東京・上野にある国立科学博物館で開催中の恐竜博2016。開始約2ヶ月で来館者数30万人を突破したほどの盛況ぶりです。一体、どんなところが来場者の心を掴んでいるのでしょうか。ということで恐竜博の魅力に迫るべく、asoview!NEWS編集部員が取材してきました!協力してくれたのは、大学生のマサヤくん。笑顔がさわやかなイケメンです!
恐竜博2016とは?
東京・上野にある国立科学博物館で開催中の恐竜博2016。子どもから大人までが夢中になれる、大人気のイベントです。史上最大の肉食恐竜スピノサウルスやおなじみのティラノサウルスから、カスモサウルスとパラサウロロフスの貴重な赤ちゃん化石、羽毛を持つ鳥盤類恐竜クリンダドロメウスなど、日本初公開の展示が目白押しの特別展です。常識をくつがえすような最先端の研究成果を見ることができます。今回の会期は6月12日(日)までです。
恐竜博2016の魅力
恐竜博の展示は、「起源」「植物食」「飛翔」「水中進出」「赤ちゃん」「恒温」「鳴き声」という7つのブースに分かれています。 それぞれの魅力について順番にご紹介します!
「起源」
恐竜はもとは爬虫類の仲間であると考えられています。2億3000万年以上前に出現したと言われる最初の恐竜は、四足で這うようにして進む他の爬虫類とは異なり、つま先立ちでの二足歩行であることが特徴です。これによって、他の爬虫類と比べて速く走れるようになったと考えられています。このブースでは、恐竜の起源について迫っていきます。
ヘテロドントサウルス、エオラプトル、エオドロマエウス、アシリサウルスの4体が展示されています。いずれも1m前後の大きさ。恐竜というよりもトカゲに近い印象です。
恐竜の進化過程が図解されています。右から左にたどると一つの祖先から様々な種に分岐していることがわかります。
「植物食」
植物を食べる恐竜の誕生に迫ります。最初の恐竜は肉食であったと考えられています。しかし年月を経て植物を主食とした恐竜が誕生。繊維が多い植物を咀嚼することは肉食恐竜には難しかったと言われています。食べた植物の繊維を分解する必要がありますが、進化とともに消化管が長くなりました。その臓器を体に収める必要があり、この進化を辿った恐竜は大型化していきました。
植生の変化について紹介がされています。三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の順に当時の植物が展示されています。
「すごい。これ植物ですか!?」と笠松くんが飛びついたのは三畳紀の植物。彼のマニアックな一面が伺えました。
カマラサウルスの子どもが展示されています。なんと子どもの骨格はこれを含めて世界で2体しかないほど貴重です。
カマラサウルスは子どものサイズで全長約4.6m。成体は約23mもあります。子どもの標本を囲むようにして成体の骨格が図示されていますが、カメラに収まりきらないほどの大きさ。本物はぜひ現地でご覧ください。
「飛翔」
羽毛を持つ恐竜が誕生し、年月を経て翼を持つ恐竜も生まれました。後ろ足にも翼を持つ四翼の恐竜が木々を滑空し、二翼で飛ぶ鳥類に進化したと考えられています。2015年には中国で鳥類に近い「イー」という恐竜がいたと報告がされました。「イー」はムササビのように皮膜を持っていたとされていて、大変珍しいものであり世界を驚かせたと言われています。
飾り羽という学名の由来を持つエピデキシプテリクスが一番右にかまえています。皮膜を持ったイー、後ろ足にも翼を持つミクロラプトルなど鳥類への進化に貢献した恐竜たちが紹介されています。
「飛翔」ブースの出口には、恐竜の体内をモチーフにしたゲートが。ここをくぐると恐竜博2016の目玉展示が待ち構えています。
「水中進出」
恐竜は陸生で水中には進出していなかったと考えられてきました。しかしスピノサウルスは水中に進出していたのではないかという新しい仮説が2014年に唱えられました。
白亜紀後期に生息したティラノサウルス。中頃に生息していたスピノサウルス。決して出会うことのなかった二大肉食恐竜が対峠する圧巻の様子を楽しめます。ティラノサウルスを陸の王者とするならば、スピノサウルスは水の王者と言えるのではないでしょうか。
1991年にカナダで発見された全身約12mのティラノサウルス「スコッティ」。化石のクリーニングが完了し2013年に全身復元骨格が完成しました。なんと世界に3体しかない貴重な全身復元骨格のうちの1体が、恐竜博2016で公開されています。日本初公開です!
こちらは新研究に基づく姿では日本初公開のスピノサウルス。全長は約15mと巨大です。スピノサウルスは、1912年に最初の化石が発見されましたが第二次大戦により化石が消滅したことにより、長い間謎に包まれた存在となっていました。しかし、2008年にモロッコにて新しい化石が発掘され研究が進み、全身復元骨格が公開されるまでになりました。
スピノサウルスのかっこよさに思わず自撮りを始める笠松くん。男性で、恐竜好きではない方はいないのではないかと思えるほど、恐竜は男の心をくすぐる何かを持っています。ぜひ、その目で確かめてみてはいかがでしょうか。
スピノサウルスの自撮りでテンションが上がった笠松くん。隣に展示されているシーラカンス類マウソニアの前でポーズをとりました。どうやら一本釣りをイメージしているそう。すっかり童心に帰ってしまったようです。
「赤ちゃん」
恐竜の赤ちゃんの骨は小さく薄いので、保存状態が良い化石はなかなかないと言われています。このブースでは、日本初公開のカスモサウルスとパラサウロロフスの赤ちゃんが展示。世界でまだ1体ずつしか発見されていない大変貴重な化石です。
こちらがカスモサウルスの赤ちゃん。白亜紀後期に生息していたと考えられ全長は約1.5mほどです。これぐらいのサイズならペットにできそうと思ってしまった編集部員です。
パラサウロロフスの特徴的な頭部が展示。こちらは成体のものですが、頭部の突起は中が空洞で息を吹き、鳴き声を出していたと考えられています。隣にはパラサウロロフスの赤ちゃんも展示されていますが、ここまで立派な突起はなく、成体と幼体で違った鳴き声を出していたのではないかと推測されています。「鳴き声」ブースでは、それぞれの鳴き声を再現した体験スポットが用意されています。
全長7.8mもあるチンタオサウルス。一角獣のような角とカモノハシのような顔がちょっぴり可愛らしい恐竜です。
「恒温」
恐竜と聞くとウロコが体中にあるトカゲのようなものをイメージされる方が多いのではないでしょうか。しかし、2014年に発見されたある恐竜を見ればそのイメージが変わってしまうかもしれません。すべての恐竜には羽毛があったのではないかという仮説が生まれるきっかけとなった恐竜に迫ります。
2014年、ロシアのシベリア南東部で発見されたクリンダドロメウス。化石を分析したところ、羽毛のようなもので覆われているのではないかということがわかりました。
こちらがクリンダドロメウスです。こちらも日本初公開!恐竜研究の最先端をご覧いただけます。
「鳴き声」
「赤ちゃん」ブースで紹介されているパラサウロロフス。頭部の突起からの息で鳴き声を出していたのではないかと考えられています。パラサウロロフスは成体と幼体で突起の長さが違い、音も違うと言われています。このブースではその秘密に迫ります。
パラサウロロフスの親子の鳴き声を聞ける体験ブースです。このように触れると幼体の鳴き声を聞くことができます。その後成体の鳴き声が聞こえてきます。体験した笠松くん、その違いと成体の鳴き声の音量にびっくりしていたようです。
最新の技術を駆使して、パラサウロロフスの鳴き声を再現しています。ぜひ現地で彼らの鳴き声を聞き比べてみてください。
恐竜博2016限定のおみやげベスト3!
恐竜博2016では、恐竜博ならではのお土産を販売しています。ここではスタッフに聞いたおすすめベスト3をご紹介します。
※実際の商品は写真と若干異なる場合があります。
※会期中、在庫切れになる場合があります。
第1位:オリジナルぬいぐるみ(ティラノサウルス、スピノサウルス)
恐竜博2016の目玉、ティラノサウルスとスピノサウルスのぬいぐるみです。ティラノサウルスは、フワフワですりすりしたくなる触り心地。笠松くんもこのオリジナルぬいぐるみがお気に入りとのことでした。価格はそれぞれ1,620円です。
第2位:マルマンスケッチブック
文房具メーカーマルマンとコラボしたスケッチブック。メモ帳代わりにもピッタリのサイズです。価格は432円です。
第3位:海洋堂製オリジナルカプセルフィギュア
イー、ティラノサウルス、スピノサウルス、パラサウロロフス(子ども)の計4パターンのカプセルフィギュア。なにが当たるかはガチャガチャを回してのお楽しみです。価格は500円です。
料金
恐竜博2016の入場料金について紹介します。
当日券
料金:一般・大学生1,600円、小・中・高校生600円
※常設展もご覧いただけます。
※未就学児無料
※団体は20名様以上(料金(団体):一般・大学生1,400円、小・中・高校生500円)
※障害者手帳をお持ちの方とその介護者1名様は無料
金曜限定ペア特ナイト券
料金:2名様1組2,000円
※金曜限定ペア特ナイト券は、2名様同時入場
※男女問わず利用可能
※金曜夜間(17:00~20:00、最終入場19:30)入場可能
※会場での当日販売のみ
前売券(販売終了)
前売券は1月15日から3月7日まで販売されていました。現在は販売が終了しています。
料金:一般・大学生1,400円、小・中・高校生500円
恐竜博2016の混雑状況
土日祝日は混み合うことが多いそうです。最新の混雑状況は恐竜博2016公式サイトでご確認ください。
化石クリーニングの実演
期間限定で採集した岩石から化石を取り出す、化石クリーニングが生で見られます。なかなか見ることのできない仕事の現場を見学できます。
実 演 日:3月8日(火)~4月3日(日)、6月2日(木)~6月12日(日)
休 演 日:上記期間中の休館日、および火曜日、水曜日 ※3月8日(火)は実演
実演時間:9:00~17:00 ※12:00~13:00頃は休演予定
実演者:クライヴ・コイ氏(カナダ・アルバータ大学古脊椎動物学部上級技術者)
※実演時間や休演日は変更になる可能性があります。
■4/4(月)~6/1(水)のクリーニング実演について
上記期間は、北海道大学の学生による北海道・むかわ町穂別博物館のハドロサウルス類の化石クリーニング実演が行われます。
休演日:5月2日(月)、10日(火)、17日(火)、24日(火)、31日(火) ※本展休館日は休演
実演時間:9:00~17:00 ※12:00~13:00頃は休演予定
国立科学博物館へのアクセス
電車でお越しの方
JR「上野」駅(公園口)から徒歩5分
東京メトロ銀座線・日比谷線「上野」駅(7番出口)から徒歩10分
京成線「京成上野」駅(正面口)から徒歩10分
車でお越しの方
会場の国立科学博物館に駐車場はありません。電車などの公共交通機関でのお越しをおすすめします。
■イベント詳細
名称:恐竜博2016
場所:国立科学博物館(東京・上野公園)
住所:東京都台東区上野公園7-20
期間:開催中~6月12日(日)
休館日:毎週月曜日
※6/6(月)は開館
時間:9:00~17:00(金曜日は20:00まで)
※入館は各閉館時刻の30分前まで
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)
■巡回情報
【北九州会場】2016年7月9日(土)~9月4日(日) 北九州市立いのちのたび博物館
【大阪会場】 2016年9月17日(土)~2017年1月9日(月・祝) 大阪文化館・天保山
※会期は変更になる場合があります。
取材・文 秋山宇泰
- 1