三重県・大台町は、名古屋から車で約1時間40分の場所にある日本一の清流と星空の町。水質日本一に選ばれた清流「宮川」を中心に広がる大台町は、都会から気軽に訪れられ、豊かな自然を感じられる癒しのスポットです。今回は1泊2日で大台町の自然を満喫する休日をレポート。豊かな自然の中で日頃のストレスや悩みから解放され、リフレッシュする休日を過ごしてみませんか?
三重県・大台町ってどんなところ?
大台町は名古屋駅からは約1時間40分、伊勢神宮からは約1時間で訪れられる奥伊勢の町。
町には国土交通省の一級河川水質調査で、過去に11回も日本一に選ばれた清流「宮川」とその支流がいくつも流れ、夏には川遊びや鮎釣りなども楽しめます。
他にも、日本の滝百選に選ばれている「七ツ釜滝」や「六十尋滝」、「滝頭不動滝」など、大小多くの滝があり、周辺の自然と合わせてダイナミックな絶景を楽しめるのも特徴。
大杉谷登山道や総門山・北総門山など、登山・トレッキングの人気スポットも数多くあり、登山初心者から上級者まで幅広く楽しめます。特に大杉谷は日本三大渓谷にも選ばれているほど美しい渓谷。美しいエメラルドグリーンの沢や雄大な滝は絶景なので必見。ただし登山道は全長14キロ、標高差1,200mもあり険しい登山となるので、初心者のみでの入山はできません。大杉谷へ訪れる場合はガイドツアーに参加しましょう。
チェックイン前のちょっとした時間でお手軽トレッキング
都会の喧騒から離れて自然の静寂の中で過ごそうということで、やってきたのは三重県の奥伊勢にあたる大台町。本日の宿泊先でもある「奥伊勢フォレストピア・宮川山荘」のチェックインまでには少し時間があったので、まずは近くにある「北総門山(きたそうもんざん)」でトレッキングを楽しむことにしました。
今回歩いたのは、全長約1kmの「健康の森コース」。バリアフリーを目指したコースで、車椅子の方でも自然散策が楽しめるように歩道が整備されています。距離もそんなに長くないので、ちょっとした時間でトレッキングを楽しみたい方にピッタリ。
コース周辺に群生するスラッ長く伸びた白っぽい木々は「ヒメシャラ」の木。訪れた3月にはあいにく花がみられませんでしたが、開花する例年6月〜7月ごろには白くて小ぶりな可愛い花で沿道を彩ります。
健康の森コースの終着点は「北総門山展望台」。展望台に設けられた大きな東屋からは、大台町の街並みを一望できます。さらに晴れた日には伊勢湾の景色までを遠望できます。北総門山展望台へは車で登ることもできるので、時間がないかたや体力に自信がないかたは、車で訪れても大丈夫。気軽に美味しい空気と美しい自然の景色を楽しめます。
「もみじ館」で自然に囲まれながら地元食材を使ったランチを楽しむ
トレッキングを楽しんだらお腹が空いたので、山を下ってランチへ。ログハウス造りの建物が、里山の素朴さを感じさせてくれる「ふるさとプラザ もみじ館」へお邪魔しました。
テラス席にへ案内されると、周囲は緑に囲まれ、眼下には宮川が流れる自然たっぷりな環境。静寂の中で時々鳥のさえずりが聞こえてくる空間はスローな時間を感じさせてくれます。テラスには野鳥の餌もあり、手のひらから直接餌やりもできます。
餌に釣られてやってくるのは「ヤマガラ」という野鳥。黒・白・オレンジのカラフルな色合いの可愛らしい鳥です。人懐っこいので、あまり警戒せずに手のひらに乗って餌を食べることもあります。
ランチにいただいたのは、もみじ館オススメの「もみじ弁当(1,000円)」。地元の旬の食材を使った、素朴でどこか懐かしさを感じさせてくれるお料理を楽しめます。ボリュームたっぷりなので、トレッキング後のお腹が空いた時にピッタリです。
テラス席で春の陽気を感じながら食べるご飯はひときわ美味しい!思わず笑みが溢れます。
もみじ館で提供されているご飯は、大台町で生産されている「奥伊勢米つぶら」というブランドのもの。水質日本一の清流「宮川」の源流水で育てられたつぶらは、少しもっちり感がありほのかな甘みを感じられて絶品なので、訪れた際には一度ご賞味ください。
奥伊勢フォレストピア・宮川山荘へチェックイン
ランチでお腹を満たしたら、そろそろチェックインの時間。本日の宿「奥伊勢フォレストピア・宮川山荘」にチェックインします。
チェックインを済ませると、フロント横になにやら看板を発見。奥伊勢フォレストピア・宮川山荘では、希望者がいれば夜の森を冒険する「夜の野生動物と夜空の観賞ドライブ」が開催されています。この看板は、今日どれくらいの確率で星空が楽しめるかを示す「今夜の星空指数」を教えてくれるもの。月の満ち欠け表もあり、この情報と合わせてツアーへの参加を検討してみましょう。とはいえこれはあくまでも参考。山の天気は気まぐれなので、指数が低くても満天の星空が見られることもあります。
お部屋は和洋室、洋室、和室の3種類。和洋室と洋室タイプには、1人利用や2人利用にオススメのワンフロアタイプや4人利用にも対応したメゾネットタイプがあります。写真は洋室のメゾネットタイプ。吹き抜けの高い天井が開放感抜群です。
2階部分にもベッドルームがありました。屋根裏の秘密基地といった感じでちょっとワクワク。他にもグランピングやコテージなどもあるので、春〜夏のデートならグランピングを利用したり、家族でのおでかけならコテージを利用したりするのもいいでしょう。
清流が生み出す不思議な光景!水面に立っているような写真を撮ってみよう
チェックインをしてお部屋でひと休みしたら、奥伊勢フォレストピア内に流れる宮川の支流「薗川」で“水面に立っている写真”の撮影にチャレンジ!撮り方は秘密ですが、挑戦してみると写真のようにまるで水面に立っているような写真が撮影できました!これは透明度が高く流れが穏やかな川ならではの遊び。訪れた日は水量がすこし少なかったのですが、水量が多い日だともっと水の上に立っているような写真が撮影できます。
夫婦で営む可愛いカフェ「森のお菓子屋 スピカ」でひと休み
川遊びを楽しんだ後、美味しいお菓子屋さんがあると聞きつけて訪れたのは「森のお菓子屋 スピカ」。2016年にこの場所にオープンしたお菓子屋さんで、大台町出身の奥さんとパティシエのご主人が夫婦で営んでいます。
店内入ってすぐの場所には自家製のクッキーやケーキが並んでいてどれも美味しそう。人気のメニューは「シフォンサンド(350円)」。ほかにも、ブルーベリーケーキ(370円)、カラメル・ムー(370円)、ショコラショート(400円)など、通年販売されているケーキが人気です。
こじんまりとした店内ながら、木のテーブルや灯油ストーブが森のカフェのイメージとぴったりで癒される空間。旅に関する雑誌なども置かれていて、ケーキやコーヒーを楽しみながらのんびりと雑誌に目を通すのも良さそうです。
今回はシフォンサンドとコーヒーを注文。口の中で溶けるようなふわふわなシフォン生地とホイップクリームの甘み、フルーツの酸味が絶妙なバランスで美味!コーヒーカップやうつわも可愛く、目でも楽しめます。
外の景色を眺められるカウンターの席に座って、山々の緑を眺めながらいただくコーヒーは、心落ち着くひと時を提供してくれます。
静寂の川に浮かび、灯篭の灯りに癒される「トワイライトSUP」
森のお菓子屋さんスピカでひと休みしたら、奥伊勢フォレストピアに戻って夕方から日没にかけて開催される「トワイライトSUP」に参加。昼間、水面に立っているような写真を撮影した薗川の川辺に灯篭を並べ、夜の川でのんびりとSUPを漕ぎます。
水面に映る灯篭の灯りは幻想的。インストラクターさんが、幻想的に映るように写真を撮影してくれます。また灯篭によってほのかに照らされる暗闇の中で、川のせせらぎだけに感覚を預けてボーッと過ごす時間は日常のストレスを全て忘れて無になれそうです。
自然の中で、三重の“美味しい”が詰まった癒しのフレンチディナーを。
トワイライトSUPを楽しんだ後は、奥伊勢フォレストピアのレストラン「アンジュ」でハーフフレンチディナーを堪能しましょう。彩り豊かな食材の踊るお皿は、見た目にも華やかで明るい気持ちにさせてくれます。
〜コース内容〜
オードヴル:本日の魚料理を、2種類のソースとお野菜で
スープ:浮き身に、人参・赤ピーマン・ズッキーニ・しいたけのオイルマリネ
肉料理:山荘風のお肉料理の盛り合わせ
パン:本日のパンを2種類
デザート;お楽しみデザートとフルーツ、シャーベットの盛り合わせ。
食後の飲み物:コーヒーまたは伊勢の和紅茶
お料理の内容は食材の仕入れ状況によって変わりますが、大台町のジビエをフレンチに仕上げた一品はぜひ堪能していただきたいもの。「みえジビエ」としてブランド化もされている大台町のジビエは、優秀な猟師たちによって適切に処理されているため、臭みがなく食べやすいのが特徴。それでいてジビエならではの野性味などは損なわず、しっかりとジビエの旨味を感じられます。
ほかにも、大台町で採れた野菜や、尾鷲や志摩の近海で獲れた魚介を活かしたフレンチ料理の数々も絶品。山、川、海と三重の豊かな自然が育んだ“美味しい”がぎゅっと凝縮された料理の数々を通じて、お腹も心も満たされていきます。
お料理を提供するのは、奥伊勢フォレストピアがオープンしてから22年間料理長を務める野呂泰司さん。 食材の選定や仕入れも野呂さんが自ら行なっており、地元の猟師や市場の仲介人と長年をかけて気づきあげてきた信頼関係が上質な地元食材の提供にも繋がっています。お食事の最後には「都会から遊びにきたお客様には、レストランから見える景色や自然の空気と合わせてお料理を楽しみ、癒されていただきたい」と語ってくれました。
非日常がいっぱいの「夜の野生動物と夜空の観賞ドライブ」
ハーフフレンチディナーを堪能した後は、奥伊勢フォレストピアが毎晩開催している「夜の野生動物と夜空の観賞ドライブ」に参加。参加予約は当日の19時まで募集されており、参加希望者が2名以上いれば開催されます。当日の天気などと相談しながら参加するのもいいでしょう。しかも参加料金は一人1,000円!料金以上の体験ができるので、気軽に参加してみるといいでしょう。
車に乗り込むと、森のずっと奥まで照らせるライトが参加者に配られます。「このライトで夜行生物を見つけたら照らして観察できますよ。」とガイドさん。ガイドしてくれるのは「僕は半分動物」と豪語する奥伊勢フォレストピアのガイドさん。このツアーでは、野ウサギやイノシシ、鹿などの野生動物と出会えます。写真を撮るのは難しかったですが、編集部が参加した時も野ウサギ、鹿、イノシシを見ることができました。
最初に訪れたのは昼間にトレッキングでも訪れた「北総門山展望」。車からおりた瞬間、空いっぱいに星々が広がり、自然と感嘆の声が漏れます。この日の星空指数は10%(ほぼ見られない数字なんだとか)、天気予報は雨予報だったので「星空は諦めたほうがいいかな……」と思っていたので嬉しい誤算!この星空は本当に感動するので、大台町を訪れた際はぜひ体験してみて頂きたいです。
じっくりと星空鑑賞をした後は、「通常のガイドルートには入っていないけど、希望があったら連れて行く」という、夜の「不動滝」へ。不動滝は高さ30m以上もある豪快な滝で近くまで車で行けるため大台町の自然散策スポットとしても人気。道中にはガイドさんが不動滝周辺の自然についても説明してくれます。夜の森を歩いてるだけでワクワクです。
車を停めて、10分くらい歩くと歩道が突然行き止まりに。「え?ここで終わり?」と思い先の道をライトで照らすと大きな滝が突然目の前に現れてビックリ!写真ではなかなか伝わりづらいのですが、高さ30mの滝が大きな音を立てながら暗闇の中で流れ続ける姿はとても厳かで幻想的。この夜の不動滝は、一般人が訪れるのはハードルが高い印象だったので、「夜の野生動物と夜空の観賞ドライブ」参加時に、ガイドさんへそっと「不動滝に行きたいな」と伝えてみるといいかもしれません。(笑)
天然温泉で一日の遊び疲れをリセットして癒される
約1時間30分の夜の自然散策を終えたら、奥伊勢フォレストピアに戻ってゆっくりと温泉に浸かり、1日の疲れをリセット。泉質は含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉で、肌触りのいい滑らかな湯が特徴。カルシウムが豊富らしく、露天風呂の岩肌は真っ白。温泉の濃さが伺えます。疲労回復や冷え性、筋肉痛などに効能を発揮する温泉なので、自然の中で遊んだ疲れをじっくり癒して、とっても濃かった1日を終えます。
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