「晴れの国おかやま」のキャッチフレーズで知られる岡山県。桃太郎のイメージを持っている人も多いかもしれません。岡山は瀬戸内海に面している上に山も多くあり、絶景スポットが豊富。また、「岡山城」「岡山後楽園」をはじめとする歴史に触れられる場所や「倉敷美観地区」といった町並みが楽しめる場所、絶景が楽しめる「備中松山城」など見所に溢れています。今回はそんな岡山のおすすめ観光スポットをご紹介します。
岡山県のエリアについて
今回は岡山県のエリアを岡山エリア、倉敷エリア、県北エリア、牛窓エリア、犬島エリアに分けてご紹介します。岡山県は岡山市と倉敷市に県の人口の63%が集中しており、約120万人が居住する主な観光地。しかし、少し足を伸ばした県北エリア、「日本のエーゲ海」と呼ばれるほど美しい牛窓エリア、宝伝港から船で10分でつく岡山県唯一の無人島犬島エリアと魅力が溢れています。どれも岡山を訪れるなら欠かせないスポットです。
岡山エリアのおすすめ観光スポット
岡山の県庁所在地かつ最大の都市である「岡山市」。日本100名城に選ばれている岡山城、日本三名園の一つ「岡山後楽園」、さらに桃太郎のモデルとなった吉備津彦命を祀っている「吉備津神社」と観光名所が盛りだくさん。岡山駅前にある桃太郎の銅像をはじめ、岡山駅周辺には桃太郎があちこちにいるため、記念撮影をするのもおすすめです。
岡山城
慶長2年に豊臣家五大老の一人、宇喜多秀家が築城した「岡山城」。日本100名城にも選ばれており、月見櫓、西の丸西手櫓は重要文化財となっています。また、特徴は全国的にも珍しい不等辺五角形の天守台で、黒い下見張りの外観から別名「烏城」と呼ばれています。天守閣内には岡山城の歴史が学べる展示や工房、カフェが併設。中でも工房では備前焼の土ひねりが体験可能です。その他にも風鈴作りやランプシェード作りなど季節のイベントも行われているため、お子様と旅の思い出に一品作ってみてはいかがでしょうか。
岡山後楽園
日本三名園の一つであり、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三つ星を獲得した「岡山後楽園」。総面積約4坪という広大な庭園は岡山藩2代目藩主、池田綱政が憩いの場として築きました。池泉回遊式の庭園を中心に茶屋や東屋があり、江戸時代から大きく変わることなく受け継がれてきました。また、園内では春は桜やツツジなど鮮やかな花、梅雨は菖蒲、夏はハス、秋は紅葉、冬は雪景色と四季折々の景観が魅力です。さらに、ゴールデンウィーク、夏、秋の年3回はライトアップされた夜間特別開演「幻想庭園」が楽しむことができます。
池田動物園
ホワイトタイガー、ライオン、レッサーパンダ、フラミンゴ、カピバラ、ペンギンなど約100種類の動物に出会える「池田動物園」。市街地からもほど近い京山にあり、全国でも珍しい「山」を利用した動物園としても知られています。一番の魅力はエサやり体験。パク、レッサーパンダ、ペンギン、カピパラ、ツキノワグマなど多種多様な動物とふれあうことができます。また、ポニーの乗馬体験やフラミンゴとともにお散歩するイベントなども豊富。お子様と楽しめること間違いなしのスポットです。
旧閑谷学校
日本最古の庶民のための公立学校である「旧閑谷学校」。1670年に岡山藩主池田光政によって開設され、幕末に活躍した大島圭介など多くの優秀な人材が輩出されました。平成27年には「近世日本教育遺産群」として日本遺産第一号に認定。さらに、聖廟は国の重要文化財、入母屋造りの講堂は国宝に指定されています。例年11月にはライトアップイベントが行われているため、紅葉とともに楽しむのもおすすめです。
吉備津神社
桃太郎のモデルとなった吉備津彦命を祀っている「吉備津神社」。物語の伝説でも伝えられている温羅(うら)という鬼との戦いの中で吉備津彦が矢を置いたとされる矢置岩や、温羅の首が埋められたと言われている御釜殿などが残っています。本殿、拝殿は国宝に指定されています。「比翼入母屋造(ひよくいりもやづくり)」という建築様式で建てられており、全国唯一の様式から吉備津造と呼ばれることも。また、釜の鳴る音で吉凶を占う鳴釜神事という珍しい神事も行われており、地元の人のみならず、多くの人に親しまれています。鬼ノ城とともに桃太郎めぐりとして訪れるのもおすすめです。
倉敷市エリアのおすすめ観光スポット
江戸幕府の直轄領「天領」であり、物資の集積地として栄えた「倉敷市」。白壁の屋敷や町の建築様式が現在でも残されており、風情ある町並みが今でも楽しめる美しい観光地です。また、国産ジーンズ発祥の地である「児島」や「鷲羽山」、さらには瀬戸内海に面した下津井もあるため、景色が堪能できるスポットも豊富です。その他にも「いがらしゆみこ美術館」、「おもちゃの国」、「ブラジリアンパーク鷲羽山ハイランド」とバラエティにとんだスポットも人気。どんな年代の方でも楽しめるエリアとなっています。
倉敷美観地区
伝統的な日本建築の美しさを感じられる「倉敷美観地区」。国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されています。江戸時代は米の積出地として栄えた倉敷川溿には、商人の町家や白壁の土蔵が並び、柳並木とともに現在も情緒溢れる町並みとなっています。また、「くらしき川舟流し」という観光船も運行されており、船上からゆったりと倉敷の町並みを楽しむのもおすすめです。さらに、町家を改装したカフェやギャラリーがあったり、「倉敷帆布」「倉敷デニム」など、倉敷ブランドが購入できる場所もあったりと観光客に人気のスポット。年間通してライトアップも行われているため、夜に訪れるのもまた違った倉敷が見られます。
いがらしゆみこ美術館
少女漫画「キャンディ・キャンディ」で知られる漫画家いがらしゆみこ氏の美術館です。「キャンディ・キャンディ」の漫画がゆっくり堪能できるスペースがあり、世界観に浸ることが出来ます。また、一番の人気はプリンセス体験。100着以上からドレスが選べ、カツラ、メイクをすることが出来ます。また、併設されているカフェプリンセスの貴族席ではドレス姿のまま飲食可能。貴族気分を存分に味わえる夢のようなスポットとなっています。
児島ジーンズストリート
アメリカ生まれのジーンズの初めて国産化したため、国産ジーンズの聖地と呼ばれる「児島」。ジーンズ専門店のほか、カフェなども含めて30店舗並んだ「旧野崎家住宅」から野崎の記念碑までの約400mの通りが「児島ジーンズストリート」です。駅構内、バス、タクシーなど街全体がインディゴで染められています。代表的なお店は「桃太郎ジーンズ」。国産ジーンズならではの染色は思わず手に取ってしまいたくなること間違いなしです。
おもちゃ王国
1歳から楽しめる子供にはたまらないスポットである「おもちゃ王国」。屋内にはトミカ・プラレールやリカちゃん、シルバニアファミリーなどおもちゃで自由に遊べるおもちゃパビリオン、屋外にはトーマス、観覧車などのアトラクションがあります。ショップやレストランもあるため、1日中遊べる充実度です。また、トイズスタジアムにはキャラクターのグッズも揃っており、お土産も豊富です。お子様の思い出作りに訪れてみてはいかがでしょうか。
大原美術館
倉敷美観地区の代表的な観光スポットである「大原美術館」。西洋美術を公開展示する日本初の私設美術館として1930年に設立されました。主な作品は本館のエル・グレゴの「受胎告知」、モネの「睡蓮」ゴーギャンの「芳しき大地」です。また、分館は近代日本の洋画と、日本の現代絵画、彫刻の常設館となっており、非常に見応えがあります。ギリシャ神殿のような外観にも惹かれてしまう「大原美術館」。一度訪れてみてはいかがでしょうか。
鷲羽山
山の形が鷲が羽を広げた姿に似ていることから名付けられた「鷲羽山」。瀬戸内国立公園内にある鷲羽山山頂付近の展望台は代表的な景勝地で国指定名勝にも指定。この展望台からは瀬戸内海、瀬戸大橋、四国、天気がよければ讃岐平野までみられる絶景スポットです。また、日本夕日百選にも選ばれており、夕日の名所としても知られています。大迫力の絶景と夕日のコラボレーションは岡山に来たら欠かせない景色の一つです。
ブラジリアンパーク 鷲羽山ハイランド
名物のサンバショーが毎日行われている「ブラジリアンパーク 鷲羽山ハイランド」。入園料だけで乗り物乗り放題で楽しめます。一番人気のアトラクションはスカイサイクリング。地上16mで漕ぐスカイサイクリングは瀬戸大橋、瀬戸内海を見下ろせるため、絶景が楽しめますが、スリルも抜群。二人乗りのため、カップルにもおすすめなアトラクションです。夏はスライダープール、冬はインラインスケートも楽しめます。絶景とスリルを味わいにぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
瀬戸大橋
1988年に開通した岡山県と香川県を直結する本州四国連絡橋の一つである「瀬戸大橋」。鉄道と道路の併用橋としては世界最大級で、全長9,368mもあり、海峡部に架かる吊り橋、斜張橋、トラス橋など6種類の橋梁が連なっています。児島観光港からは、「瀬戸大橋周遊観光船」が運行されており、45分間の瀬戸内海クルージングを楽しむことも。また、毎土曜日と特定の日には日没より橋がライトアップされるため、夜に訪れるのもおすすめです。
鬼ノ城
吉備津彦命の鬼退治の舞台とされている「鬼ノ城」。伝説によるとここが鬼の温羅の住処だとされています。鬼ノ城は、日本100名城の一つで、標高400mの鬼城山山頂にそびえる神籠石式山城です。大和朝廷によって国の防衛のために築かれたとされる古代山城ですが、歴史書には一切記されていないため、歴史は解明されていません。城跡に沿って全長2.8kmのウォーキングコースがあるため、こちらを散歩するのもおすすめです。
県北エリアのおすすめ観光スポット
「岡山城」、「岡山後楽園」、「倉敷美観地区」と岡山の有名な観光スポットは主に岡山県中心部に固まっていますが、少し離れた県北エリアにもおすすめの観光スポットがあります。その中から今回はメディアでも話題の雲海に浮かぶ城「備中松山城」、岡山を代表する紅葉スポット「奥津渓」を紹介します。
備中松山城
天守をもつ山城として最も高い標高430mに建つ「備中松山城」。山城の周辺には高さ10m以上の巨大な岩壁がそびえています。また、江戸時代から残る現存天守12城の一つで国の重要文化財です。雲海展望台からは雲海に浮かぶ備中松山城をみられるため、こちらも人気。9月中旬から4月上旬の明け方〜午前8時頃には雲海が発生し、中でも10月下旬から12月上旬の早朝には濃い朝霧が期待できます。一目見ようと早朝から多くの人がくる撮影スポットです。
奥津渓
岡山を代表する紅葉の名所「奥津渓」。約3kmに渡り、渓谷美と紅葉を楽しめます。紅葉のピークは11月で、地元ガイドと歩く「紅葉ウォーク」も人気です。また、10月下旬から11月にかけて行われる「奥津渓紅葉祭り」ではライトアップが行われるため、こちらも外せません。紅葉以外にも春はコブシ・シャクナゲ、夏は新緑、冬は雪景色を眺めながらウォーキングできるため、どんな季節でも堪能できます。
牛窓エリア
岡山県南東部に位置する海沿いの町「牛窓」。この海は「日本のエーゲ海」とも呼ばれています。牛窓は恋人たちのパワースポットとして知られる「黒島ヴィーナスロード」、瀬戸内海を見下ろせる「牛窓オリーブ園」とデートにも最適なスポットばかり。異国の情緒が溢れるノスタルジックな町並みをのんびり散策してみてはいかがでしょうか。
黒島ヴィーナスロード
瀬戸内市牛窓沖に浮かぶ黒島では干潮の時に約800mの砂の道が現れます。黒島、中ノ島、端ノ小島の三つの島が弓形に繋がるこの道は「ヴィーナスロード」と呼ばれ、人気の観光地の一つ。中でも「女神の心」と言われるハート型の石に2人で触れると恋愛が成就すると言われており、恋人のパワースポットとして知られています。本土からボートで10分ほど渡った場所にあり、渡れる日は「ホテルリマーニ」のHPで要確認です。
牛窓オリーブ園
10ヘクタールの広大な敷地に2,000本ものオリーブが栽培されている「牛窓オリーブ園」。9月ごろからオリーブの収穫体験イベントも開催されています。園内のオリーブショップではオリーブオイルやオリーブ化粧水などが販売。さらにこのオリーブショップから徒歩10分のオーマの丘では古代ローマ神殿を思わせる石柱があり、終始イタリアの気分を味わえます。屋上展望台からは明石海峡大橋、瀬戸大橋、源平の古戦場、屋島の景観が楽しめ、日本のエーゲ海の異名も。また、展望台のすぐ側の「幸福の鐘」は恋人の聖地としても知られ、3回鳴らすと幸せになると言われています。
犬島エリアのおすすめ観光スポット
瀬戸内海に浮かぶ岡山市唯一の有人島「犬島」。岡山県側からは宝伝港から船で10分で訪れられます。近年はアートの島として人気を集めており、銅の精錬所の遺構を保存、再生した「犬島精錬所美術館」、「日常の中の美しい風景や作品の向こうに広がる身近な自然を感じられるように」という願いが込められた「家プロジェクト」がおすすめスポット。島の豊かな自然とアートの融合を楽しんでみてはいかがでしょうか。
犬島精錬所美術館
犬島のシンボルとも言える「犬島精錬所美術館」は銅の精錬所の遺構を保存、再生した美術館です。この精錬所が実際に使われていた明治時代には、排出された煙で木々が枯れるなど有害な影響がありました。しかし、現在は「在るものを活かし、無いものを創る」というコンセプトのもと美術館として生まれ変わり、太陽や地熱などの自然エネルギーを利用して環境に負荷を与えない造りになっています。また、2007年には「地域と関わりを持ちながら我が国の銅生産を支えた瀬戸内の銅山の歩みを物語る近代化産業遺産群」として経済産業省の「近代化産業遺産」に選ばれました。ほかにも、カラミ煉瓦造りの工場跡や煙突が残っていたり、三島由紀夫が住んでいた旧宅の一部が使われたアートも展示されていたりと見所が豊富です。
家プロジェクト
犬島とアートが融合している「家プロジェクト」。「日常の中の美しい風景や作品の向こうに広がる身近な自然を感じられるように」という願いが込められています。建築の全てを手掛けるのは、日本の女性建築家で唯一、建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を受賞した「妹島和世」。5つのギャラリーと「石職人の家跡」で構成されており、様々なアーティストの作品が公開されています。犬島精錬所美術館と家プロジェクトの共通チケットが販売されているので合わせて購入するのがおすすめです。展示されているものは定期的に入れ替わるため、公式サイトで最新情報をチェックすることをおすすめします。
- 1