「あべのハルカス」は、大阪市阿倍野地区にそびえ立つ高さ300mを誇る超高層ビル。展望台からの眺望は大阪随一の絶景スポットとして知られ、とくに夕暮れから夜景に移る時間帯は感動的な光景が360度に広がります。展望台エリアだけでなく、国宝や重要文化財の展示が可能な美術館、百貨店、ホテル、オフィスが入る、まさに立体都市。館内には人気のフォトスポットや、人気のキャラクターグッズ、限定グルメなどもあり、1日中楽しめるのが魅力です。観光客はもちろん、地元の大阪人もどハマりする、あべのハルカスの見どころを徹底レポートします。
あべのハルカスとは?
天王寺エリアのシンボルであり、大阪を代表するランドマークのひとつである「あべのハルカス」。地上60階・地下5階・高さ300mを誇るスーパートール(超高層ビル)です。内部にはあべのハルカス近鉄本店(近鉄百貨店)、あべのハルカス美術館、大阪マリオット都ホテル、ハルカス300(展望台)などが入り、バイオガス発電など環境に配慮した地球にやさしい「立体都市」となっています。
ハルカスという名称は平安時代初期に記された『伊勢物語』に登場する古語に由来し、「晴れ晴れとさせる」という意味だそう。
その名にふさわしい場所であることは、一度でも訪れた人ならはっきりと分かります。2014年に開業した当時は日本一の超高層ビルとして話題になりましたが、2023年秋に「麻布台ヒルズ森JPタワー」(325m)が完成したことで国内2番目に。しかし、日本一高い“駅ビル”であることは当面変わりません。
建物全体をガラスで包みこんだシンプルかつ洗練されたデザインは美しく、遠く離れた場所からも見られます。
圧倒的な存在感と、見上げた時の迫力、館内に入れば1日中楽しめる豊富なスポットが魅力。さらに梅田、難波に続く大阪第三の主要エリア・天王寺のターミナル駅に直結している利便性を備えており、まさに大阪のシンボルにふさわしいスポットです。
あべのハルカス展望台の見どころを紹介
あべのハルカスの最大の見どころは、高さ300mを誇る超高層ビルからの眺望です。ハルカス300(展望台)は58階、59階、60階の三層構造で、気候条件が良ければ、明石海峡大橋から淡路島、生駒山系、京都タワー、そして関西国際空港なども一望できます。
16階でチケットを購入したら、高速エレベーターで一気に60階へ。扉が開くと、目の前には天空の世界が広がります。
・ハルカス300(展望台)のビューポイント
地上約300m上空から見る光景はまさに別世界。眼下に広がる大阪の街は、まるでミニチュア玩具が散らばっているかのように見えます。今まで見上げていた建物が小さく見え、車もゴマのようなサイズでチョコチョコと動く様子に思わず微笑んでしまいます。
歴史に興味がある方は、大阪城を探してみるのもおすすめ。大阪城を見つけたら、次は天王寺動物園を探してみましょう。
動物園に隣接する緑の一帯は「茶臼山(ちゃうすやま)」。そう、ここは「大坂冬の陣」の徳川家康本陣跡、「大坂夏の陣」の真田幸村本陣跡がある場所です。さらに先へ目をやると、幸村が命を落としたと伝わる安居神社も見えます。
そのほか、教科書で目にした「四天王寺の伽藍配置」を上から見られる贅沢感も、展望台エリアだからこそ味わえる楽しさのひとつです。
足下から天井まで360度ガラスを配した展望台は、まるで雲の上を歩いているように爽快です。この果てしない大パノラマは、気分転換をしたいときや、何か悩みを感じているときに訪れると、新しいヒラメキが見つかりそうです。
ちなみに補足ですが、59階のトイレも見事な眺望が広がっています。こちらもぜひ行ってみましょう。
・夕暮れ時と夜景は絶対に見ておきたい美しさ
展望台に行く場合は、15:00ごろから夜まで、4~5時間ほど余裕を持って計画しておくのがおすすめです。その理由は、時間経過によって景色が大きく変化するから。もちろん展望台にはカフェレストランやグッズショップがあるので、待ち時間も充実した時間を過ごせます。
夕暮れ時になると青々していた風景はオレンジ色に変化し始めます。この時間帯になると人々は足早に西側に移動しますが、ここはサンセットの時間をあらかじめチェックしておいて、慌てずに行動するのが一番です。
太陽が沈む瞬間の美しさはいうまでもありません。メインのビュースポットは西側ですが、西日に照らされた大阪の街並みが黄金色に輝いていく姿も負けないほど素晴らしい!この時間帯は西側にこだわらず、東西南北を見て回るのがおすすめです。
ただし、西側に人が多く集まりますので、混み具合によって「サンセットが見られなくなるかも」と不安に感じるなら、早めに場所を確保しておくのもいいでしょう。
夕陽が大地に迫ってくると、混み合う人々の会話が次第に少なくなり、静かな時間が訪れます。
一面はオレンジ色に染まり、ビル群のシルエットが浮かび上がります。そして、海面に反射した光の道が生まれ、眩しさを増したと思えば、落ちるように沈んでいく。
「人生の中で思い出に残るサンセットは?」そんな質問をされたら「あべのハルカスで見た景色」と答えたくなる、そんな光景が目の前に広がります。
サンセットの余韻に浸っている余裕はありません。見どころはまだまだ続きます。
空が暗くなり、街の灯りが色濃くなる幻想的な時間帯の始まりです。この黄昏時から夜景に移るタイミングも美しいので、見逃してはもったいないですよ。
日中の眺望、サンセット、夜景、どのタイミングを切りとっても素晴らしい景色が広がります。時間の移り変わりとともに変化する街並みは、例えようがないほど美しい。だからこそ、あべのハルカスの観光は1日プランで計画するのがおすすめです。
夕陽が完全に沈むと、眼下には見事な夜景が広がります。大阪や神戸には夜景スポットとして人気の場所は色々とありますが、高所に行くと海や山が視界に入る割合がどうしても多くなります。
ハルカス300(展望台)のように、360度見渡す限りに夜景が広がる贅沢な環境はなかなかありません。あべのハルカスが大阪随一の夜景の名所といわれているのも納得できますね。
・展望台エリアの新しい楽しみ方「ヘリポートツアー」
あべのハルカスの展望台には「ヘリポートツアー」もあります。これは屋上に位置するヘリポートを見学できる特別なツアーのこと。料金は1,500円。所要時間は集合から解散まで約25分で、ヘリポートの見学時間は約10分程度となります。
屋上に到着すると、地上300mを吹き抜ける強い風を感じながら、窓ガラスなどに遮られないリアルな絶景が楽しめます。
高所が極度に苦手な方は「ちょっと危ないのでは?」と心配になるかもしれませんが、危険はないのでご安心を。ただし、安全上のために手荷物などの持ち込み制限や注意事項は厳守となります。このツアーの定員は30名で先着順。人気の高いツアーなので、展望台に来たらすぐに申し込みをしておきましょう。