展覧会「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」が東京・上野公園にある国立西洋美術館で開催されます。開催期間は2016年7月9日(土)から2016年9月19日(月・祝)までです。15世紀後半から16世紀初頭に活躍し、銅版画の天才のひとりと称えられるドイツの銅版画家・イスラエル・ファン・メッケネムの作品が一堂に会します。
ドイツの銅版画家・イスラエル・ファン・メッケネムとは?
15世紀後半から16世紀初頭に活躍した銅版画家・イスラエル・ファン・メッケネムは、1445年頃のドイツで生まれました。故郷で銅版画と金工の初歩を学び、当時の慣習に従い遍歴修行の旅を開始。修行を終えた後は1480年までにライン川下流域の町・ボッホルトに定住し、生涯ここを拠点に活動しました。また、メッケネムの制作は銅版画が主ですが金工を手掛けていたことを示す資料も残されています。
メッケネムの作品の多くはキリスト教を主題とし、人々の生活における信仰の重要性をしのばせているのが特徴です。それだけでなく、同時代の画家に先駆けて、罪の赦しを与える贖宥機能を持つ作品も制作、注目を集めています。
さらに、メッケネムが生きた時代の画家は優れたマスメディアでもありました。メッケネムは生涯を通じて、当時人気だった版画家ショーンガウアーやデューラーなどの膨大な模写作品を手掛け、ヨーロッパ中に彼らの名前を広めています。また、新たな試みもいち早く取り入れて男女の駆け引きや人間と動物の逆転した力関係などをユーモアと風刺を込めて表現しました。
知られざる天才に脚光をあてる、日本初となるメッケネムの大型企画展!
「聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画」は、日本初となるメッケネムの大型企画展です。同時代の年代記作家によりデューラーと並ぶ銅版画の創始者と称えられながらも、日本ではあまり馴染みのない銅版画家・メッケネムの軌跡が紹介されます。展示品はミュンヘン版画素描館や大英博物館などが所蔵する版画や絵画、工芸品など約100点。聖俗がまじりあう中世からルネサンスへの移行期に、ドイツで活動していたメッケネムに焦点が当てられます。
また、版画家のショーンガウアーやデューラーらなどの作品との比較や、ヨーロッパにおける模作の問題、初期銅版画の発展・受容や工芸との関わり、作品に映された当時の社会の様相などにも着目。さまざまなな角度から検証されている展覧会です。
イベント概要
イベント名:聖なるもの、俗なるもの メッケネムとドイツ初期銅版画
会場:国立西洋美術館
所在地:東京都台東区上野公園7-7
アクセス:JR上野駅(公園口出口)から徒歩約1分
会期:2016年7月9日(土)~2016年9月19日(月・祝)
閉館日:月曜日、7月19日(火) ※7月18日(月)、8月15日(月)、9月19日(月)は開館
入場料:当日 一般1,000円、大学生750円、高校生500円
団体 一般800円、大学生600円、高校生300円
公式サイト:http://www.tokyo-np.co.jp/event/meckenem/
公式twitter:https://twitter.com/Meckenem_info
国立西洋美術館ホームページ:http://www.nmwa.go.jp/
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