ギネス世界記録に認定された高さ120mの牛久大仏!内部まで見どころがいっぱいの立像の秘密とは?

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茨城県にある巨大な大仏「牛久大仏」は、ブロンズ製の仏像としては世界最大で、ギネス世界記録に認定されています。大仏はお寺の役割も担っており、大仏内部を巡る「胎内参拝」やユニークな写真を撮れるフォトスポット、名産が揃う仲見世など、観光スポットとしても人気があります。「いつ・誰が・なんのために、大仏を作ったのか?」「牛久大仏とはどのような仏様なのか?」牛久大仏の由来や歴史、見どころの数々を徹底的にリサーチしてきました。

世界最大級の仏像「牛久大仏」とは?

茨城県牛久市にある牛久大仏。浄土真宗のお寺で、正式には「牛久阿弥陀大仏(うしくあみだだいぶつ)」といいます。1983(昭和58)年から構想に着手し、完成したのは1993(平成5)年。台座が20m、仏像が100m、合わせて120mの巨大な阿弥陀如来(あみだにょらい)像です。

120mという数字にも実は理由があって、阿弥陀如来はあらゆるものを照らすために12の光を放つといわれています。12という数字に由来して120mとなりました。

立像としては世界で6番目の高さですが、ブロンズ製の仏像としては世界最大。1995年にはギネス世界記録にも登録されています。

牛久大仏を造ったのは、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺。阿弥陀如来は、浄土真宗東本願寺派のご本尊。生あるものすべてを救う仏様です。牛久大仏は、浄土真宗東本願寺派の霊園である牛久浄苑の敷地内に建てられました。

なぜ茨城にこんなに大きな大仏を建てたのか、疑問に思いますよね?その理由は、浄土真宗の開祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)が、関東での布教の拠点にしたのが茨城県だったから。親鸞聖人ゆかりの地であることから建てられたのです。

牛久大仏の足元には四季折々の花々が咲き、浄土のような美しい庭園が広がっています。大仏様の後ろにはふれあい動物園やお猿さんのステージがあり、観光スポットも充実。子どもからお年寄り、そして海外の人まで楽しめる、まるで仏教のテーマパークのようなスポットなんです。

牛久大仏の巡り方は?大仏までの参拝ルートを紹介

それではさっそく、牛久大仏の参拝に出かけましょう。

昭和レトロな仲見世通りには気になる名産品やグルメがたくさんありますが、まずは先に参拝するのがマナー。仲見世通りを抜けた先に拝観受付があるので、こちらで拝観料を支払います。

拝観券は、牛久大仏の胎内も参拝する場合は800円(子ども400円)、庭園だけを参拝する場合は500円(子ども300円)です。

順路としては、まず手水舎で手と口を清め、「發遣門(はっけんもん)」へと進みます。發遣門は牛久大仏へと続く入口です。

門の中では、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人が出迎えてくれます。横にある喚鐘(かんしょう)はとても澄んだ音がするので、一度鳴らして合掌礼拝してから進みましょう。發遣門を出て後ろを振り向くと、釈迦三尊像を拝めます。

門から真っ直ぐ進んだ先には、参拝者が線香をあげるための大香炉があります。胴回りが2m50cmもある巨大な大香炉で、日本一の大きさなんですよ。

大香炉の手前には梵鐘(ぼんしょう)が吊り下げられていて、こちらは發遣門の半鐘と比べると、重くて荘厳な音がします。

さらに進むと今度は小さな川が流れていて、橋がかかっています。この橋は「横超(おうちょう)の橋」といい、橋の上に6つの足跡が描かれ、「な・む・あ・み・だ・ぶつ」と6歩で渡るようになっています。

横超は仏語で「阿弥陀仏の本願の力で、煩悩を一気に断って浄土に往生すること」という意味。廻り道をせずに、6歩で浄土に到着する意味が込められているのです。ここまで来れば、牛久大仏の胎内参拝の準備が整いました。

 

いざ、牛久大仏の胎内へ!

入口で靴を脱いだら、いよいよ大仏の胎内へと入ります。大仏像はお寺としての役割も担っており、胎内参拝の道中でその様子を垣間見られます。

・浄土の世界を連想させる光と静寂の空間

1階で最初に通されるのは「光の世界」。少しの光も届かない真っ暗な部屋です。扉の先に見えるひとすじの光に向かって進むと「慈悲の光」に辿り着きます。

この部屋は周りの阿弥陀如来から放たれる12の光を象徴した空間となっています。幻想的な光の中に浮かび上がる12体の仏像。俗世から切り離されたような、神秘的な光景です。

その先に待っているのは「観想の間」。やわらかな光に包まれ、浄土の世界を連想する空間をじっくりと味わえます。室内に漂う少し甘い香りは、蓮の香り。イランイランやジャスミンのようなエキゾチックな香りが漂っており、心がふんわりと軽くなります。

 

・牛久大仏の歴史がわかる展示スペース

非日常の世界だった1階から2階へ進むと、今度は現実の世界。構想から完成まで約10年かかった、牛久大仏建設の歴史が展示されています。

実物大の足の親指の模型は高さ1.6m。親指でこの大きさなんて、圧倒的なスケール!

完成までの様子が写真で詳しく紹介されており、内部模型の展示も豊富。最近では建築に興味のある人も多く訪れているそうです。

 

・関東平野を一望できる展望台

2階にはまだまだ見どころがありますが、胎内参拝の順路では先にエレベーターに乗って上に行きます。地上85mの位置にある5階の「霊鷲山(りょうじゅせん)の間」には展望スペースがあります。

展望台がある位置はちょうど大仏の胸の高さ。冬のよく晴れた日の朝には、富士山やスカイツリーまで見渡せるそうです。

また、霊鷲山の間には、釈尊のご遺骨である「仏舎利(ぶっしゃり)」が安置されています。霊鷲山とは、釈尊ゆかりのインドの地名。参拝して来世のために徳を積んでおきましょう。

5階からは螺旋階段を降りていきます。4階には売店と「願生文(がんしょうもん)」があります。浄土真宗のお寺では、現世の願いを唱える絵馬はありませんが、その代わり願生文に阿弥陀如来へのお手紙を書いて、胎内に納めます。こちらも体験しておきたいですね。

 

・極楽浄土を体感できる「蓮華蔵(れんげぞう)の世界」

3階は蓮華蔵(れんげぞう)の世界。蓮華蔵というのは極楽浄土のことです。約3,400体の黄金に輝く胎内仏が壁一面に安置されています。

訪れた日はちょうど僧侶によるお勤めが行われていました。このような様子を実際に見ると、本当にお寺なんだと実感できますよね。

 

・写経とお土産を購入できる売店

順路通りに進むと再び2階へと戻ってきます。2階には「知恩報徳(ちおんほうとく)の世界」という、写経ができる場所があります。全部で77席あり、目の前の壁にはすべて違う絵手紙が書かれています。自分の心にストンと響いてきた言葉の前で、写経される方が多いのだとか。写経は200円から。

2階には売店もあり、知恩報徳の世界で壁に書かれていた絵手紙が、1冊の本となって販売されています。堅苦しくなく、やさしい言葉で語りかけてくるようなお言葉は、全部読んでみたいと思うほど魅力的でした。同じように感じる人が多いのか、こちらをお土産に購入される方が多いそうです。

また、牛久大仏完成までの1765日を記録した写真集「牛久大仏忽然の貌」も、ここでしか購入できない1冊。建築好きの人にはとくに人気だそうです。

あらゆる世代に人気のお土産がオリジナルTシャツ。大仏のTシャツなんて、ほかでは見かけませんよね。触ってみると生地がしっかりしていて、普段着にも十分使えそうな作りでした。そのほか、牛久大仏のブロンズ像も多くの方が購入されていくそうです。

ちなみに御朱印帳やお守りは、2階・4階の売店で授与していただけます。牛久大仏にちなんだユニークな授与品もあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。

御朱印は拝観受付横に御朱印受付があります。拝観チケットを見せ、御朱印帳を預けてから参拝に行くと、参拝後に御朱印を受け取れるので待ち時間を有効利用できます。御朱印は4種類ありますが、1回にいただけるのは1種類だけです。

また、特別御朱印は大仏胎内2階でしかいただけないので注意しましょう。

 

・天気の良い日は蓮華座へ!

天気が良い日は、2階から外の蓮華座に出られます。真下から見上げる大仏像は圧巻!大きさがよくわかります。

展望台とは異なる角度から、通ってきた参道やお庭を一望できます。花々が咲き誇る様子は、本当に極楽浄土のような雰囲気を感じられます。

蓮華座への入口前には金箔が置いてあり、1枚300円で大仏に貼れます。東南アジアのお寺では仏像に金箔を貼る風習があり、海外から来た観光客が自分で持ち込んだ金箔を貼り付けたのが始まりです。現在はこちらに用意された金箔しか貼れません。晴れた日しか出られない蓮華座。日々の幸運に感謝しながら、願いを込めて金箔を貼ってみてはいかがでしょうか?

 

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