生け花の始まりは今から700年以上も昔の室町時代頃だといわれています。当時、武士の家には書院造りという今の日本家屋の原型となった建築様式がありました。そこの床の間に飾っていたのが「たて花」という生け花のもととなったものだったのです。美しい花たちは掛け軸や香炉などと共に床の間を飾る美術品の一つとして考えられていたのです。
生け花の変化と歴史の関係
時代が流れていき、江戸時代頃になると、たて花から立花へと変わります。この立花とは大広間がある武士階級の家に飾られていた豪華で大型の生け花のことをいいます。さらに今から300年ほど前になると町人の家にも床の間ができるようになり、自由度が高く日常的に飾れるような投げ入れ花が流行るようになりました。それをもとにしてできたのが生花です。
女学校でも教えられていた生け花
歴史の深い生け花ですが、明治時代頃になると京都の女学校に華道教授が就任し、女性が華道を楽しめるように教育として力を注がれるようになりました。その結果、現代ではどちらかといえば男性よりも女性のほうが生け花をしている方が多くなっています。後には華道の教科書シリーズも発刊されるようになっていき、習いやすく教えやすい花形として正風体が収録されるようになったのです。
戦後まもなく華道の活動が再開
日本の歴史が大きく動いた時も常に華道は活発に行われていました。第二次世界大戦が終結した後、華道はすぐに活動が再開されました。京都と大阪で花展が開かれていたのです。短期大学に専門の学科ができたり、アメリカのサンフランシスコに事務所が開かれるなど活動も本格化します。自然崇拝の気持ちから生まれたともいわれる華道は歴史の中でいろんな変化を遂げながらも現代では我々にその姿で季節を感じさせてくれます。
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