長崎県の観光地・雲仙市は、日本初の国立公園「雲仙天草国立公園」内にある温泉地です。かつて「温泉」と書き「うんぜん」と呼んでいた時代があるほど、雲仙市内のあちこちから湯けむりが立ち上っています。市内では「湯せんべい体験」など、雲仙ならではの体験ができるほか、名物「雲仙地獄」や季節の美しい絶景が望める「仁田峠ロープウェイ」といったダイナミックな自然スポットも点在。そんな雲仙観光のスポットを厳選して紹介します。
雲仙で立ち寄りたい観光スポット
雲仙と言えば火山の「雲仙岳」をイメージする人もいるのではないでしょうか。しかし、火山地帯が生み出す荒々しい大自然の造形美だけが、雲仙の魅力ではありません。温泉がもたらす極上の癒しや、長崎の南蛮時代を今に伝えるガラスの芸術品・ビードロのほか、レトロなおもちゃまで…。一度訪れれば再訪したくなる、ここだけの絶景と味わい深い温泉街へ出かけてみませんか。
雲仙地獄
雲仙観光のメインスポット「雲仙地獄」は、激しい噴気や熱気、強烈な硫黄の香り、荒々しい景観が地獄のように恐ろしいので「雲仙地獄」と呼ばれています。主な見どころは、噴気が多い「大叫喚地獄」や「お糸地獄」「八万地獄」など。大地のダイナミックな息吹を「地獄めぐり」で体感しましょう。所要時間は約60分。遊歩道や休憩舎など、安全に見て回れるように工夫されていますので安心です。散策後は隣接の雲仙地獄茶屋の温泉たまごやレモネードで一息入れるのがおすすめです。
仁田峠ロープウェイ
標高差174m、海抜1300m、仁田峠駅~妙見岳駅の間500mを、ゴンドラが片道3分かけて運行するロープウェイです。仁田峠の魅力は、雲仙の四季が織りなす景色を眼下に望めること。どの季節も、鮮やかな山の色合いに圧倒されること間違いなしです。
一方で妙見岳の山頂からは、島原半島を見渡せ、ロープウェイ施設内には展望台や売店、展示室、神社などがあります。なお、新型コロナウイルスの対策として、終日換気や減員運行、定期消毒が実施されています。
白雲の池
雲仙温泉街から徒歩20分。遠くまで足を伸ばすことなく、雲仙の自然を存分に感じられるスポットが人工池「白雲の池」です。白雲の池を訪れる観光客の多くが、期間限定のキャンプ場や貸しボートを利用し夏を過ごしています。ひんやりとした空気は避暑に最適。池の周辺に響き渡る野鳥や昆虫の声、木々のざわめきが心を落ち着かせてくれます。白雲の池からは絹笠山への登山道も整備されています。
足湯広場
地獄めぐりや雲仙周辺の登山などで疲れた足を癒せる「足湯広場」は、市街地の中心部にある「雲仙お山の情報館」のそば。各所の足湯の中でも最も大きく、湯船の大きさは直径約4mと10人ほどが同時に座れます。屋根が付いているため、強い日差しの日や雨天でも利用可能。約40度のちょうどいい温かさと硫黄の香りが、ポカポカと気持ち良いです。
雲仙ビードロ美術館
江戸時代に長崎へ伝来した吹きガラス「ビードロ」を中心に、国内外のガラス工芸品を展示している雲仙ビードロ美術館。館内では、ビードロや19世紀のボヘミアンガラスなどのアンティークガラスに加えて、人間国宝「柿右衛門(かきえもん)」の陶磁器や、絵画も季節に応じて展示しています。
またグラス作りなどのガラス工作体験ができる工房も併設。体験を希望する場合は前日までの予約がベターです。メニューによっては約2時間かかるため、余裕をもって時間を確保しておきましょう。アクセサリー販売や、旅行者が旅の思い出を自由につづれるノートもあります。
※2020年8月20日現在、新型コロナウイルス感染症対策のため臨時休館となっています。おでかけの際は公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
雲仙おもちゃ博物館
雲仙温泉街の中心部に位置する「雲仙おもちゃ博物館」は、外観も内観もレトロ感満載。懐かしさいっぱいの空間に足を踏み入れれば、タイムスリップしたような感覚になれそうです。
館内の1階は日光写真やセルロイドのお面、駄菓子など約2,000種類が揃う、昔ながらの玩具屋。2階のおもちゃ博物館(有料)には、ブリキのおもちゃやメンコ、駄菓子などが展示されています。有名鑑定士が鑑定したレア品から日常的に遊んだ定番まで、見ごたえたっぷりの約5,000点を堪能できる、楽しい観光スポットです。
雲仙で体験できるアクティビティ
雲仙には、温泉地だからこそ味わえる、温泉水を練り込んだ伝統の「湯せんぺい」や、雲仙の火山灰を使った焼きもの「雲仙焼」を制作体験できるアクティビティがあります。パリっとした焼き立ての食感が楽しい湯せんぺいと、自宅で実用的に使える雲仙焼の焼きものは、観光の思い出作りになること間違いなし。1,000円から体験できるので、価格もリーズナブルです。オリジナルを作って、雲仙観光の思い出を形に残してみませんか。
雲仙温泉 遠江屋本舗(湯せんぺい体験)
雲仙で人気のおみやげ「湯せんぺい」は、かつて島原城藩主へ献上するために作られていた菓子です。湯せんぺいが「食べる温泉」と言われるゆえんは、温泉水を生地に練り込んでいるから。
その湯せんぺいの老舗「遠江屋(とおとうみや)」では、湯せんぺいの手焼き体験を行っています。生地を焼く時に使う金型が3kgと重量があるものの、焼き方を職人が丁寧に指導するので安心して体験できます。事前予約が必要なうえに期間限定で実施しているため、事前に店舗へ問い合わせを。焼きたての湯せんぺいは持ち帰り可能です。
雲仙焼(陶芸体験)
雲仙に大正時代から伝わる焼きもの「雲仙焼」は、シンプルなデザインと温かみを感じる色合いが特徴です。現在は3人の陶工が雲仙焼を継承し、火山灰だけを使った、まるで油の滴が飛び散ったかのような美しい模様「油滴天目(ゆてきてんもく)」を器に表現するなど、独自の陶芸制作に取り組んでいます。
体験では陶工のサポート付きで「雲仙焼」の器が作れますが、対象年齢は3歳以上、内容によっては3歳未満の子どもも可能です。あらかじめ爪を短くしておき、汚れてもかまわない服装で臨むと作業しやすいでしょう。
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