熊本県最南部にある人吉市。人吉藩・相良氏の城下町として栄え、今でも当時の面影が残る歴史的情緒あふれる町です。一方で、日本三大急流の一つ球磨川(くまがわ)を有し、その川沿いは50もの源泉を持つ温泉地でもあります。さまざまな顔を持つ人吉市には、魅力的な観光スポットがたくさん。今回は、一人や仲間とはもちろん、ファミリーでも楽しめるおすすめスポットを、観光とアクティビティに分けてご紹介。ぜひ、次の旅行の参考にしてみてください。
人吉観光で訪れたい定番・穴場のおすすめスポット
川くだりやラフティングが楽しめる日本三大急流「球磨川」から、「人吉城跡」や「人吉温泉」まで、熊本県人吉市には遊び・学び・癒しが盛りだくさん!一回の旅でいろいろな遊び方ができる人吉エリアの、定番・穴場のスポットを厳選してご紹介します。
球磨川(くまがわ)
人吉市の中心部を流れる「球磨川」は、熊本県内最大の河川。また、山形県の「最上川」、長野・山梨・静岡県を流れる「富士川」と並ぶ、日本三大急流の一つでもあります。 100年以上の歴史がある「球磨川くだり」や、カヤック、ラフティングなどのアクティビティスポットとしても人気です。
また、川沿いには温泉も点在。自然と文化と観光を満喫できる、地元の方にも観光客にも愛される、人吉を代表するスポットです。
特急いさぶろう・しんぺい
熊本駅と鹿児島県の吉松駅を結ぶ列車です。吉松行きが「いさぶろう」、熊本または人吉行きが「しんぺい」で、列車名は明治時代の鉄道の偉人「山形伊三郎」と「後藤新平」の名に由来します。ぬくもりを感じる木製の客室からは、霧島連山やえびの高原など「日本三大車窓」といわれる絶景が楽しめます。前進・後退を繰り返して坂を上るスイッチバックや、急勾配を回避するために山を回り込むループ線など、珍しい走行が体験できるのも魅力。日常の慌ただしさを忘れて、旅心地に存分に浸れます。
人吉城跡
球磨川のほとりに位置する「人吉城跡」。国の史跡に指定されており、日本百名城のひとつでもあります。鎌倉時代から幕末まで670年もの間、球磨地方を治めた相良氏の居城です。築城の際、三日月の紋が入った石が見つかったことから「三日月城」「繊月城」とも呼ばれています。
外堀は球磨川と支流の胸川、城壁は山の斜面と崖と、自然を利用した形態が特徴です。ねずみ返しのような独特の石垣「武者返し」なども見どころ。1993年には多門櫓と角櫓が復元されています。歴史好きの人はもちろん、そうでない人にとっても訪れる価値のある城跡です。
人吉城跡公園
人吉城跡を含む一帯は広大な「人吉城跡公園」となっています。敷地内には「ふるさと歴史の広場」や「相良護国神社」、回遊式庭園「御館跡庭園」などが点在。球磨川南岸の高台に位置するため、二の丸跡からは球磨川と人吉の街を一望できます。
春には相良護国神社と球磨川沿いの桜が満開に。城跡と桜の組み合わせは風情満点で、多くの花見客でにぎわいます。秋には紅葉も楽しめますよ。
人吉城歴史館
広大な人吉城跡公園の敷地内にある、人吉城跡を深く学べる歴史資料館。鎌倉時代から幕末まで球磨地方を治めた、相良氏に関連する貴重な資料が展示されています。人吉城が「三日月城」「繊月城」と呼ばれる由縁となった、三日月の紋が入った石も見られますよ。
1番の見どころは館内の地下室。かつての発掘調査の際に相良家家老の屋敷跡で発見された「石積みに囲まれた井戸のある、謎の地下室」が復元されています。このような地下室遺構は全国にも例がなく、その用途は今も謎に包まれたままです。
ほかに人吉城跡のジオラマなどもあり、城跡公園の散策後に立ち寄れば、よりいっそう楽しめます。
人吉クラフトパーク石野公園
人吉球磨の歴史と文化に触れられる、新感覚の体験テーマパーク。ガラス工芸品作りや箸作り、陶芸など、多彩な体験が楽しめます。高さ25mの展望台などもあり、広々とした公園内を散歩するだけでも心地いい時間が過ごせます。子どもが遊べる広場やキャンプ場も併設されているので、ファミリーで一日中遊べるスポットです。疲れたときはカフェ「茶房人吉」で一息。こちらの名物「人吉プリン」やソフトクリーム、カレーなどの軽食が味わえます。
国道219号線沿いにあるので、車でのアクセスが便利なのもポイントです。
人吉温泉
「人吉温泉」は500年の歴史を誇る温泉。人吉駅周辺から球磨川北岸沿いには、50もの源泉があり、約30の温泉旅館や施設が点在しています。ヒノキ風呂や露天風呂、石積み風呂など、施設ごとに趣向の凝らされた温泉ばかり。立ち寄り湯としても利用できるので、気軽に温泉巡りが楽しめます。
泉質は弱アルカリ単純泉とナトリウム炭酸水素塩・塩化物泉の2系統で、温泉独特の硫黄臭が苦手な人でも安心です。球磨川でのレジャーや人吉城散策などで疲れた体を癒してみてはいかがでしょうか。
人吉温泉物産館
人吉駅から徒歩約4分の、地場産品を揃えた物産店。銘菓から特産品、工芸品まで、人吉のお土産品はここで揃います。中でも、500年もの歴史を持つ米焼酎の「球磨焼酎」の品揃えが豊富。人吉生まれの新焼酎ブランド「人吉」で名高い焼酎専門店「蔵元屋」も併設され、お酒好きにはたまらない場所です。
レストランや足湯もあり、旅の合間の休憩にもおすすめ。国宝・青井阿蘇神社の隣にあるので、観光客でいつも賑わっています。
大村横穴群
JR人吉駅のすぐ裏の崖にある27基の横穴群。6〜7世紀の古墳時代後期に作られたとされるお墓として学界でも注目され、大正10年に国の史跡に指定されました。阿蘇熔結凝灰岩の崖面、東西約550mにわたる墓穴は必見です。27のうち8基の外壁には動物や武器、幾何学文様などの装飾が施されています。人吉駅のホームからも見られますが、周囲は公園になっているので、散策がてら立ち寄ってみてはいかがでしょう。
人吉ループ橋
人吉市東部を縦断する国道221号を宮崎県えびの市方面へ向かうと、県境付近にあるループ橋。難所といわれる加久藤峠の高低差を緩和させるために造られた、その名の通り大きく螺旋を描いた橋です。区間の長さは1,190m、直径190m、円周600m、標高409m、橋脚の高さは最高60m。遠くからでもその大きさがわかります。緑豊かな霧島連山や雄大なえびの盆地の景観を眺めながらのドライブは、まるで空を飛んでいるかのような気分に!車旅行の際には、ぜひ味わってみてください。
みそ・しょうゆ蔵
人吉駅から徒歩約10分にある「みそ・しょうゆ蔵」は、老舗の味噌・醤油醸造所「釜田醸造所」の販売店。「うなぎの寝床」のような、奥行き100mもある製造工場は無料で見学ができます。大正時代の趣を残した立派な建築物も見どころの一つです。日本の文化ともいえる味噌・醤油の製造過程を学んだ後は、佃煮や漬物の試食がある展示販売コーナーへ。工場見学から試食、お買い物と、味噌と醤油を堪能できる観光スポットです。
人吉観光で楽しみたい体験・アクティビティ
豊かな自然も人吉市の魅力。人吉盆地を貫流する日本三大急流「球磨川」は、川下りやラフティングのメッカです。
また、支流の「川辺川」は日本一水質のきれいな川として有名。エメラルドグリーンに輝く川面に向かってダイブするバンジージャンプの体験ができます。人吉観光でぜひ味わってもらいたいアクティビティをご紹介します。
日本三大急流の迫力を体感!「ラフティング」
球磨川といえばラフティング。日本三大急流の激しさはスリル満点です。ラフティングは6~8人乗りのゴムボートに乗り、パドルを使って緑豊かな川中を下っていくウォータースポーツ。球磨川の周辺には10数軒の体験施設があり、夏はもちろん、一年中体験できるところもあります。12歳くらいから参加OK。ベテランスタッフが指導してくれるので、初心者やファミリーでも、安心して体験できます。ウェットスーツなどの装備一式は借りられるので、水着やサンダルなど濡れても大丈夫な準備だけしておきましょう。
球磨川の大自然をじっくりと堪能する「球磨川くだり」
木舟に乗って、船頭さんの楽しいガイドを聞きながらゆっくりと川を下る「球磨川くだり」は、100年以上の歴史を持つ観光文化。詩人・与謝野晶子も人吉を訪れた際に楽しんだといいます。河水の透明度が高いため、船上からアユが泳ぐ姿を見られることも。冬期はこたつに入りながら鮎寿司や栗弁当が味わえる「こたつコース」もあります。悠久の自然漂う球磨川で、ぜひ癒しのひとときを堪能してみください。
高さ66mから飛ぶ!「バンジージャンプ」
人吉市から車で約45分北上した「五木村バンジー」では、バンジージャンプ体験ができます。高さ66mの小八重橋から、エメラルド色に輝く川辺川に向かって飛び降りる瞬間のスリルと爽快感はたまりません!川の水量によっては、ウォータータッチができるかも!?
アクションカメラのレンタルもでき、ジャンプの瞬間を動画に収めることもできます。15歳以上で体重が40~105kgなどの利用制限があるので、事前にチェックをしておきましょう。
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