鹿児島県の佐多岬から南東約40㎞に位置する種子島は、西之表市、中種子町、南種子町からなる、南北に細長い島です。種子島は鉄砲伝承の地のみならず、ロケット発射場としても有名。島には自然を遊ぶレジャーのほか、歴史・文化・グルメなどの魅力もぎゅっと詰まっています。家族や友人、恋人と、または1人で訪れても楽しめる、種子島の観光に役立つ情報を紹介。美しい海でのアクティビティや、宇宙の神秘に近づける施設など、たくさんの見どころがあなたを待っています。
種子島観光の基本情報
種子島観光の所要時間の目安は?
日帰りで楽しむ場合
鹿児島から種子島までは、フェリーで約3時間30分、高速船で約1時間35分。日帰りなら、便数が多く短時間で到着する高速船ジェットフォイルに乗るのがおすすめです。
※車やバイクの持ち込みはフェリーのみ。
ちなみに、島の南部から北部へは車で1時間程度とコンパクトに周遊できます。日帰りで楽しむ場合は、主要ポイントに絞ってプランを組んでおくと良いですね。
【日帰りのおすすめプラン】
・鹿児島本港南埠頭から10:20に出航し、11:55頃に種子島西之表港へ到着
・港の近くでレンタカーを借りて出発!
・海辺のドライブを楽しみながら「千座の岩屋」などに立ち寄り
・宇宙科学技術館のある「種子島宇宙センター」へ
・島北部の「種子島開発総合センター鉄砲館」を見学
・帰りの高速船は、夏ダイヤなら17:10出発、19:05到着が最終
※秋ダイヤ、冬ダイヤと時期によって最終便の時間が異なり、運休の場合もあるので事前に確認しておきましょう。
種子屋久高速船株式会社 公式サイト:https://www.tykousoku.jp/
宿泊して楽しむ場合
1泊2日の宿泊なら南部と北部に分けて巡るプランがおすすめです。
【1日目のおすすめプラン】
・「男淵・女淵の滝」から島南部へ
・絶景スポットの「千座の岩屋」で自然の美しさに感動
・古代の歴史にふれる「広田遺跡ミュージアム」を見学
・宇宙科学技術館がある「種子島宇宙センター」へ
・赤米の栽培を伝承する「宝満神社」を参拝
【2日目のおすすめプラン】
・島の南端部「七色展望所」で屋久島を望む海原を堪能
・島西部の「サンセットライン種子島」から北上し
・島北部の「月窓亭」や「鉄砲館」を見学
・アクティブ派は、サーフィンやシーカヤックなど海でのアクティビティもおすすめ!
種子島観光のベストシーズンは?
温暖な気候の種子島には、通年楽しめる観光スポットが充実しています。いつ訪れても満喫できますが、特にレジャーシーズンの春夏は観光客に人気で、早ければ4月下旬に開く海水浴場もあります。春夏に訪れる場合はゴールデンウィークや盆休暇を利用すると良いでしょう。
ウミガメの産卵が見られる時期
種子島は、日本でも有数のウミガメの産卵地です。5~7月頃にはウミガメの産卵が、8~9月には子ガメが孵化する様子を見られます。満点の星空の下、神秘的な産卵の瞬間に立ち会えたなら、そっと見守りましょう。
移動手段は何がいい?
公共交通機関が発達していない種子島では、車での移動がベストです。路線バスもありますが本数が少ないため、種子島への旅行に慣れていない人にはおすすめできません。レンタカーやレンタルバイクのほうが効率良く観光を楽しめますよ。
レンタカー
自由に移動するには、レンタカーがいちばん。島内にはレンタカー会社がたくさんあります。事前に予約をしておきましょう。乗員人数に合わせて車種を選べる会社が多いため、安心です。
【種子島にあるレンタカー会社】
オリックスレンタカー 種子島店
オリックスレンタカー種子島空港カウンター
ニコニコレンタカー 種子島店
ニコニコレンタカー 鹿児島種子島空港店
ニコニコレンタカー 種子島西之表店
ニッポンレンタカー 種子島西之表営業所
日産レンタカー 種子島空港店
日産レンタカー 西之表店
種子島レンタカー
トヨタレンタカー 種子島空港
トヨタレンタカー 西之表港
SEED'Sレンタカー
はやしレンタカー 南種子営業所、空港営業所、西之表店
南星レンタカー
ロータスイトウ
福村レンタカー 本社、西之表営業所
サンライズ・レンタカー
熊毛レンタカー西之表取次所
レンタルバイク
島でバイクを運転したい人は、西之表市のショップ「レンタルバイク種子島」を利用する方法もあります。潮風を切りながらの周遊はとても気持ちがいいものです。一方、自転車で走るには種子島は広すぎるため、自転車旅を目的としている人以外は過酷な観光巡りになりかねないので注意しましょう。
タクシー
運転免許を持っていない人や、飲食店でお酒を飲みたい人はタクシーを利用しましょう。流しのタクシーは見つけにくいため、タクシー会社からの送迎がベターです。
マイカー
種子島へのアクセスは飛行機のほかにマイカーも可能です。自家用車で観光をするには、鹿児島市の谷山港から発着しているフェリーを利用しましょう。ただし、本数が1日2本と少ないため、計画的なスケジュールを組んでおくと安心です。
種子島観光で外せない!自然を楽しむアクティビティ
種子島のいちばんの魅力といえば、海です。青く美しい海をフィールドに、アクティビティを満喫しましょう。「海での遊びをメインに種子島を満喫したい」「観光スポットもあちこち巡りたいから、短時間で体験したい」といった、目的やスケジュールに合わせた楽しみ方ができます。サーフィンやシーカヤックなど、現地で用意されているアクティビティはより取り見取り。刺激にあふれ、充実した時間は忘れられない旅の思い出となるでしょう。
サーフィン
島のいたる所でサーファーに出会えるほど、種子島はサーフィンのメッカです。近距離にサーフポイントがいくつもあるので、波のコンディションによってはすぐ別の場所に移動できる点もサーファーには好評。サーフィン好きはもちろん、初心者もせっかくなら本場の波でチャレンジしてみませんか。サーフィンスクールでレクチャーを受けながら、気軽に体験ができます。
シーカヤック
シーカヤックも、種子島で人気のマリンスポーツのひとつです。パドルで水をかきながら、海の上を漕いで進むシーカヤックは、インストラクターがしっかりレクチャーしてくれるので、初めてでも安心。慣れてくると景色を楽しむ余裕も生まれます。コースによって、洞窟を通り抜けたり、マングローブ林に入ってみたりと、種子島の自然が織りなす冒険を楽しんでください。
ダイビング
カラフルな熱帯魚が泳ぎ、美しいサンゴ礁が群生する南国の海。種子島では、南の島の生物だけでなく、北の方の水中生物も見られます。多種多様な生物との出会いは、感動を与えてくれるはずです。インストラクターが丁寧に案内してくれるので、初心者でも気兼ねなくチャレンジしてみてください。地上では味わえない、海中世界を観光しましょう。
シュノーケリング
水面や浅瀬の水中を遊泳するシュノーケリング。泳ぎが苦手でもライフジャケットを着用するので、安心して楽しめますよ。水中に慣れたら、色とりどりの魚たちと一緒に泳いでみましょう。運が良ければウミガメに出合えるかもしれません。体験プランによっては約1時間で終わるものもあるので、観光の合間に予定を入れたい人にもおすすめです。
種子島といえばこれ!宇宙関連のスポットを巡ろう
未知なる魅力にあふれた宇宙は、いつの時代も人々の好奇心や冒険心を刺激してきました。その宇宙に「日本で一番近い島」とも称される種子島。大型ロケット発射場が種子島宇宙センターに設置されているため、宇宙関連のニュースで島の名前を耳にする機会もあるでしょう。ここでは種子島の宇宙関連のスポットとして、「種子島宇宙センター宇宙科学技術館」と「増田宇宙通信所」を紹介します。見学や体験を通して、はるかかなたへ想いを馳せてみませんか。
種子島宇宙センター 宇宙科学技術館
「宇宙科学技術館」は、日本最大のロケット発射場「種子島宇宙センター」内にある展示館です。日本の宇宙開発を担う、国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構「JAXA」の宇宙開発現場にふれられる場として1979年にオープン。2017年にリニューアルし、宇宙と地球のつながりをもっと身近に感じられる新たな体験展示として生まれ変わりました。
ロケット打ち上げの迫力を体感できるシアターや、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の実物大モデル、実物のロケットが見られるガレージなど見どころが満載。大人も子どももワクワクするような宇宙の魅力がたくさん詰まっています。JAXAや宇宙関連のグッズが揃うミュージアムショップもあるので、お土産探しに立ち寄ってみてください。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、見学は事前予約制です。施設内では検温とマスク着用を義務づけています。
増田宇宙通信所
中種子町にある「増田宇宙通信所」は、人工衛星の追跡管制とロケットの飛行状態監視を行っている施設です。人工衛星からの電波をキャッチする合計6基のパラボラアンテナが並ぶ、貴重な光景が見られます。
第1観測棟内は、一般見学ができる展示室として開放。人工衛星の模型などが展示されているほか、映像やゲームを楽しみながら人工衛星と追跡管制について学べます。見学時、アンケートに回答すると嬉しいプレゼントも。全国のJAXAの施設でしか入手できない、アンテナの写真や情報が載った「アンテナカード」がもらえます。宇宙好きなら一度は訪れたいスポットです。
※2020年8月26日現在、新型コロナウイルス感染症対策のため臨時休館となっています。おでかけの際は公式サイトにて最新の情報をご確認ください。
種子島の絶景を楽しめる自然スポット
美しい海と豊かな緑が広がる種子島。南北に細長い島内は、絶景の宝庫です。例えば一言で「海」と言っても、多種多様な美しさがあります。海水浴のできるビーチ、水面にそびえる奇岩や巨岩、夕日が沈む海岸など、見どころがたくさん。定番から穴場まで、大自然が時を経て生み出した絶景をご紹介します。種子島観光に訪れたなら、自分の目で確かめてみてください。
浜田海水浴場
種子島の夏は、美しいビーチでの海水浴がおすすめ。種子島の中でも、南種子町では唯一の指定海水浴場が「浜田海水浴場」です。砂丘のように広大な砂浜と海が目の前に広がる、抜群の開放感をぜひ体感してください。毎年7月に海開きが行われ、8月末までの2ヶ月間にわたって開放されています。
海水浴場のすぐ近くにある、「千座の岩屋(ちくらのいわや)」と呼ばれる種子島最大の海蝕洞窟も有名です。千人が座れるとも言い伝えられる大きさで、干潮時のみ洞窟に入れます。
浦田海水浴場
日本の海水浴場88選のひとつにも数えられる「浦田海水浴場」は、地元の人にも人気です。透明度の高い水質が魅力で、4月下旬から9月中旬までと長期間にわたって開放されます。ビーチにはキャンプ場もあり、フィッシングやスキューバダイビングなどさまざまな楽しみ方ができるので、1日中存分に遊び尽くせるスポットです。シャワーやトイレ、展望デッキ、休憩所などが設けられた総合案内所「シーサイドハウス」が併設されているので、居心地よく快適に過ごせます。
男淵・女淵の滝
中種子町にある「男淵・女淵の滝」。高地がない種子島での滝はめずらしい光景です。上下二連の滝で、上段は男淵、下段は女淵と名付けられています。木々の緑に囲まれ、心地よい水音を聞いていると心が洗われるような気持ちになれるはずです。渇水期でも滝の水が枯れることはなく、こんこんと流れ続ける水が訪れる人を癒してくれます。滝周辺の駐車場まで車で移動できる好アクセスに加えて、公衆トイレも完備されています。
さとうきび畑
種子島の全域で栽培されている、さとうきび。収穫期は12月から4月まで、製糖工場で分蜜糖と呼ばれる砂糖になって出荷されます。さとうきび畑が広がる向こうに海がのぞく景色は、南国らしい空気を感じさせてくれます。風に揺れる緑を眺めながら道を歩きながら、のんびりと気持ちの良い時間に身を任せてみましょう。
長浜海岸
中種子町の西側に位置する「長浜海岸」は、全長12kmにも及ぶ、島内で一番長い砂浜を有する海岸です。長浜海岸の中でもサーフィンスポットとして知られる竹之川と屋久津を訪れれば、波乗りを楽しむサーファーの姿を見かけるでしょう。そんな長浜海岸に沈む夕日が照らす、オレンジ色の海は絶景です。
また毎年5月~8月頃には、ウミガメが産卵にやってくることでも有名です。運が良ければ出合えるかもしれませんが、ウミガメは臆病な生き物。邪魔をせずに、そっと産卵を見守りましょう。
犬城海岸(馬立の岩屋)
種子島の東側、中種子町と西之表市との境界にある「犬城(いんじょう)海岸」。自然の力が生み出した奇岩や巨岩が見られる美しい海岸です。海岸の北端には、波の浸食によってつくられた「馬立の岩屋(またてのいわや)」と呼ばれる海蝕洞窟があります。名前の由来は、かつて第10代島主の種子島幡時(はたとき)が洞窟で消息を絶ち、連れていた愛馬だけが主を待っていたことから名付けられました。静かな場所でありながら、見る者を圧倒するような地球のエネルギーを体で感じてください。
天女ヶ倉
「天女ヶ倉」は、種子島の中で特に標高の高い景観地です。階段を上ると視界が開け、360度パノラマビューの展望台に到着。眼下には木々や田畑の緑が連なる風景が、そして遠くに空と海の青が広がります。天女ヶ倉は天の川や流星群の観察地でもあるため、日が落ちれば、満点の星空が見られる天体観測スポットへ早変わりします。展望台の近くまで車で移動でき、駐車場にはトイレもあります。
夕暉が丘
西之表市の「夕暉が丘(ゆうきがおか)」は、別名「景勝ロマンの丘」とも呼ばれる眺めの良い場所。市街地を一望でき、海に落ちてゆく綺麗な夕日が評判です。
ここには、「大和夕暉が丘平和の塔」の記念碑が建てられています。その横にはもうひとつ、太平洋戦争末期の1945年(昭和20年)4月に戦艦大和が沈没した方向を指し示す碑も。春分・秋分の日没時にだけ、碑の上部に空いた穴が太陽とぴったり重なるのです。先人たちの歴史に想いを巡らせながら眺める夕日は、感慨深い気持ちにさせてくれます。
七色観望所
種子島の最南端に位置する鉄砲伝来の地、門倉岬の近くにある「七色観望台」。空気が澄んでいる日は遠くにロケット発射台が望めます。青空の下には水田や防風林、どこまでも続くような海岸線が広がり、夕方になると辺り一帯が赤く照らし出され、雰囲気が様変わり。「七色」と付く名の通り、季節や時間帯によって移り変わる景色は圧巻の一言です。自然が描く絵画のような眺めを、思い出に残しましょう。
千座の岩屋
種子島の東海岸には、太平洋の荒波によってできた海蝕岩が点在しています。なかでも、浜田海水浴場の端にある洞窟「千座の岩屋(ちくらのいわや)」は見ものです。洞窟の中に千人が座れるくらいの広さからこの名前が付けられた景勝地は、一日のうちに潮が引いている2時間程度しか入ることができません。一歩中へ入れば、薄暗い洞窟に波の音が響き、神秘的な雰囲気を醸し出します。洞窟から外の海を眺めるとまぶしく光る様子は、他では見ることのできない絶景です。
サンセットライン牧川
海沿いに続くサンセットラインは、絶好の夕景スポットです。オーシャンビューのドライブを楽しむのも良いですが、車を停めて海岸線を歩いてみるのもおすすめ。時間が許すのなら、堤防に座って日が沈む風景を眺めてみてください。波の音に包まれながら、ゆったりと贅沢な時間が過ごせます。
種子島の文化や歴史にふれよう
種子島で満喫できるのは自然だけではありません。鹿児島市から南東方向の海に浮かぶ種子島では、独自の文化や歴史が発展しました。日本に初めて伝来した鉄砲、古代から伝承されてきた赤米の栽培、弥生・古墳時代の遺跡など、ここにしかない学びがたくさん。旅をしながら、驚きや発見と出合えるはずです。
月窓亭
1795年(寛政7年)に家老の羽生道潔が建てた、名家・羽生家の旧邸宅です。1886年(明治19年)からは種子島家が居住し、武家屋敷として島民によく知られる場所となりました。また、種子島の貴重な歴史資料が保存されてきたことから、作家の司馬遼太郎など、数々の著名人が訪れました。
現在は一般公開され、見学者は歴紹介のガイドや月桃茶でのおもてなしを受けられます。四半的(しはんまと)という弓術(有料)やホラガイを吹く体験もできるので、ぜひチャレンジしてみてください。事前に予約をすれば、種子島の民俗行事の再現、昔話の紹介、民謡の披露なども見学できます。
種子島開発総合センター鉄砲館
南蛮船をイメージした独特の外観が目を引く「種子島開発総合センター鉄砲館」。島民には鉄砲館と呼ばれています。鉄砲はもちろんのこと、種子島について総合的に網羅した博物館です。種子島の歴史や文化、自然を深く知りたいならぜひ足を運んでみてください。鉄砲の伝来地であり、国内初の火縄銃が製作された地でもある種子島。メインはやはり鉄砲で、ポルトガル銃や国産第1号の火縄銃など古式銃が約100点展示されています。
たねがしま赤米館
種子島では、古代から赤米を栽培してきました。島の南にある宝満神社では、稲作に関わる神事が執り行われるなど、現在でも赤米の栽培を伝承しています。そんな赤米の情報と地域の稲作文化を「たねがしま赤米館」で紹介しています。標本や模型の展示、映像シアターなどが見学できるほか、お土産コーナーでは赤米や民具も販売されています。宝満神社のすぐ近くにあるので、参拝とあわせて立ち寄ってみては。
広田遺跡ミュージアム
国史跡・広田遺跡のガイダンス施設「広田遺跡ミュージアム」。小高い丘に広がる広田遺跡は、弥生時代後期から7世紀頃にかけての集団墓地です。埋葬されていた人骨は、貝のアクセサリーを身につけた状態で見つかりました。こうした装飾文化は日本列島で他に例がなく、独自のものと考えられています。
ミュージアムの館内では遺跡出土品を展示しているほか、古代の貝アクセサリーの製作体験ができます。古代の人々にとってのオシャレはどのような意味があったのか、体感してみましょう。
奥神社
西之表市国上奥にある「奥神社」では、境内にそびえる大木が訪れる人を惹きつけています。圧倒的な存在感を放っている大木の種類は「アコウ」と呼ばれ、福を呼びこむとして崇められてきました。無数の根がタコ足のごとく伸びる光景には、自然の神秘を感じることでしょう。奥神社は、満願成就や縁結び、安産などのご利益があり、強く願えば望みを叶えてくれると言われています。
古市家住宅
中種子町の南部に建つ、国の重要文化財に指定された歴史的な建造物です。坂井村の郷士(ごうし)だった古市源助氏が、1846年(弘化3年)に建てました。座敷と土間のある民家建築で、住宅を取り巻く環境も良好。中に入ってじっくりと見学ができます。周辺は「歴史の里坂井公園」として整備され、日本一の大ソテツが有名な「坂井神社」も近くにあります。
宝満神社・宝満の池
玉依姫命(タマヨリヒメノミコト)を祭神とし、水田を開いて稲を作った御神徳を称え祀った神社です。種子島では「宝満大明神」との呼び名で、古くから親しまれています。今でも新田で赤米を栽培していて、赤米にまつわる神事を通じて地域と深い関わりがあります。
本殿を正面に見ると、南国ムードを醸し出すソテツが狛犬の両脇に生えるさまは不思議な光景。また、社の隣にある「宝満の池」は、周辺が4kmを越える種子島最大の池です。冬になると水鳥が飛来することでも知られます。
坂井神社
中種子町の坂井神社には、「日本一の大ソテツ」と称される巨大なソテツの木があります。樹齢は推定600年以上、今も島の人々の手で大切に守られています。大きさは樹高8m・樹長12m・根回り2m以上。近くに立って見上げれば、そのスケールと威厳に圧倒されます。太い幹から何本もの枝が多方に伸びた、自然の造形美は見ものです。
池浪刃物製作所
1543年(天文12年)、ポルトガル人が漂着したことで鉄砲が伝来した種子島。火縄銃の製造にも成功し、「鉄砲鍛冶のふるさと」となりました。鍛工の技術は脈々と受け継がれ、時代に合わせて鋏や包丁が製造されるように。「種子島鋏」「種子島包丁」として県の伝統工芸品に指定されています。
「池浪刃物製作所」も、長年にわたり伝統を受け継いでいる製作所のひとつです。家庭用や記念品に購入してはいかがでしょうか。
種子島のグルメを楽しむ
その土地ならではの食との出会いも、旅の醍醐味。旬の味覚や特産品を求めて、グルメ旅を楽しんでみませんか?種子島観光で絶対外せない、おすすめグルメを3つ紹介します。店選びの参考にしてください。
焼酎
鹿児島県は、全国的にも有名な焼酎大国です。特に芋焼酎が土産品の定番ですが、種子島でも例に漏れず焼酎の製造が盛ん。西之表市、中種子町、南種子町にある4つの蔵元は、それぞれに味わいが異なるので、飲み比べをしてみるのも良いですね。夜遅くまで営業している居酒屋もあるので、地元の食材とともに焼酎を味わってみましょう。
海の幸
種子島を訪れたなら、新鮮な海の幸は外せません。海に恵まれた種子島には、四季折々に豊富な食材があります。トビウオやキビナゴ、ゾウリエビといった、普段食べる機会の少ない珍しいものも、島の食卓にあがります。海鮮料理は、島内各所の飲食店や旅館でどうぞ。旅館の会席料理や、居酒屋でお酒とともに刺身に舌鼓を打ちながら、お気に入りの店を探してみてください。
インギー地鶏
「インギー地鶏」は種子島特有の珍しい地鶏で、南種子町の特産品です。1894年(明治27年)に漂着したイギリス船から譲り受けた鶏で、当時イギリス人のことを「インギー」と呼んでいたことが名前の由来となりました。現在は南種子町各所の飲食店で食べられます。ホテル・食事処の「美の吉」では、インギー地鶏の刺身、焼き鳥、陶板焼、唐揚げなどが人気。旨味たっぷりの味わいを堪能しましょう。
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