無性に海を見にいきたくなる時があります。特に、春から夏に変わる時期。ぽかぽかとした陽のにおいの中に、どこか懐かしい潮のかおりや波の音がふと浮かんでくると、週末は少し遠出をして、海にいきたいなと思います。もちろん、海水浴やダイビングのような、みんなとワイワイ過ごす楽しい海もいいけれど、親しい人と連れ立って、あるいは一人で、のんびりと過ごす海もよいものです。今回は、そんなわたしがおすすめしたい、とっておきの海辺の街をご紹介します。(文:森山あおい ※読了時間3分)
海の見えない場所で育ったわたしにとって、海は憧れの場所のようなもの。出張中の電車からでも、ドライブの車窓からでも、少しでも海がみえると自然と声が上がってしまいます。
だからでしょうか。一年に何度か、何をするでもなく海に出かけることがあります。何かとバタバタする4月を過ぎ、暖かさが日に日に増してくる5月の休日は、最も代表的な時季かもしれません。
だけれど、海ってちょっと行きづらくありませんか?
特にペーパードライバーにとっては、駅から遠い場所に行くのはちょっとつらいものです。
だからといって「電車で行ければどこでもいい」なんてことはもちろんなくて、欲をいうと、漁港だけじゃなくてビーチもあって、けど港町の風情も感じられて…という場所が希望です。
理想をいわせてもらえれば、ほどよく人がいなくて、水もきれいで、座って本を読めたりして、何なら夕日も見れたら最高!道中に海が見える電車に乗れたりしたら100点満点!みたいな。
「そんな場所…」と言われてしまいそうですが、そんな場所がありました。
初夏にのんびり歩きたい。海辺の街・柏崎
東京から約2時間半。
新幹線からローカル線に乗り換えて、2~3両しかない電車にコトコト揺られたら、新潟県の海沿いの街・柏崎に辿り着きます。花火で有名な長岡のお隣、という表現の方が伝わりやすいでしょうか。
日本海は、波が「ざっぱーん!」と岩に打ち付けている冬のイメージしかなかったのですが、田園風景を抜けて目に飛び込んでくる車窓いっぱいにひろがる海は、びっくりするほど青くておだやか。
実は柏崎は海水浴発祥の地といわれ、夏は花火や海水浴客でにぎわう街なのですが、わたしは、本格的に街がにぎわう前、初夏ぐらいがおすすめだなと思います。
柏崎の海は電車でめぐりたい
電車に乗って海岸線沿いを一駅ずつめぐると、柏崎の海のいろいろな表情が見えてきます。
「鯨波」という駅で降りれば、歩いて5分でビーチに出られ、まだ人の少ないきれいな海に足をつけられます。その先の「青海川駅」は日本で一番海に近い駅といわれていて、ホームから一面に広がる海を見ることができます。もう一駅先の「笠島駅」に行けば、細い路地と杉板の家並みがノスタルジックな港町の散策を楽しめます。
そして夕方になると、大きな夕日が海の向こうに沈んでいきます。
柏崎は、わたしの「理想の海辺の街」を絵に描いたような場所でした。
会いたくなる柏崎
もうひとつ、わたしにとって柏崎が特別なのは、この土地に住む人々にあります。
観光客としての目線だけでなく、地元の人にいいところを教えてもらったほうが、旅はより味わい深くなるもの。よそ行きのものではなく、一歩踏み込んだ飾らない普段着の魅力に触れられた時の感覚、何というか、自分と訪れた街の距離がグッと近くなる感覚は、何回経験してもドキドキ、ワクワクしてしまいます。
この街にあるいろいろな体験は、土地の人々と触れ合えるものばかり。そんな自分と街の距離を縮めてくれる人に出会える体験が、柏崎にはあります。
今週末、海を見に行きたいと思ったら、のんびりと電車に揺られて、柏崎に会いにいってみてください。そこにはきっと理想的な海と人が待ってくれています。
新潟のおいしい日本酒を飲み比べする体験
https://www.asoview.com/base/151923/leisure/act0226/
地元の方が笠島の魅力を教えてくれるガイドツアー
https://www.asoview.com/base/152684/leisure/act0036/
柏崎の海を満喫できるシーカヤック
https://www.asoview.com/item/activity/pln3000010196/
- 1