鳥取のグルメといえば、大山おこわに柿の葉ずし、牛骨ラーメンにあごカツカレーと郷土料理からB級グルメまで様々ですが、その中でも今回は絶品揃いの名店をご紹介します。中国地方最高峰の大山を有し、日本海に面した環境から、豊富な海幸・山幸がたっぷり味わえる、そんな一品ばかりです。
大山寺の宿坊で、自然の恵みいっぱいの精進料理を堪能
秀峰・大山の麓で、400年の歴史を持つ大山寺の宿坊として知られている宿坊観証院「山楽荘」。明治頃までは、高野山や比叡山と並ぶほどの宿坊がこちらの周辺にもあったそうですが、現在ではここが唯一の宿坊となっています。自然あふれる静かな環境と、山菜を中心とした精進料理を求めて多くの観光客がこの山楽荘へ足を運びます。石段を上がった先の玄関をくぐれば、大山寺の住職でもあるご主人と女将さんが優しく出迎えてくれます。
山楽荘では、お経を書き写す写経や仏さまの絵を写し描く写佛、さらに座禅や法話といった宿坊ならではの体験が行えます。夫婦やカップルなどで体験される方も多く、心が和む時間が過ごせると人気に。せっかく宿坊に泊まるのであれば、本格的な環境で挑戦してみてはいかがでしょう。
宿泊をせずとも味わえる精進料理は3,240円のコースから用意があります。大山の旬の恵みを中心としたコース仕立てで、初夏であればフキノトウやこしあぶらなどの前菜に、蕨の酢の物、こごみの和え物など、季節に合わせた四季折々の旬の料理を食べることができます。味はもちろん、美しい盛り付けで、見た目も素晴らしいです。
小鳥や虫の声に風の音と、自然の音だけが響く安らぎのお部屋は全15部屋。山里ならではの癒しを感じながら、普段の喧騒を忘れてゆったりした時間を過ごせます。昔ながらの宿坊でありながら、館内全域で無料Wi-Fi利用がOKという今の時代に合わせた環境もあり。1人1泊2食付で8,640円から利用できます。
ご主人曰く「大山を散策される一人旅の方も多いですよ」とのこと。タイムスリップしたような空間と素晴らしい精進料理で、非日常を味わってください。
大山のパノラマに包まれていただく至高の一皿
雄大な大山を背景に、牛がのんびり草を食む牧歌的なスポットとして人気の「大山まきばみるくの里」。牛の模型を使った擬似搾乳体験をはじめ、「みるく工房」では、牛乳を使用したアイスクリームやバター作り、さらにソーセージ作りなどの体験が楽しめます。そんな工房と共に観光客で賑わうのが「みるくの里」レストラン。美しい自然のなかで、洋食を中心とした様々なメニューがいただけます。
人気メニューのひとつがこちらの「みるくの里パスタ」1,080円。特選大山山麓牛乳を配合したもっちり感のある生パスタ麺に、ベーコンやポテトを加え牛乳と生クリームでカルボナーラ風に仕上げた一皿で、女性のリピーターが多いそうです。また、おろし大根と温泉卵をトッピングしたダシ醤油ベースの特製和風パスタや、鳥取名物のモサエビと県産旬野菜のパスタもシェフ自慢の逸品。ほかにも大山芳醇和牛のステーキに自家製のホワイトソースを使ったグラタンやドリア、県産の肉や野菜をふんだんに使用した丼など、この地ならではの美味メニューがずらりと並びます。
鳥取県内産の牛肉にプラスして、バイキング形式でご飯や野菜がいただけるBBQランチも人気があり、これが目当てという方も多いそうです。
そして、夏の時期なら必ずいただきたいのが、大山牛乳を使用した「ソフトクリーム」350円。濃厚でありながら後味がさっぱりで、1日5,000個売り上げたことも。またパティシエ自慢の「パイシュー」260円もかなり好評で、こちらは数量限定なのでご注意ください。雄大な大山を眺めながら、美味しい乳製品をたっぷりいただいてください。
大山まきばみるくの里は、雨の日ならお土産などの物販が5%割引&レストランではドリンク全品半額、さらに毎月9・19・29の日はバーベキューの日で、バーベキューのお食事代が10%割引とお得なイベントも盛りだくさん。ここへ立ち寄る際は事前にイベントのチェックもお忘れなく。
新鮮魚介がたっぷり詰まった究極の海鮮丼に舌鼓
地元の人を始め、舌の肥えた漁師さんも通う「お食事処かいがん」。JR境港駅から車で東へ約10分、漁港沿いで営む昔ながらのお食事処です。水産加工場や市場などが立ち並ぶ一角にあるため、初めて訪れる方であれば迷うことも。一番わかりやすい「店前の人だかり」を目印に探してみてください。そんな店内は小上がりの座敷&テーブルが約50席とかなりの広さ。それが開店後あっという間に満席になるので、人気の高さが伺えます。
自慢はやはり、境港で獲れた新鮮魚介。水揚げされたばかりの素材を使った刺身や天ぷら、あら煮などが1皿100円~で所狭しと並んでいます。そんなお店のおすすめはこちらの特上選海鮮丼1,296円。鯛にサーモン、スズキに鰆、イクラ、ブリ、そしてカニ爪と旬の魚介がたっぷり詰まった豪華絢爛の贅沢丼で、ぷりぷりの魚たちが美味しそうに乗っかります。ダメだとわかっていながらも、つい丼上での迷い箸をしてしまうことでしょう。また海鮮丼と肩を並べて人気なのが、ベニズワイガニの食べ放題。男性は3,240円、女性2,700円で45分間いくら食べてもOK。7、8月以外は開催している人気メニューなので、予約してから訪れて下さい。ランチタイムを外した午前中がねらい目なので、覚えておきましょう。
シーズン外でも味わえる、絶品の「新かにめし定食」
境港の海鮮料理店として有名な「御食事処さかゑや」。11月~3月の冬季には毎朝境港の市場で松葉がにを仕入れられていて、間違いのない上物を提供してくれます。また松葉がにのシーズン以外は、あっさりした身の甘さに定評のあるベニズワイガニを提供していて、2011年から町をあげて始めた新・ご当地グルメの「新かにめし定食」1,500円が話題に。
新かにめし定食が運ばれて来たら、まずはかに飯を包んだ帯に書かれている「食べ方三か条」をしっかり読むのが鉄則。最高の食べ方で美味しく味わっていただきたいという粋な計らいに感謝して、三か条を守りましょう。
包み紙を破れば、ホクホク蒸されたベニズワイガニの登場と同時に食欲をくすぐる香りが一気に広がります。かにの身をほぐして、相性の良いジャコや板わかめ、長イモの入ったご飯とともにいただきます。またかに味噌入りの茶わん蒸しをご飯にかけてもこれまた美味とか。さらに「さかゑや」では鯛やメバル、カレイなどの煮つけもかなりの人気だそうで、醤油と砂糖をつかった甘辛の味付けが境港の定番味が楽しめます。冬を待たずとも楽しめるかに尽くしを、ここさかゑやで堪能してください。(7月、8月は休漁期のため、予約をすることをおすすめします)。
最新技術による氷温熟成で、最高級の味を提供
JR境港駅に隣接するみなとさかい交流館で店を構える「廻るお寿司屋さん 大漁丸みなとさかい店」。こちらでは、毎朝境港魚市場で旬の魚介を厳選し、常に100種以上の寿司ネタが揃っています。また一皿120円(税抜)のネタが中心とリーズナブルなのも特長です。
味へのこだわりは大きく分けてふたつあります。ひとつはシャリ。米には噛めば噛むほど味が出るといわれる朝日米を使用し、無添加の熟成米酢で酢飯を作っています。これによりどんなネタとの相性も抜群とのこと。もう一つはネタの鮮度。境港で水揚げされた魚介の味を損なわないように、「旬冷旨味熟成」というオリジナルの保存技術を使用。-1.4°のジェルアイスを使用して魚の鮮度を保ちつつ、氷温熟成による旨味を引き出します。さらにプロトン冷凍技術により、素材の細胞を壊さず急速冷凍。よって解凍後も鮮度をほとんど損なわないそうです。美味しい寿司を届けたい!というお店の思いは、一皿食べれば十分伝わるのかもしれません。
いかがでしたか?今回は境港の魚介に大山の山菜&乳製品と、自然の恵みをふんだんに受けた鳥取グルメを紹介しました。とっておきの美味しさが詰まった今回のスポットで夏を元気に過ごしましょう。美味しいものに囲まれて、笑顔あふれる鳥取の旅を楽しんでください。
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