アソビューのスタッフに伊藤誠二(以下、いつも通りせいじと呼びます)という若者がいます。アソビューの体験を3年半で70回以上も自腹でやっているというツワモノなのですが、さらにすごいのは半分以上がひとりだということ。見た目も行動も“ボッチ系男子”の見本のような彼ですが、何だか妙に楽しそう。そんなせいじに話を聞いてみると、「ひとり体験=最先端のライフスタイル」なのでは? とすら思えてきました。(文:はらだいち / 読了時間約4分)
せいじがアソビューに入ったのは、3年半ほど前。「自分探しの北海道一周旅行」を通してアソビューのことを知り、「いろいろな体験を取り扱っているアソビューで働いてみたい」と感じたことがきっかけでした。
入社後半年はお客様相談室で電話対応をしていましたが、すぐにプランページの作成という業務を行うことに。
プランページとは商品紹介ページのことで、体験の魅力を紹介して申し込みをしていただくためのページです。パートナーさん(アソビューでは体験を提供してくれているお店 / お店の方のことを“パートナー”と呼びます)からの情報を整理して、ウェブサイトに反映していくのが彼の役割でした。
「自分で実際に体験した方が、もっといいプランページにできるはず!」
そんな想いから、彼のひとり体験がスタート。「仕事のため」と公言していましたが、実は「週末にやることがない、何をやっていいのかわからないという状況から抜け出したかったんです」というのが本音だったといいます。
「笑われるのが怖かったけれど……」
アソビューで働くことで「東京という身近な場所にもいろいろな体験がある」ことに気づいたせいじですが、「何でもない週末にアソビューで体験をするのって、すごくリア充みたいで自分のキャラとは違うなって。僕のような人間が使っていいのかな?と本気で思っていました。怖かったのは、まわりの人に笑われることでしたね。『えー、そんなことするんだ(笑)』と」
恐怖が払拭されたのは、サーフィン体験がきっかけでした。
「イケイケなリア充に混じるのか(ツライな)と思っていたら、実際の参加者は僕のような黒髪地味系男子が多くて。しかも会社のメンバーに『サーフィン体験をしてきた』と言っても、誰も笑わないんですね。『いいね、サーフィンやってきたんだ! どこのパートナーさん?』みたいな感じで、拍子抜けするほどでした」
そこからせいじはひとり体験のペースを上げていきますが、今も「ひとりが怖くない」といえば嘘になるそうです。
「やっぱり一番嫌なのはアウェーな雰囲気を感じてしまう時。でも一緒に参加している他のゲストからそれを感じたことは一度もありません。あるとしたらパートナーさんの対応。義務感でやってるな~と感じてしまうと、とても居づらくなります。逆に『写真撮りましょうか?』など気を遣ってくれるパートナーさんは、『この先生は、僕のことを大切にしてくれている』と思えるんです」。
ひとり体験のおすすめTOP5
突然ですが、ここでせいじのおすすめTOP5をご紹介します。大切なポイントは、ボッチ目線でいいところ。黒髪地味系男子が特にひとりで行きにくいと先入観をもちがちな「リア充的アウトドアアクティビティ」と、「女子力の高そうなインドアものづくり」の中から、ホントは行きやすいところを集めました。
TOMO's スタンドアップパドルボーディングスクール
まんげ鏡や 神田教室
ちいさな硝子の本の博物館
オレンジろうそく
織物工房 Le Poilu
「本当はひとりが嫌な人こそ、ひとり体験に向いているのかも」
「アウェーな雰囲気が嫌ということは、アットホームな感じがいいの? でもひとりで行っているのに、輪に加わるのって少し抵抗ない?」
そう聞くと、せいじはこう答えてくれました。
「それは大丈夫ですね。本当はひとりじゃない方がうれしいですから。少人数で同じ体験をしていると初対面同士でも親しくなれるし、先生ともたくさんお話ができますしね」
ひとりで行くからこそ、お店の人と仲良くなれたり、別の参加者とコミュニケーションをとれたり。知らない者同士だけれど、その体験が「きっと好き」という共通感覚はもっている。連絡先を交換することもない、その場だけの関係。家でも、会社でもない、新しい場所。意外と身近にあった非日常の世界。
うーん、なんだかよさそう。最初は「ひとり!?」と思ったけれど、ひとりなようでひとりでないようなライフスタイルって、何だか素敵で、イマドキだと思いませんか?
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