ギネスの塩・ぬちまーすが作られる場所へ!「命御庭(ぬちうなー)」取材レポート

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沖縄のおみやげとして人気がある塩・ぬちまーす。特許を取った特別な製法で作った「ぬちまーす」は、ミネラルを世界一含む塩としてギネスに認定されています。その「ぬちまーす」を作っている工場が「ぬちまーす観光製塩ファクトリー 命御庭(ぬちうなー)」です。工場見学も楽しめる、意外と知られていない穴場・命御庭(ぬちうなー)についてご紹介します!

海風を感じながらドライブで現地まで

うるま市の海中道路を通過すると平安座島にたどり着きます。のどかな集落の先には、巨大な白いタンクが並ぶ石油コンビナートの風景があらわれます。

その先に見えてくる長い護岸には、壁画が描かれています。これは沖縄石油基地(株)と琉球ペイント(株)の全面協力にて教育委員会が主催する「平宮護岸アートコンクール」で描かれたもの。小中学生などが参加してグループごとに護岸アートを描いたのだそうです。

そしてよく見ると、左側に「ぬちまーす」の看板を発見。「道なりに5km先右折」と書いてあります。施設名は「命御庭(ぬちうなー)」なのに看板には商品名の「ぬちまーす」。施設名より商品名のほうが知名度の高さがあるからでしょうか。

宮城島に入ると、サトウキビ畑やのどかな風景が続きます。

宮城島の馬にも会えました。長く続くカーブ道の途中、視界が開けて太平洋を望むことができました。特に快晴時は青い海と緑の畑のコントラストが眩しく、沖縄らしい自然の風景を堪能できます。

赤い橋の上にさしかかると絶景が見渡せ、断崖絶壁の上に建つオレンジ屋根の「命御庭(ぬちうなー)」が見えてきます。

最後の道案内の看板もやはり「ぬちまーす」と書かれています。ここを右折すると3分で到着です。

ギネス認定された沖縄の塩「ぬちまーす」ストーリー

ギネス認定された沖縄の塩「ぬちまーす」。ミネラルがたっぷり入っているだけではなく、さらさらパウダー状の細かさも特徴です。「ぬちまーす」は現社長の高安正勝さんによって生み出されました。

元は航空技師だった高安さん。航空技師から転身して蘭の栽培を始めます。このとき、蘭のビニールハウスを冷却するために霧状の水をハウス全体に噴霧できないかと考え、ジェットエンジンの構造をもとに大規模な噴霧機の装置を開発しました。

あるとき、塩の専売が廃止されたのをきっかけに、この装置を改良して塩を作れないだろうかと、製塩の微細霧発生機を発明したのが今から18年前。そしてこの機械の「常温瞬間空中結晶製塩法」の特許を取得したのです。世界初、独自の特許製法で微量ミネラルを瞬時に結晶化させることに成功しました。

もともとは石川市(現うるま市)に工場があり、2007年に宮城島でこの施設を設立したとのことです。

「ぬちまーすの作り方」を簡潔に説明してくれる製塩工場見学

製塩工場見学は無料です。個人でも自由に見学できますが、ここはスタッフの案内付で見学するのがおすすめです。案内付き工場見学の説明は約10分。9時40分から20分おきに行っているので、いつ行っても楽しめます。

海水からつくる、ぬちまーすの作り方

建物崖下にある目の前の海、この沖合の深さ5mから海水を汲み上げて不純物をろ過します。その後、微細霧発生機を通して海水を高速回転させながら霧状に噴射し、後ろから温風機で高温の風を当てることで水分だけを瞬時に飛ばすと、空中で結晶化した塩がふわふわと漂いながら雪のように落ちてきます。

機械はメンテナンス時以外は常に海水を汲み上げ、24時間動き続けています。塩は床に積もった状態のまま16時間乾燥させるそうです。検品室では異物混入などのチェックをしますが、全てが手作業。抜き取り検査ではなく全量を検査し、10kgの塩ならば30〜40分かけて、スタッフ1名につき1日5〜18箱をチェックするという、根気のいる作業です。

製塩工場の室内が約40℃もあるため、製塩工場の窓は曇っています。室内の空気が霞んでいるのは細かい塩が飛んでいる状態だからです。

窓ガラスが曇って見えないときは、右側の壁下にある「窓ガラス洗浄ボタン」を押すと窓に水が流れてきて、一瞬ですがくもりを取ってくれます。

「ぬちまーす」は毎月400トンの海水を汲み上げて製品化しています。海水の成分を非加熱かつ一瞬で結晶化するため、ミネラルが大量に含まれています。このミネラルは塩の味を決める役割もあり、ミネラル豊富な「ぬちまーす」は多種多彩な味がすると好評を得ているそうです。

世界中でここだけでしか作れない塩「ぬちまーす」。モンドセレクションを計10回受賞したのは、塩では世界初だそうです。

ぬちまーす商品にぬちまーす料理…「ぬちまーす」づくし!

2階にある「たかはなり」は、ぬちまーすを使った料理をテーマに、メインディッシュからデザートまでを楽しめるレストランです。

ランチはメインディッシュをチョイスして、サラダ・スープ・ソフトドリンク・デザートをバイキングでとれる形式。ドレッシングにも、ぬちまーすを使っています。 

メインディッシュの「ぬちまーす仕込みのスーチカー(塩豚)」のセットは、1,500円(税込)。ぬちまーすで2日間塩漬けした豚肉をボイルし、スライスしたあと焦げ目をつけた自家製のスーチカーを味わえます。

食べごたえのある厚切りです。

明るい室内にカフェ風の椅子テーブル。広いスペースを確保したテラス席からは、海を見下ろせる優雅なひとときを過ごせます。

デザートには「ぬちまーすジェラート(400円税込)」がおすすめです。

お土産にもおすすめのぬちまーす商品

同じく2階にある売店には、新しいもの好きにはたまらない珍しい商品がズラリと並びます。

ぬちまーすを使った商品が多く、お菓子に関してはほぼ試食が置いてあります。他にもランチバイキングで食べられる「ぬちまーすドレッシング」、ドリンクの「ぬちまーすシークヮーサー」などが気になりました。ちなみに「ドライ塩トマト」が試食ではダントツに美味しかったので、ぜひチェックしてみてください。

外の散策路にはパワースポットも!

敷地内にはパワースポットが3カ所あります。このパワースポットは建物を建てた際に、パワーを感じるとして整備した場所。沖縄を代表する歌手・古謝美佐子さんがスポット名を名付け、題字を書いています。

パワーの源!?龍神風道

ここからやや右方向に、御嶽(拝所)が多い離島・浜比嘉島と神の島といわれる久高島が一直線に上に並び、まるでこの場所からパワーの源が発信されているかのようにも見えます。

三天御座(みてぃんうざ)


 
何やら人だかりが見えます。近づくと台北から来たご家族が、洞穴を覗き込むように見ていました。

大きなガジュマルとソテツに囲まれた鍾乳洞で、「命御庭(ぬちうなー)」の聖地の中心的な存在といえます。沖縄には天、地、海の3つの神様がいて、その神様たちの集まる場所が三天御座だそうです。

確かにここは、うっそうと茂った植物と鍾乳洞から不思議なパワーが放出されていそうな存在感があります。

圧巻の絶景!果報バンタ

最後にご紹介するのは、絶景、果報バンタ(カフーバンタ)です。どうぞご覧ください!

じゃーん!こちらがパワースポットの展望台「果報バンタ(カフーバンタ)」です!

沖縄の方言で断崖絶壁のことをバンタといい、幸せが訪れる断崖絶壁との意味合いで「果報バンタ」と名付けられました。その名の通り、展望台からこの絶景を見下ろせば心の内から沸き上がるような幸福感で満たされることでしょう。

ぬちまーす観光製塩ファクトリー「命御庭(ぬちうなー)」は、ぬちまーすの工場でありながら、3つのパワースポットとぬちまーす料理とショッピングが堪能できる魅力的な施設でした。海中道路のドライブと合わせて、東海岸の観光ルートに入れてみてはいかがでしょうか。

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