ゆりかもめに乗って未来館へ
未来館へは、電車、バス、車などでアクセスできます。電車での最寄り駅はゆりかもめのテレコムセンター駅か、りんかい線の東京テレポート駅です。テレコムセンター駅からは徒歩4分、東京テレポート駅からは徒歩15分ほどかかるとのことだったので、今回はテレコムセンター駅を利用しました。
改札を降りて右に進むと、ビルへの通路がつながっています。
ビルの外階段を降りて…
並木が続く道を抜け、道路を渡った先に未来館はあります。
テレコムセンター駅から行くと、建物の裏側からアクセスする形になります。一度未来館の建物を通り過ぎたところがチケット売り場です。
入館料は大人620円、18歳以下なら210円、6歳以下(未就学児童)は無料と超お得!入館料を支払うときにドームシアターも見ますか?と聞かれます。別料金(大人300円、18歳以下100円)ですが一見の価値あり。ドームシアターの鑑賞券は入館チケットとセットでないと購入できないので、ぜひこちらも一緒に購入することをおすすめします。
中に入るとエスカレーターと階段が7階まで続く、広い吹き抜けに圧倒されます。基本的にこの吹き抜け部分は無料(入館料不要!)で、常設展示エリアに入る際に入館料が必要になります。
日本科学未来館のシンボル展示、ジオ・コスモス
日本科学未来館のことはよく知らなくても、この大きくてリアルな地球は知っているという人も多いのではないでしょうか。
これはジオ・コスモス。直径6メートル、10,362枚もの液晶パネルからなる美しい地球の姿を見られます。日本科学未来館の館長であり、宇宙飛行士の毛利衛さんの「宇宙から見た地球の姿を多くの人と共有したい」という思いから生まれました。
宇宙から見た地球の姿、90日分を約8分で投影しています。雲の動きが面白くて、ずっと見ていたくなります。
3階のフロアからはジオ・コスモスをより間近に見られます。
3階のジオ・コスモスを眺められる場所には、ジオ・スコープと呼ばれるタッチパネル式のボードが置いてあります。
地球上の観測データや、未来予測シュミレーションなどを見られます。CO2(二酸化炭素)濃度を100年前と今で比べてみたり、
海水温の上昇についての予測を見てみたり…
左右に並んだアイコンをボードに乗せると、テーマに応じて映像が切り替わったりします。
いろいろなデータを見ていると、人間の活動が地球環境に影響を及ぼしているのだな、と改めて考えさせられます。生活が便利になるのと引き換えに、大事なものを失っているのではないか…と振り返る時間にもなりました。
なめらかな動き!ASIMOに出会おう
日本科学未来館に来たらぜひ会っておきたいのが、人気者・ASIMO。Hondaが開発した2足歩行する人型ロボットで、まるで人間のようになめらかに動くのが特徴です。モーターショーなどの展示に出てくることはありますが、常にASIMOに出会える場所は日本でも3か所しかありません。その1つが日本科学未来館です。
はじめに「ロボットが活躍する未来を考えてみてほしい」という話があり、いよいよASIMOの登場です!
まるで中に人が入ってるんじゃない?と思うぐらい、なめらかに動くASIMO。足を動かすのに、上半身でもバランスを取っていることなど、人間の動きについても教えてくれます。「よくわかったでしょう?」とたまにドヤ顔もします。
写真ではなかなかお伝えしづらいですが、普通に歩くだけではなく、ダッシュしたり、片足でケンケンしたり…と、アクティブに動きまわってくれます。
最後は手話も披露してくれて、約10分のステージが終了。自然と拍手が起こります。
観客の方を見てみると、欧米の方が多いことに気づきます。「日本のハイテクな技術を見たい」とASIMOを目当てにやってくる人もいるそうです。
小さな子どもがのびのび遊べる“おや?”っこひろば
吹き抜け部分の3階には、子どもが遊べる「“おや?”っこひろば」があります。ここはなんと入館料不要、無料で楽しめるゾーンです。
ひろばの利用にはルールがあります。といっても厳しいものではなく、楽しく遊ぶために気をつける点です。たしかにこれは大人がやってしまいがち。
ひろばには靴を脱いで入ります。
斜面になっている「ごろごろのしば」、描いた絵が画面の中で動き出す「ヴンダーカンマー」など、楽しみながら少しずつ科学に親しめるきっかけがたくさんあります。
ちなみに未来館では、すべてのトイレにオムツ替え用のベッドを備え付けるなど、子供連れで来ても快適に過ごせる配慮がなされています。
体験しながら学べる!メディアラボ
大学の研究室などと未来館が共同で行っている展示「メディアラボ」。「今、まさに研究中」のテーマを体験しながら学べる、一風変わった展示です。
取材時(2016年1月)は人間の歩き方を測定する研究が行われていました。歩きながら計算を行ったり、歩き方を撮影したりすることで、健康度や歩き方の個性がわかる、というものです。
指示の音声にしたがって往復します。この間に撮影が行われているそう…
結果は…ガーン!実年齢より上の「歩行年齢」が出てしまいました…。このデータを研究目的に利用してよいですか?ということも聞かれます。よく見ると小さな自分のシルエットがたくさん…
一般に大学の研究室などでは研究対象となる人をなかなか集められなかったり、サンプルが20代の学生に偏ったりといった問題を持っています。こうして未来館の展示にすることで、まんべんない年代の人達の何万人にも及ぶデータを集められるという仕組みです。
こうしたデータは、歩いている姿で個人を特定する「歩容認証システム」というシステムの開発にも役立っているそうです。防犯カメラで歩く姿さえわかれば、顔などが写っていなくても個人が特定できるのだとか!
なんでも聞ける!科学コミュニケーターと話そう
未来館には、「科学コミュニケーター」と呼ばれる人たちが展示フロアにいます。科学のことや展示に関することでわからないこと、気になることに答えてくれます。
未来館の展示には、パッと見ただけではわからない、という少しむずかしいものがあったりします。単に展示を見て終わり、というわけではなく、そこから1歩、2歩踏み込んで考えることで、自分の身近なものとして感じられたり、さらに先のことを考えられたりする、という仕掛けです。
しかし、ただ見ているだけではやはり限界があるもの。そこで科学コミュニケーターが来館者と話し、もっと深く考え、「なるほど」「わかった」と思ってもらえるような手助けをしているのだそうです。
未来館の特徴ともいえる科学コミュニケーターの存在。それぞれの人が専門分野を持っていて、みんな展示のことにものすごく詳しいので、話を聞いてみないと損です!白いジャケットを着た人にどんどん話しかけてみましょう。
宇宙に浮いているみたい!ドームシアター
6階が入り口になっているドームシアターは、360度全天球型のシアターです。ここを見るためには、入館料とは別に料金が必要です。ネットからの事前予約を行っていて、当日空席があればチケット購入時に予約することもできます。席もあらかじめ指定されています。
入り口で3Dメガネを受け取り、席につきます。
この日見たのは、「バースデイ ~宇宙とわたしをつなぐもの~」。地球や月の成り立ちから太陽系、銀河系、銀河、宇宙の成り立ちまで、どんどん大きなスケールになっていきます。
まるで宇宙の中に浮かんでいるような体験です。頭の上がすべて星で覆われ、映画とはまた違った驚きを味わえます。
4月のリニューアル時には新しいプログラムが登場するとのこと。今から楽しみです!
オリジナルメニューが人気のカフェ、眺望が素晴らしいキッチン
博物館や美術館に来て困るのが、「ご飯どうしよう?」ということ。特に未来館の近辺には商業施設がありません。そんな悩みを解消してくれるのが、5階の「Miraikan Cafe」と7階の「Miraikan Kitchen」です。
5階「Miraikan Cafe」
木の椅子がおしゃれな「Miraikan Cafe」。この椅子、よく見ると手前の椅子はものすごく小さく、奥に行くにつれてどんどん椅子もテーブルも大きくなっているんです。自分の目がおかしくなったのだろうか?と思ってしまう感じ…
人気メニューは「地球ソーダ」と「コスモツイスター」。展示をめぐってちょっと一休み、という時にぴったりのスイーツです。
カフェの奥には赤ちゃんとくつろげるスペース、「ベビーズカフェ」もあります。授乳スペースやおむつ替え用のベッド、ウォーターサーバーも完備!安心して利用できます。
7階「Miraikan Kitchen」
未来館の最上階にある「Miraikan Kitchen」。大きな窓とたくさんの机、椅子が印象的です。
ここはなんと飲食物持ち込み自由!お弁当を持ってきて食べてもOKです。さくっと食べられるメニューも販売しているので、何も持ってきていなくても心配ありません。
写真だと少し遠くなってしまいますが、窓からはレインボーブリッジと東京タワーが見える素晴らしい眺め。暖かくなったら外のテラスにも出られます。
面白い!未来館らしいおみやげを探そう
1階の「Miraikan Shop」では、他にはなかなかない日本科学未来館らしいおみやげをたくさん販売しています。
未来館のオリジナルグッズは定番人気です。
未来の食べ物?ミドリムシクッキー。
ASIMOグッズは海外からの観光客がよく買っていくそうです。
ちょっとした話題になるのはこれ!本物の宇宙食です。
なんと「たこ焼き」もありました。美味しいんでしょうか…?
展示を見て楽しむもよし、のんびりと過ごすもよし、いろいろな過ごし方ができる日本科学未来館。特に子供連れでなかなか遊び場がない!と困っているパパ・ママにもおすすめできる施設だと感じられました。親子で科学に触れて、新しい発見をしてみませんか。
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