友達や家族、カップルでいつもとは違う休日を過ごしたい人におすすめなのが、神奈川県横浜市にある「原鉄道模型博物館」です。この記事では、鉄道に詳しくなくても、訪れた人が夢やロマンを感じられる原鉄道模型博物館のおすすめポイントや、施設の特徴、見逃せないポイントなどについて解説しています。また、営業時間やおすすめのアクセス方法、駐車場情報もまとめていますので、訪れる際の参考にしてみてください。
「原鉄道模型博物館」とは
「原鉄道模型博物館」は、日本で初めて鉄道が開通した横浜の地にある博物館です。2012年7月のオープン以来、鉄道ファンをはじめ、多くの来場者を迎えてきました。同博物館には、幼少期から鉄道をこよなく愛してきた原信太郎氏が、これまで手がけてきた膨大な鉄道模型と鉄道関連のコレクションが展示されています。展示品はすべて個人所有のものですが、鉄道模型製作に関しては世界一と称される、原氏の技術が見られる作品群はみごとです。人生のほとんどを鉄道の研究に注いだ彼のコレクションは、鉄道ファンはもちろん、そうではない人も楽しめるでしょう。館内には蒸気機関車に始まり、電気機関車へと目覚ましい発展を遂げた鉄道の歴史をたどるように、さまざまな時代に存在した鉄道模型が一堂に会しています。日本の鉄道にとどまらず、アメリカやヨーロッパなど、世界中の鉄道車両を模型化したコレクションは一見の価値ありです。
館内は、数々の鉄道模型が並ぶ展示室やジオラマ、鉄道史を学べるパネル展示室などのコーナーに分かれています。今となっては見ることのできない、貴重な鉄道関連のコレクションも同館の魅力です。大人は昔懐かしい鉄道風景を、子どもはまだ見ぬ鉄道のロマンを楽しむことができ、老若男女が展示を通してワクワクできるでしょう。授乳スペースや車椅子対応の設備、レストエリアなども整っており、誰でも気兼ねなく訪れることができます。館内のラストを飾るのは、横浜の今と昔の町並みを再現したジオラマです。横浜駅(今の桜木町駅)周辺や馬車道、中華街エリアなどの移り変わりが見られる展示は見逃せません。
原鉄道模型博物館は、世界中の鉄道模型のラインアップやユニークなジオラマなど、ほかでは見られない数々の作品とその展示手法が魅力です。ここでは、原鉄道模型博物館の特筆すべき見どころを3つにまとめてご紹介します。
模型のリアリティがすごい
原信太郎が手がけた鉄道模型がほかと一線を画している最大の要因は、そのリアルさです。幼少期から鉄道に興味を寄せ、乗車、撮影、切符の収集などに情熱を注いでいた原氏は、小学6年生のころから鉄道模型の製作を始めました。彼の鉄道に対する情熱は大人になっても止まず、大学や会社でも鉄道技術を学び続けます。戦後は約380カ国もの国々を訪れて、各国の鉄道車両を模型化しました。彼の所蔵模型数は、約6,000両にも上ります。世界各国を訪れて撮影したスチールは約10万枚、ムービーフィルムは16ミリ、8ミリ、VTRなどを合わせて約440時間も撮影してきたのです。あらゆる鉄道車両を観察・模型化してきたその知識や経験、技術力は、世界で唯一無二のものといえるでしょう。
彼が手がけた作品は、観賞するだけの単純な鉄道模型にとどまりません。これらの模型は本物さながらに架線から電気をとり、鉄のレールの上を鉄の車輪で走行します。原鉄道模型博物館で鉄道模型を見る際には、ぜひ耳を澄ましてみてください。レールのつなぎ目をゴトンゴトンと走る列車の音が聞こえるはずです。原氏はギアや板バネ、ベアリング、ブレーキ、揺れ枕など、外からは見えない内部の小さな部品まで、本物の鉄道に使用されている技術を模型に搭載しました。実際の鉄道と同じ仕組みが忠実に再現され、本物さながらに走る鉄道模型の姿は、ほかでは見られない原氏の技術のみが成せる技です。
世界最大級の鉄道ジオラマ
博物館のハイライトが、館内の中央に位置する室内ジオラマ「いちばんテツモパーク」です。この広いホールでは、一番ゲージ(縮尺約32分の1)の鉄道模型がヨーロッパをイメージした町なかを颯爽と走行します。1周約70メートルの線路が6本並び、総延長は450メートルほどと、大規模なジオラマです。このレールの上を、原氏が手がけた1両約80センチもある巨大な模型が走ります。屋内でこれほど大規模なジオラマを見られるのは、世界でもまれといえるでしょう。鉄道模型はコントローラーの電気をオフにしても走り続ける惰性走行や、架線からパンタグラフで電気を取り込む架線集電なども備えられています。これらのハイレベルな技術は、原氏の鉄道模型だからこそ実現した、情熱の賜物です。
ジオラマには蒸気機関車、電気機関車、そしてトロリーなど、個性的な車両がいくつも並んでいます。転車台を備えた扇形車庫や古びた鉄橋、フランスのリヨン駅をモチーフとした大きな駅舎など、細部まで作り込まれた町並みも必見です。町の風景には駅のホームに佇むビジネスマンや洗濯物を干す女性など、鉄道を取り巻く日常生活も垣間見られ、この緻密さには誰もが見入ってしまうはず。ジオラマの周囲には、この巨大な町の全体を見渡せる観覧席が設置されています。鉄道が走り抜けるリアルな日常の情景を、じっくりと楽しみましょう。
世界屈指の有名な列車模型がずらり
館内には、世界中の列車を忠実に再現した、原氏による鉄道模型の集大成といえる展示室が2つあります。1つは第一展示室「原模型の真髄」。鉄道に詳しくない人でも耳にしたことがあるような、数々の有名な列車模型の展示コーナーです。パリとイスタンブールを結んだ豪華寝台列車「オリエント急行」は、木造の美しい車両が再現されています。模型の内部をのぞいて、みごとな天井絵もぜひ見てみましょう。明治時代に九州鉄道がアメリカに発注して完成したものの、ついに一度も営業運転されなかった幻の列車「或る列車」の模型も必見です。2015年にJR九州でデビューした人気の観光列車「或る列車」は、この模型をモデルとして、インダストリアルデザイナーの水戸岡鋭治氏監修のもとデザインされました。
このほか、原信太郎が小学生の時に作った一号機関車の模型や、朝鮮半島に存在した伝説の登山列車「金剛山電気鉄道22号」、ブッフリ式駆動装置を再現した「スイス国鉄 Ae4/7形」など、今となっては見ることのできないユニークな作品が展示されています。もう1つの展示室は、第二展示室「語る模型」です。ここでは「力持ち機関車物語」「高速機関車物語」「クラシック木造車両物語」「トロリーポール物語」など、テーマごとに模型車両が展示されています。時代によって変化を遂げてきた鉄道の歴史や文化がよく分かる、とても興味深いコーナーです。日本国内の列車に関しては、昭和の蒸気機関車を集めた「昭和の蒸気機関車の物語」もおすすめ。また、特徴の異なるさまざまな私鉄のラインアップが楽しめる「私鉄百花繚乱物語」などもあり、昔懐かしいレトロな模型から現役の車両模型まで見ることができます。
「原鉄道模型博物館」の料金
入館料
- 大人:1,000円
- 中学・高校生:700円
- 小人(4歳以上):500円
「原鉄道模型博物館」の営業時間
通常営業時間
- 10:00~17:00(最終入館16:30)
※予告なく営業時間が変更となる場合があります。
※事前予約制です。詳しくは、博物館公式サイトをご確認ください。
定休日
- 毎週火・水曜日(祝日の場合は営業し、翌営業日に振替休館)、年末年始、施設保守点検期間(2月上旬予定)
「原鉄道模型博物館」のアクセス
公共交通機関を利用する場合
- JR、横浜高速鉄道みなとみらい線、横浜市営地下鉄「横浜」駅東口から徒歩約5分
- 横浜高速鉄道みなとみらい線「新高島」駅から徒歩約2分
車を利用する場合
- 首都高速神奈川1号横羽線「みなとみらい」から約3分
- 首都高速神奈川1号横羽線「東神奈川出口」から約6分
「原鉄道模型博物館」の駐車場
原鉄道模型博物館には、専用駐車場がありません。車で訪れる際は、博物館が入っている横浜三井ビルディングの地下1階「三井のリパーク」に駐車が可能です。
名称:三井のリパーク
住所:神奈川県横浜市西区高島1丁目1-2 横浜三井ビルディング
営業時間:24時間
駐車台数:153台
料金:7:00~23:00は30分300円(最大料金2,000円)
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