日本一大きなオスのシャチを見られる巨大水槽や、南極観測船の旅路を巡る展示コースなど、たくさんの見どころが詰まった「名古屋港水族館」。館内は北館と南館にわかれ、それぞれのテーマに沿った展示を行っているのが特徴です。名古屋港が目の前にある恵まれたロケーションには、迫力満点のショーやふれあいイベントも盛りだくさん。今回は名古屋港水族館を訪れてわかった、数々の見どころや人気スポットについて詳しく紹介します。
名古屋港水族館とは?
1992年に誕生した名古屋港水族館。名古屋港にある「ガーデンふ頭」の一角に位置し、近隣には商業施設の「JETTY」や、遊園地「名古屋港シートレインランド」、公園「ガーデンふ頭臨港緑園」などが集まるエリアにあります。
「35億年のはるかなる旅」を楽しめる北館と、「南極への旅」を満喫できる南館にわかれており、それぞれストーリー性の高い展示を見て回れます。見どころは、国内の水族館では珍しいシャチの飼育水槽や、4種類のペンギンが棲む南極さながらの水槽。海を望むダイナミックな展示やパフォーマンスを見られるのが特徴です。
水族館の目の前にある港には「南極観測船ふじ」が係留しており、船を眺めながら海と空を身近に感じられます。
実は名古屋港水族館の南館は、かつて南極観測船ふじが南極へ向かったコースを巡る展示構成となっているため、この観測船が名古屋港水族館を語るうえでは欠かせない存在なのです。実際の船体を眺めてから入館すれば、より南極の世界が身近に感じられます。
国内最大級の大型水槽がある「北館」の見どころ
北館の見どころは、なんといっても自由に泳ぎ回るシャチやイルカたち。国内最大級の大型水槽で行われる迫力満点のショーや、日本一大きなオスのシャチと出会える水槽など、さまざまな魅力を持つ北館を巡ってみましょう。
・シャチやイルカに大興奮!3階までつながる大型水槽「日本の海」
北館2階入口から入ると、青く美しい大型水槽が広がります。ここ「日本の海」エリアでは、シャチやバンドウイルカ、カマイルカが悠々と泳ぐ姿を見られます。
なかでも全長8m、重さ3tの海の王様・シャチが泳ぐ姿は圧巻。オスの尾びれは最大1.8mにもなるとのこと。食物連鎖の頂点に立つ生き物にふさわしい堂々とした泳ぎに、思わずうっとりするはず。
ちなみにシャチは群れをつくって行動する習性があります。血縁の近い群れ同士では、人間でいう方言のように、その群れに属した鳴き声をするそうですよ。興味深いですね!
イルカのいる水槽では、バンドウイルカやカマイルカの泳ぐ姿が見られます。イルカといえば背びれを上にして泳ぐイメージがありますが、仰向けで泳ぐバンドウイルカも多数いました。仰向けで泳ぐ理由は、詳しくはわかっていないそうです。
さまざまな泳ぎ方をするイルカですが、この姿を真横から見られるのも大型水槽があるからこそ!イルカショーでジャンプをするときとは違う自由な姿に出会えます。
・愛らしいベルーガに会える「オーロラの海」
ベルーガは「シロイルカ」とも呼ばれ、多彩な鳴き声を出すことから「海のカナリア」の別名もある生き物。公開トレーニングのときには、飼育係が出す「グー・チョキ・パー」のサインを見て、サインに合った別々の鳴き声を披露してくれることもあります。
人間のサインを理解して、鳴き声で表現する賢いベルーガ。愛らしい姿を眺めていると時が経つのを忘れそうになります。
ちなみに先日、ベルーガ「グレイ」の妊娠が発覚。2012年にグレイからベルーガの赤ちゃん「ミライ」が生まれて以来久しぶりの妊娠なので、来年夏頃の出産が待ち遠しいですね。
・クジラは昔陸を歩いていた?「進化の海」
大型哺乳類に癒されたあとに現れるのは「進化の海」。シャチやキタトックリクジラの模型・骨格標本などが目印です。
進化の海では、陸地で暮らしていた哺乳類が海の中で暮らすクジラに進化する過程を、骨格標本や化石のレプリカなどを使ってわかりやすく展示しています。
なかでもぜひチェックしてほしいのは、約5300万年前に生息していた4本足の「パキケタス・アトッキ」の骨格標本。耳の骨がクジラの仲間特有の特徴を持っているのだとか。
陸地を歩くだけではなく、水中に頭をつけて音を聞きながら獲物を捕らえていたと考えられています。はるか昔にクジラの仲間が4本足で歩いていたなんて、とても興味深いですね!
・座ってのんびりと生き物たちを眺められる「水中観覧席」
縦4×横29mの水中観察窓から、イルカやシャチなどのダイナミックに泳ぐ姿を眺められる「水中観覧席」。ショーなどが開催される3階メインプールの2階部分に当たります。絨毯敷きとなっているため、腰をおろしながら水中を優雅に泳ぐ生き物たちを眺められる特等席。生き物たちと一緒に、水の中にいるような感覚に浸れる空間です。
・シャチやイルカのショーを開催!3階「メインプール」
長さ60m、幅30m、最大水深は12mもある大型メインプール。イルカやシャチが織りなす大迫力のパフォーマンスを観賞できます。目の前の巨大スクリーンには、ジャンプ直前の水中の様子や生き物の生態がわかる映像が流れ、多角的にショーを楽しめます。
観客席からでは見えない角度のリアルタイム映像も見られるので大興奮!ちなみに3階はメインプールのほか、2階から続くイルカやシャチのプールもあります。タイミングが良ければ、エサやりなどの時間に遭遇できるかもしれません。生き物たちの普段とは異なる様子を眺められますよ。
・ケープペンギンとふれあえる「しおかぜ広場」
2階の「進化の海」の近くにある扉から外に出ると、「しおかぜ広場」が広がります。しおかぜ広場は、芝生が生い茂った公園のような開放的な空間。たくさんの親子で賑わう声が聞こえてきます。
タイミングが良ければ、広場の一角にケープペンギンが登場。エサを食べたり、遊んだりしている姿を見られます。アジやイカナゴなどの魚を丸ごとツツっと飲み込む姿はとても愛らしく、子どもたちにも大人気。
ペンギンを間近で見られるのは、10:00から始まる「ケープペンギンのフィーディングタイム」と、14:30からの「ペンギンよちよちウォーク」です。毛並みまで確認できる距離でケープペンギンの姿を見られるので、ぜひ足を運んでみてくださいね。