200円
- 高校生、大学生:750円
- 県外小中学生:450円
- 県内小中学生:無料
- 70歳以上:無料
沖縄県立博物館・美術館の割引クーポン
県内小中学生フリーパス割引
沖縄県内の小中学生は、自作したフリーパスを提示すると常設展の料金が無料になります。
- 小中学生(個人):通常150円→無料
- 小中学生(団体):通常120円→無料
沖縄県立博物館・美術館の営業時間
通常営業時間
博物館・美術館
【火・水・木・日】9:00~18:00(入館は17:30まで)
【金・土】9:00~20:00(入館は19:30まで)
ミュージアムカフェ「カメカメキッチン」
- 9:00~18:00(金、土は20:00まで営業)
ミュージアムショップ「ゆいむい」
- 9:00~18:00
休館日
- 月曜日(祝日や振替休日、慰霊の日のときは開館、翌日休館)
- 年末年始(12月29日から1月3日まで)
沖縄県立博物館・美術館のアクセス
公共交通機関を利用する場合
- 沖縄都市モノレールゆいレール「おもろまち」駅下車徒歩10分
- 那覇空港から琉球バス99番線に乗り、「おもろまち3丁目」で下車徒歩5分
- 那覇空港から琉球バス、沖縄バス120番線に乗り、「上之屋」で下車徒歩10分
- 市内線の那覇バス3番線、10番線、沖縄バス7番線に乗り、「県立博物館前」で下車
- 市内線の那覇バス6番線に乗り、「那覇メインプレイス東口」で下車徒歩5分
車、タクシーを利用する場合
- 那覇空港から約30分
沖縄県立博物館・美術館の駐車場
駐車場詳細
名称:沖縄県立博物館・美術館無料駐車場
住所:沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号
営業時間:施設の営業時間と同じ
駐車台数:一般車158台(身体障がい者用4台含む)
大型バス10台
二輪車25台
料金:無料
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