静岡県浜松市に位置する浜松城。徳川家康が長い間住んでいたことで広く知られている城跡です。現在天守閣内では、徳川家康や浜松に関する歴史的資料を展示。また、城郭には今もなお徳川300年の歴史を思わせるスポットがいくつも見られます。また浜松城の周辺には、浜松城公園や美味しいランチスポット、観光スポットなどオススメしたい場所が満載。ここでは、浜松城の紹介から周辺のスポット情報まで詳しくご紹介していきます。
INDEX
浜松城とは?
浜松城は静岡県浜松市にある城跡です。お城の石垣には、大阪城のような「打込ハギ」、江戸城のような「切込ハギ」など様々な積み方があるのですが、浜松城は自然の石をそのまま積み上げていく「野面積み」の石垣であることで広く知られています。
また浜松城は、織田信長、豊臣秀吉と並び三英傑の1人、徳川家康が在城していたお城として有名。歴代城主の多くが後に江戸幕府の重役になっていることから、「出世城」ともいわれています。
現在浜松城の周辺には豊かな緑が広がる公園が整備されており、春は浜松随一の桜の名所として賑わい、天気の良い日は芝生広場で家族連れが遊び、秋は日本庭園を彩る紅葉が美しい名所として多くの人に愛されています。
浜松城の歴史
浜松城の前身は徳川家康が入城する以前からある曳馬城で、1504年から1520年頃に築城されたといわれていますが、この事柄については諸説あり詳しいことは分かっていません。
1570年、天下を取るためには武田信玄を倒さなければならないと考えた家康は浜松城を築城し、それから17年もの間浜松城で過ごしました。この間浜松城は、壮麗な石垣や瓦葺きの建物などの無い、土造りの城だったといわれています。
家康は浜松城を拠点にしている際、「姉川の合戦」や「三方ヶ原の合戦」、「小牧・長久手の戦い」など、歴史に名を刻む戦いを4度も経験。特に「三方ヶ原の合戦」は家康が命からがら浜松城へ逃げ帰るほど戦力の差は歴然としており、あの「関ヶ原の戦い」より熾烈な戦いだったそうです。
浜松城は、後に江戸幕府を開き天下を取る家康の大切な足がかりを掴むためのお城でした。
家康が駿府城へ移ってからは譜代大名各家が次々と入り、明治維新後に出された廃城令によって破壊。そして1958年、旧天守台の上に新天守閣が再建され現在に至っています。
浜松城の歴代城主
浜松城には、後に将軍直属の役職・老中となった松平乗寿、水野忠邦、井上正直など、徳川家康を除いて25人の歴代城主が存在します。
浜松城を観光しよう!
若き日の家康の野望とロマンが詰まった浜松城。現在は浜松の歴史や家康の紹介、貴重な歴史的資料が展示されています。
天守閣
今の天守閣は、1590年頃に初めて建てられた天守を1958年に再建したものです。天守台の規模から推測するに、当時は今のものよりも一回り大きい巨大な天守だったといわれています。
江戸時代前期には失われてしまったとされる幻の天守を、じっくりと見てまわってみてください。
1F
天守閣1階には、家康の生い立ちや浜松城と徳川家康の関係、家康と三方原の合戦について映像やパネルを使い分かりやすく解説してくれます。
特に見ておきたい展示が、徳川家康の3D像。これは徳川家康公400年記念事業として制作されたもので、まるで生きているかのごとく手相やシワ、毛穴まで詳細に再現されています。30歳前後の家康に会える、貴重な展示物です。
2F
2階に上がると、東海道の宿場町として栄えた浜松の歴史や浜松城にゆかりのある展示物が見られます。金陀美具足 (きんだびぐそく)といった鎧の複製品など、家康に関連のある展示物も。
そしてもう1つ2階で忘れてはいけないのが、1830年から1843年頃までの浜松城と城下町の様子を知ることができるジオラマです。これはただ見るだけでなくナレーション解説が付いているので、より詳しく当時の様子を伺い知ることができるでしょう。
3F
そして3階には展望台があり、街の風景を眺められます。北に三方ヶ原古戦場、南に遠州灘、西に浜名湖を臨み、空気が澄んだ快晴の日には東に富士山も。
家康が生きていた時代に思いを馳せながら、浜松の街をゆっくりと眺めてみてください。
地下
また天守閣には地下があり、ここはに城として機能していた時代に使われていた貴重な井戸があります。
直径1.3m、深さ1mの井戸は、敵に攻め込まれ籠城した際、大切な水を確保するために設置されていました。
城郭
戦国時代の面影が今なお残っている城郭。南北約500m、東西約450mに築かれた城郭には主に4つの見所があります。家康が生きていた時代の足跡を辿ってみてください。
家康像
浜松城公園内にある家康公の像。家康の兜印である歯朶(しだ)を手に持ち、若き日の家康が立っています。桜が咲く頃に訪れると、穏やかな雰囲気に包まれている家康像を見ることができるでしょう。
石垣
浜松城の天守台である石垣は、築かれた当時のものが残っている貴重な石垣です。石垣は「野面積み」と呼ばれ、約400年経っても変わらない頑丈な積み方をされています。
また、天守台の石垣にはハートの形をした石が紛れ込んでおり、それを探すのがちょっとしたブームになっているので訪れた際はぜひ探してみてください。
曲輪
曲輪とは、城や砦を防御するためにその周囲に積み上げた石垣のことです。浜松城には天守、清水、西端城、作左の4つの曲輪がありましたが、現在も完全に残っているのは天守曲輪のみとなっています。
天守門
天守台の東に位置し、浜松城のなかでも特に人気のあるスポット、天守門。高さ9.4m、幅11m、奥行き5mの巨大なやぐら門です。2014年に復元されたものですが細いところまで再現されており、まだオリジナルが残っていた頃の面影を感じます。
また、城の壮大さや城主の権力を見せるために置かれていたという、石垣の両脇にある鏡石にもぜひ注目してみましょう!
ライトアップされた浜松城を見よう!
美しい形をしたお城をより一層美しくさせるライトアップ。昼間の威風堂々たる姿とはまた違うお城の魅力が味わえます。浜松城を訪れた際はぜひ、夜の闇に浮かぶ浜松城も見てみたいですね。
通常ライトアップ
浜松城は、18時から22時まで天守がライトアップされます。暗がりに一際生える白色の天守閣が美しく見応え十分。毎日行われているので、夜に訪れてみるのもオススメです。
さくらまつり
浜松城のライトアップは、毎年春に行われている、さくらまつりの時期も見ものです。桜とお城が同時にライトアップされる様子はまさに絶景です。
春に浜松城へ足を運ぶ際は、さくらまつりの時期にあわせてお出かけしてみてはいかがでしょう?
ピンクリボンライトアップ
ピンクリボンライトアップは、乳がん検診の受診率向上啓発を目的として行われるイベントです。毎年10月から全国で開催され、過去には浜松城以外でも東京タワー、清水寺、京都タワー、レインボーブリッジなどで行われました。
浜松城では毎年10月1日にライトアップされるので、綺麗なお城を見にぜひ足を運んでみてください。
浜松城公園にも立ち寄ってみよう!
浜松城の隣には公園も整備され、四季折々で開催されるイベントやプールなどを楽しめます。また美しい日本庭園や芝生広場もあり、市民に愛されている憩いの場としても人気。豊かな緑に囲まれた浜松城公園も、浜松城と並んで必見のスポットです。
イベントを多数開催!
浜松城公園では一年を通して多くのイベントを開催。3月下旬から4月上旬にかけては、園内のソメイヨシノや枝垂れ桜、山桜などが咲き誇り、1年の中でも特に綺麗な時期を迎え「さくらまつり」も行われます。
また紅葉の季節になると、凧作り、直虎鎧試着体験、ミニ鉄道乗車などができる「紅葉まつり」も開催。夏には、ペンダント作りや木目スタンプのハンカチ作りができるクラフトショップもオープンし賑わいます。
夏は児童プールで泳げる!
さらに浜松城公園は、夏限定で児童プールを利用できるのも魅力です。
プール横には土日を中心にかき氷やたこ焼きなどを楽しめる移動販売車も駆けつけ、蝉の鳴く中暑い暑いと言いながらかき氷を頬張る親子の姿もみられます。
浜松城を訪れた際は、浜松城公園にも足を伸ばしてみてはいかがでしょう。
浜松城周辺のランチスポット
浜松城周辺にはオススメしたいランチスポットがたくさんあります。うなぎや餃子などの名物料理や地元で評判のお店など、名店といわれるお店が揃っているのでぜひ足を運んでみてください。
あつみ
創業明治40年の老舗うなぎ料理専門店、あつみ。5代に渡って続いており、昔から多くの人に愛されてきたお店ということが伺えます。
うなぎは全て国産 浜名湖産を使用。主にうな丼・うな重、一品料理が楽しめます。どの料理も美味しいですが、やはりうなぎを使用した料理は身が舌の上でとろけるような食感が味わえたまりません。
また秘伝のタレがうなぎを上手に引き立て、箸が止まらなくなります。白焼きもあるので、食べ比べをしてみるのもいいですね。
もろ川
究極の親子丼が食べられると噂になっている、もろ川。日本庭園を望む数奇屋造りの佇まい、炭、食材、串、そしてサービス、雰囲気、器にいたるまで「本物」を感じさせます。
焼き鳥をメインに出されているお店で、他にも釜飯、定食類が用意されているランチなど、鶏を使用したバラエティに富む料理を味わえるのが魅力です。
特にランチメニューの親子丼は、鳥の柔らかさ卵の調理加減、出汁の味、どれをとっても文句の付け所がなく今まで味わったことのない親子丼が楽しめるでしょう。また、つくね丼も人気です。
むつぎく
行列必至の人気餃子屋さん、むつぎく。静岡を代表するB級グルメ「浜松餃子」が楽しめます。
浜松餃子は、野菜が多めで付け合わせに「茹でもやし」が添えられているのが特徴です。餃子表面はパリッとしており、中はジューシーであっさり、何個でも食べられそうな口当たりの良さも魅力。
昼間からビールと一緒に楽しみましょう!
手打ち蕎麦 naru
自家製粉の手打ち蕎麦が楽しめる、naru。蕎麦の素朴な美味しさを知ってほしいと、毎日蕎麦を打たれています。naruは、喉ごし良く甘み、香りの豊かさを感じる蕎麦も大変魅力ですが、お酒と一緒に楽しめるのも魅力です。
ビール・清酒・日本酒・ハイボール・自家製果実酢・カクテル・ワインなど、お酒好きの方も満足できる種類が用意され、仕事帰りに蕎麦と1杯やる人も少なくありません。
またとても入りやすく、木の温もり溢れる店内も素敵です。
La pullman Caffe'
ふわふわ絶品パンケーキが楽しめるお店、La pullman Caffe'(ラ プルマン カフェ)。パンケーキは熱々が食べられるよう、注文が入ってから焼くスタイルです。表面はいい具合にカリッとしており、中はまるでスフレのように軽くてふわふわしており、ナイフを使わず頂けます。
メニューは、王道「スタンダードパンケーキ」や「チョコバナナパンケーキ」を始め、ベリーの甘酸っぱさとクリームの甘さがたまらない「ベリーベリーパンケーキ」、バニラアイスとクリームのコラボが楽しめる「ラ プルマン カフェ スペシャル」など。
パンケーキは早々に売り切れてしまうことも少なくないので、訪れる際はお気を付けください。
浜松城周辺の観光スポット
静岡県の中でも大きい街である浜松には、観光スポットもたくさんあります。遊園地や動物園、自然スポットなど、浜松城周辺の魅力溢れる観光スポットへもぜひ足を運んでみてください。
浜名湖パルパル
浜名湖パルパルは浜名湖畔にあるリゾート型遊園地です。約35種類のアトラクションが設置され、子供から大人まで楽しめる施設として人気があります。
アトラクションは、真横にトルネード回転するスリル満点のジェットコースター「メガコースター 四次元」や、黒ひげキャプテンの船に乗って海賊たちと戦うシューティング系アトラクション「パイレーツ・アドベンチャー」、浜名湖でスピードボート・パラセーリングなどが楽しめるアクティビティなど。
また、浜名湖オルゴールミュージアムや大草山展望台へ行くロープウェイが出ており、空中散歩も楽しめます。
浜松市動物園
霊長類の展示数が国内最大級の動物園、浜松市動物園。ニシローランドゴリラやスマトラオランウータン、ゴールデンライオンタマリンなどが飼育されており、サル類専門の動物園「日本モンキーパーク」に次ぐ規模を誇ります。
またその他にも、ダチョウやキリン、シマウマがいるミニサファリ、放し飼いにされているヒツジやヤギに触れるふれあい広場、ライオンやトラを始め、クロヒョウ、ジャガー、ヨーロッパオオカミなどがいる猛獣舎など、施設が充実しているのも魅力です。
隣接している「浜松市フラワーパーク」は園内から歩いていけるので、ぜひ共通券を購入し足を運んでみてください。
浜松科学館
主に児童を対象とした展示が行われている、浜松科学館。館内は自然・宇宙・光・力・音・電気などのテーマに分けられ、様々なオモシロ展示物を見たり触ったり動かしたりできます。
常設展示には、力のコーナーなら自分の腕を使って、音のコーナーなら自分の声を使って、宇宙なら自分の頭脳を使ってなど、体験型の展示物を数多く備えられているのが魅力です。
また、2014年にリニューアルオープンしたプラネタリウムは最新システムが導入され、超高精細画質「4K」を駆使し星が投影されます。
ぬくもりの森
ぬくもりの森は、雑貨ショップやケーキショップ、テラスカフェ、レストラン、ミニギャラリーに洋食器店など、いくつものお店が集まっている人気観光スポットです。しかし魅力はそれだけではありません。
ぬくもりの森は、建築家・佐々木茂良さんが「こんな場所があったら」との想いを募らせ完成させた、おとぎの国ような場所。中世ヨーロッパの名も無い小さな村に入り込んでしまったかのような、不思議な感覚が味わえます。
そんな幻想に包まれながら可愛いお店でショッピングやグルメを楽しめるのも人気の理由のひとつです。日が暮れてからもとても素敵な景観が見られるので、ぜひ夜もお楽しみください。
竜ヶ岩洞
竜ヶ岩洞は、2億5千万年前に生成された地層にある鍾乳洞です。総延長は1,000mを超え、東海地方最大級。そのうち約400mが一般公開されています。
洞内の気温は年間平均18℃と肌寒く、夏は上着を羽織っておくのがオススメ。鍾乳洞には様々な名前がつけられた鍾乳石を見ることができ、自然の神秘を肌で感じることができるでしょう。
なかでも、落差30mを超える地底の大滝は迫力満点です。天井の割れ目から水が漏れ出し、勢いよく落下しています。ずぶ濡れにならなよう気を付けながら見学してくださいね。
舘山寺温泉
舘山寺温泉は、浜名湖沿岸に広がる温泉街です。温泉街には旅館が19軒ほど建ち並び、日帰り温泉施設もあります。
また舘山寺温泉周辺には、「浜名湖パルパル」や「浜松市動物園」、「はままつフラワーパーク」などの観光施設も充実。遊び疲れた後は、浜名湖を望む景色の良い舘山寺温泉街に宿泊し、のんびり温泉に浸かってみるのもいいですね。
浜松城の料金
浜松城の入場料は、障がい者・療育手帳をお持ちの方は本人・介護者1名が無料になります。
- 大人(高校生以上):200円
- 中学生以下:無料
浜松城の営業時間
- 8:30〜16:30(入場は10分前まで)
定休日
- 12月29日・30日・31日
浜松城へのアクセス
公共交通機関を利用する
「浜松駅」遠鉄バスターミナル1、13乗り場から出ているバスに乗車し、「市役所南」で下車。そこから徒歩約6分です。
- 所要時間:約15分
車を利用する
- 東名高速道路「浜松IC」より約30分
- 東名高速道路「浜松西IC」より約30分
- 新東名高速道路「浜松浜北IC」より約40分
駐車場
車を利用される際は、無料で駐車できる浜松城公園駐車場をご利用ください
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