2015年3月に開通した北陸新幹線。首都圏から北陸地方へのアクセスが格段に便利になり、「日帰りで北陸へ」など、新しい旅のスタイルも生まれています。ここでは、まず知っておきたい北陸新幹線利用のための基礎知識についてご紹介します。
北陸新幹線の基礎知識
北陸新幹線は4つのタイプに分かれています。東京~金沢間を運行する「かがやき」と「はくたか」、富山~金沢間を運行する「つるぎ」、東京~長野間を運行する「あさま」です。北陸新幹線用に開発された新型車両「E7系」「W7系」は、最高時速は260km/h。東海道新幹線「のぞみ」の300kmには叶いませんが、「おもてなし」に関しては群を抜いたすばらしさです。こだわりの空間はこれが新幹線!?と思ってしまう上質さです。
北陸新幹線のルート・停車駅は?
北陸新幹線はもともと、東京駅から長野駅までの「長野新幹線」として運行されていました。そして長野~金沢間が開業して「北陸新幹線」として生まれ変わり、ルートは今まで運行していた長野新幹線のルートに+金沢まで、という形になります。 新幹線の停車駅は、先に紹介した4つの運行タイプによって異なるので、注意しましょう。
■かがやき…速達タイプ(日10往復)※最速2時間28分で東京~金沢を結ぶ
停車駅:東京~上野~大宮~長野~富山~金沢
■はくたか…停車タイプ(日14往復)
東京~上野~大宮~高崎~安中榛名~軽井沢~佐久平~上田~長野~飯山~上越妙高~糸魚川~黒部宇奈月温泉~富山~新高岡~金沢
■つるぎ…シャトルタイプ(日18往復)
富山~新高岡~金沢
■あさま…長野新幹線(日16往復)
東京~上野~大宮~熊谷~本庄早稲田~高崎~安中榛名~軽井沢~佐久平~上田~長野
東京都、埼玉県、群馬県、長野県、新潟県、富山県と実に6県をまたぎます。季節問わず観光できる主要スポットを押さえたルートになっています。冬にはスキー場へ向かうために夜行バスで行っていた場所も、今後は楽に行くことができそうです。
北陸新幹線の料金は?※東京駅発金沢駅までの場合
北陸新幹線の運賃・料金は、通常期の東京~金沢間での普通車指定席で片道14,120円です。乗車券は7,340円、指定席特急券(通常期)は6,780円です。自由席特急券は東京~金沢間で6,820円ですが、「かがやき」には指定席のみで自由席はなく、自由席特急券で乗っても指定席料金を追加で徴収されますので注意しましょう。
指定席料金は通常期で520円、閑散期320円、繁忙期720円です。
少しでも安くしたい!割引を活用しよう
通常料金よりお得に利用したい!という時は、「WEB早特」をぜひ利用しましょう。JR西日本のJ-WEST無料会員登録とクレジットカードがあれば、通常14,120円が12,700円に。1,420円(約10%)の割引が適用されます。
もう1つの「e早特1」は、J-WESTカードの入会で通常14,120円が12,130円になります。もちろん閑散期と繁忙期で値段は上下しますが、頻繁に利用する場合はJ-WEST会員になるのがオトクのようです。
ほかにも、JR東日本の「えきねっと」では、列車・座席限定ですが最大35%割引になる「えきねっとトクだ値」運賃・料金の設定もあります。会員登録は無料なので、予約する時期などによって賢く使い分けたいですね。
車内改札は基本的に省略
新幹線に乗っていて、意外とわずらわしく感じられるのが車内改札。北陸新幹線では、基本的に車内改札はありません。指定席の発売データが車掌の端末に送信され、それを元に車掌は席をチェックします。区間外で乗っている人のみがチェックされるという仕組みです。駅にはすべて自動改札機が導入されているため、切符の区間と違う人がいたら引っかかるようになっています。
普通車・グリーン車・グランクラスの違いは?
主に活躍するE7系・W7系は12両が基本となっています。普通車10両に加え、グリーン車が1両、最上級車両のグランクラス1両を連結する形で構成されています。「和の伝統美と最新技術の機能美を」がキャッチフレーズになっていて、車内の雰囲気は和が強調された落ち着いた作りです。
普通車について詳しい記事はこちら→快適すぎてヤバイ!北陸新幹線「W7系」の実力
普通車は2列+3列の配置で、「かがやき」の場合は全席指定となっています。普通車でも全席コンセント設置など、ビジネスマンにも嬉しい機能が充実しています。
グリーン車
グリーン車は2列+2列シートの構成で、背もたれと座席が連動してやんわり揺れるゆりかごのような設計で作られています。
グリーン車指定席の料金は、通常の指定席料金に5,150円を足した額になります。(東京~金沢の場合)
グランクラス
今回設けられた注目の「グランクラス」は、東北新幹線のE5系、H5系と同じく2列+1列の18シート数です。ただし座面の形状やテーブル、リクライニングのパネルなどが異なっています。壁面はブラウンで高級感が漂い、まるでホテルのようです。なおグランクラスの座席はトヨタ紡織が開発。レクサスなどの自動車座席を制作しているだけあり、長時間の移動が負担にならない快適なシートを見事作りあげました。
他にも着目したいのが「アテンダント専任サービス」です。1車両につき1名から2名のアテンダントが行き届いたサービスを提供してくれます。飲食サービスとして、旬の味覚と取り入れた軽食や地酒、ワインなどが飲み放題となっています。飛行機に例えれば普通車がエコノミー、グリーン車がビジネス、グランクラスがファーストクラスという具合です。
グランクラス指定席の料金は、東京~金沢の場合、通常の指定席料金に13,370円を足した額になります。
グランクラスについての詳しい記事はこちら→北陸新幹線「かがやき」のグランクラスに乗ってきた!至れりつくせり、セレブ気分!
今後延伸する可能性は?
以前から噂されていた金沢市から敦賀市(つるがし)間の認可が発表され、2023年春への開業へ向けて既に着手しています。敦賀市と言えば福井県の南西部の湊町。赤松と黒松約17,000本もが植えられている国の名勝地・気比の松原や、俳人・松尾芭蕉の「おくのほそ道」で敦賀の地を踏んだ記録が残っているなど、レトロで趣のあるステキな街です。 日本の有名スポットにまた1ヶ所、気軽に行けるようになります。
基本情報
名称:JR北陸新幹線 基本料金:※料金改定により変更になる場合があります
東京~富山間の料金※金額は大人ひとりあたりの料金
グランクラス25,580円、グリーン車 17,360円、普通車指定席12,730円、普通車自由席12,210円東京~金沢間の料金※金額は大人ひとりあたりの料金
グランクラス26,970円、グリーン車 18,750円、普通車指定席14,120円、普通車自由席13,600円URL:http://www.jreast.co.jp/train/shinkan/hokuriku.html
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