上野の国立西洋美術館では2017年6月20日(火)〜9月24日(日)の期間中、アルチンボルド展が開催されます!世界各地から集めたアルチンボルドの油彩約10点のほか、素描などおよそ100点の出品作品により、ユーモラスでシュールな世界に迫ります。アルチンボルドの芸術を本格的に日本で紹介するのは今回がはじめてということで、注目度の高い展覧会です。
アルチンボルドってどんな人?
ジュゼッペ・アルチンボルド(1526-1593年)は、16世紀後半にウィーンとプラハのハプスブルク家の宮廷で活躍した、イタリア・ミラノ生まれの画家です。果物や野菜、魚や書物といったモティーフを思いがけないかたちで組み合わせ、寓意的な肖像画を描くことで知られています。
逆さにすると何がみえる?魅惑の絵画が集結
アルチンボルドの絵画は、遊び心に富んだ仕掛けがたくさん。たとえばこちらの絵画、何に見えますか?お皿に盛られているのは子豚のよう。そしてフタをそっと開けているようにみえますが…。
画像を逆さにして見ると、こちらを向いてにやりと笑う人の顔が浮かび上がってきます!顔が生き物で表現されているという、なんともユーモラスでシュールな作品ですね。このように、一見しただけでは分からない、じわじわくるおもしろさがあるのがアルチンボルド絵画の特徴といえます。
これらの逆さ絵はアルチンボルドがミラノに戻った後の作品ですが、彼は同じような絵をウィーン時代にも描いていたそう。肉や野菜の静物画として見た場合、これらはイタリアにおける最初の独立した静物画となります。イタリアの静物画の展開にも画期的な役割を担っていたといえそうですね。
見どころをご紹介!
今回の展覧会では、《春》《夏》《秋》《冬》が集結して展示され、四季と人間のうつろいを比較して見られる貴重な機会となります。4つの絵画はそれぞれの季節の植物によって上半身が構成され、年若い《春》から老人の《冬》まで、季節が各世代に対応しています。
《春》には80種もの花々が描き込まれており、生命力があふれるような印象です。主に野菜や果物から構成される《夏》には、大航海時代を経てメキシコからもたらされたばかりのトウモロコシや、アフリカ、アラビア、インドが原産のナスなどの野菜が数多く登場します。
年代によって変わりゆく植物の構成や、人間の表情にも注目してみてくださいね。
また、アルチンボルドは画業のかたわら、宮廷の祝祭行事の企画演出でも才能を発揮しました。今でいうアートディレクターとしてのセンスをうかがえる素描も展示されます。騎馬試合の企画など、当時のイベントがどのようなものだったかを知るのもおもしろそうですね。
さらに、独特な世界感をもつアルチンボルド芸術の成り立ちの鍵となるレオナルド派の素描も公開されます。ユニークな芸術がどのように成立していったのか、美術品とともに辿りましょう。
見れば見るほど引き込まれる、魅惑的なアルチンボルドの世界をぜひ一度体感してみてくださいね!
■開催概要
開催期間 2017年6月20日(火)〜9月24日(日)
会場 国立西洋美術館 〒110-0007 東京都台東区上野公園7−7
アクセス JR上野駅下車(公園口)徒歩1分
休館日 月曜日、7月18日(火)※ただし、7月17日(月)、8月14日(月)、9月18日(月)は開館
開催時間 午前9時30分〜午後5時30分(金・土曜日は午後8時まで) ※入館は閉館の30分前まで
料金 【当日】一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円【前売り】一般1,400円、大学生1,000円、高校生600円
※前売券は2017年3月21日(火)〜6月19日(月)まで販売。国立西洋美術館では6月18日(日)まで販売
※中学生以下は無料 ※団体は20名以上 ※心身に障がいのある方とその付き添い者1名は無料(入館の際に障がい者手帳を提示)
お問合せ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
公式HP http://arcimboldo2017.jp/
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