皆さんは蜃気楼(しんきろう)をご存知でしょうか?知っているという方も、海外でしか見られないのでは?というイメージをお持ちの方が多いかも知れません。実は日本にも蜃気楼を見られるスポットがあります。それが富山県の魚津市という町。魚津市は日本でも随一の蜃気楼観測スポット。蜃気楼を見るために、毎年多くの人が訪れます。ほかにも太古の森林が当時のまま残る「埋没林」をはじめ、新鮮な海の幸を使ったグルメ、温泉など見どころたっぷりの魚津市旅行のモデルコースをご紹介します。
富山県魚津市ってどんなところ?
富山県魚津市は、富山県の東部・富山湾に面する町です。富山駅からは電車で約30分でアクセスできます。町内には自転車で移動出来る範囲に景観、体験、グルメなどのコンテンツが集まっており、日本海の景色を眺めならがらサイクリングと観光をあわせて楽しめるのも特徴です。
他では見られない「三大奇観」が楽しめる町
魚津は「蜃気楼」、「埋没林」、「ホタルイカ」の3つの奇観を楽しめる町です。蜃気楼は例年3月下旬から6月上旬までが見頃。また埋没林は市内の「埋没林博物館」でいつでも見ることができます。海の波打ち際が青白く幻想的にきらめく光景を見せてくれる「ホタルイカ」も魚津を訪れたら楽しんでみたい景色の一つ。ホタルイカの発光も例年3月頃から6月頃に見られるため、魚津観光を楽しむなら3月から6月頃がおすすめです。
魚津ならではのグルメも見逃せない
魚津を訪れたらぜひ食べておきたいのが「浜焼き」と「バイ飯」。浜焼きは富山湾で穫れた新鮮な海の幸を贅沢に焼き上げていただけます。さらに食材はどれもリーズナブルで美味。選ぶ楽しみ、焼き上げる楽しみもあります。
一方「バイ飯」も外せません。魚津は古くから漁業が盛んな町。その中でも、バイ貝を獲る業者がまかないで食べていた漁師めしが、バイ貝を炊き込んだ「バイ飯」です。魚津で獲られる4種類のバイ貝の中から、ツバイ(通称:ダゴバイ)を殻ごと煮込み、旨みたっぷりの出汁の聞いた煮汁とともに炊き込まれていて美味。市内の飲食店でいただけます。
魚津観光のおすすめ観光コース
【1日目】10時30分
魚津駅を出発
旅の始まりは、あいの風とやま鉄道「魚津駅」から。駅周辺にレンタカーショップは無いため、ドライブを兼ねて楽しみたい場合は近隣の「黒部宇奈月温泉駅」や「富山駅」などでレンタカーを借りるのがオススメ。
また魚津観光は自転車でも十分に楽しめるため、魚津駅前にある「あいの風とやま鉄道魚津駅前観光案内所」にてレンタサイクルを借りるのもオススメです。
【1日目】11時00分
「しんきろうロード」で日本海の爽快な景色を楽しもう
天気のいい日に魚津を訪れるなら、まず訪れたいのが魚津市の海岸線沿いを南北に走る道路「しんきろうロード」。日本海の眺望を楽しみながらサイクリングやドライブを楽しめるスポットです。
【1日目】11時30分
「蜃気楼 展望の丘」で幻想的な風景を
魚津市は、日本で最も蜃気楼(しんきろう)が見られる蜃気楼の名所です。蜃気楼とは、大気中で光が屈折し虚像が見える現象で、気温や風などの条件が揃わなければ観測できない珍しい光景。蜃気楼は気温や風によって形を変えるため、同じ蜃気楼は二度と見られないとまでいわれています。
きれいに観測出来る場所は「魚津港」すぐ横の「蜃気楼 展望の丘」周辺。ベストシーズンは、毎年3月下旬から6月上旬にかけてとなっています。時間帯は午前11時頃から午後4時頃まで。気温が18度以上ある日で、朝と昼の気温差が大きい日に出現しやすいといわれています。
【1日目】13時00分
海の駅「蜃気楼」で浜焼きを堪能しよう!
蜃気楼鑑賞を楽しんだら、蜃気楼 展望の丘すぐ近くの海の駅「蜃気楼」で昼食を。
館内の「炭火海鮮 "浜焼きコーナー”」では新鮮な海の幸を浜焼きとして堪能できます(※冬期休業)。浜焼きコーナーは毎週土・日・祝日のみの営業なので訪れる際はご注意を。
オススメは旬の海鮮を盛り込んだ「浜焼きセット ごはん・味噌汁付き(2,100円)」。「真イカ(450円)」や「のど黒(620円)」など、「カニ甲羅みそ(470円)」など好きな食材を選んで焼けるのもポイントです。
炭は岩手山の高級品を使用しており、火力が強く火持ちが良いのが特徴。遠赤外線でじっくりと食材を焼いてくれて、外はこんがり、中はふっくらとした仕上がりになります。
【1日目】14時00分
2,000年前の太古の神秘にふれる。魚津埋没林博物館(ねっこランド)
旬の海鮮をめいっぱい楽しんだあとは、魚津市のもう一つの見どころ「埋没林」について学べる「魚津埋没林博物館」へ。埋没林とは、現在の地表よりも下に埋もれた林のこと。魚津の埋没林は約2,000年前に地中に埋もれたものといわれています。1955年に国の特別天然記念物に指定されており、分類的には化石と同じ分類にあたります。
埋没林は、その森林自体がまるごと地下に密閉されているため、木の株だけでなく種子や昆虫、花粉なども昔のまま残っているのだとか。2000年も昔の環境がまるごと残っている景色と考えるとロマンを感じますよね。館内では埋没林や蜃気楼について学べる展示をはじめ、発掘当時のままの埋没林が保存・展示されている「水中展示館」など見どころもさまざま。太古のロマンを楽しんでみてはいかがでしょうか。
魚津で人気のスイーツが楽しめるお店「KININAL(キニナル)」も見逃せない
魚津埋没林博物館の中には、地元の人達からも人気のカフェ「KININAL」も。店名は「木になる」と「気になる」のダブルミーニングなんだとか。名前に込められた意味の通り、木になるフルーツをふんだんに使ったスイーツが人気です。
展示されているフルーツたち。一見まるごとフルーツのように見えますが、実はすべて看板商品のホールフルーツケーキ。フルーツを割るとなかからは濃厚なクリームがあらわれます。ケーキには地元魚津産のフルーツを中心に、国内外さまざまなフルーツが使用されています。
【1日目】17時00分
宿泊先の金太郎温泉にチェックイン!温泉は日帰り入浴もOK
蜃気楼や埋没林、スイーツをめいっぱい楽しんだら宿泊先の「金太郎温泉」へ。客室は目的や予算に応じて選べ、露天風呂付きの客室も。客室に一歩足を踏み入れると、静かな空間が広がり、日常の喧騒から離れた癒しのひとときを過ごせます。
総面積800坪もある開放的な露天風呂が魅力の日帰り温泉「カルナの館」も併設。宿泊者は無料で利用できます。温泉は源泉100%かけ流しで、泉質は食塩泉と硫黄泉が混合した日本でも珍しい「含硫黄ーナトリウム・カルシウムー塩化物泉〔硫化水素型〕(高張性・中性・ 高温泉)」。日本庭園のような空間で手足を伸ばしてじっくりと旅の疲れを癒せます。
【2日目】8時00分
魚津の朝市
翌朝は、ちょっと早起きして海の駅 蜃気楼で開催されている「魚津の朝市」へ足を運んでみませんか?毎月第2・4日曜日に開催されているこの朝市には、魚津の新鮮な魚介類や農産品、地場産品が一堂に会します。
都会のスーパーなどで販売される値段よりも遥かにお得に新鮮な海産物が手に入るのも魅力のひとつ。季節によっても並ぶ品が違うので、訪れるたびに楽しめそうです。また、朝市では地元の生産者の方が対面販売をおこなうので、会話を楽しみながらお買い物を楽しむのも醍醐味。地元の方との交流も楽しんでみてはいかがでしょうか。
【2日目】10時00分
工房ヤマセン辻佛檀
大正2年創業の老舗佛壇店「工房ヤマセン辻佛檀店」では、職人さんから直接漆芸を教えてもらえる「漆芸体験」が楽しめます。
かぶれの心配がないように代用漆を用いているので、初心者でも安心して体験できるのがポイント。その他の、筆や金粉、銀粉などの道具はすべて本物の職人と同じものを使用するので、本格的な体験が楽しめます。
図案はあらかじめサンプルが用意されているので、不器用な方やデザインに自信がない方でも安心。職人になった気分で伝統工芸作りに没頭するひとときを過ごせます。
【2日目】11時30分
魚津丸食堂で海鮮ランチを
「暮らしの中にある魚津の食卓」をコンセプトとする「魚津丸食堂」は、魚津漁業組合がプロデュースするお店。コンセプトの表すとおり、地元の人々が実際に暮らしの中で食べているご飯を楽しめます。
スタッフが実際に市場に足を運んで仕入れている富山湾産の食材を使ったご飯はどれも美味。バイ貝がたっぷりはいったバイ飯定食は魚津らしさを感じられる一品なので、ぜひご賞味いただきたいところ。他にも季節限定メニューや「お刺身定食(1,000円)」、「フライ定食(850円)」など、素朴だけどどこか温かい気持ちにさせてくれる美味しいメニューが並びます。
【2日目】13時00分
魚津水族館
現存する日本の水族館として最も歴史の長い水族館「魚津水族館」。なんと初代は大正2年に創立なんだとか。館内はベビーカーの無料貸出などもあり、小さな子ども連れでも安心して楽しめるようになっています。
館内の展示は「北アルプスの渓流から日本海の深海まで」「日本海を科学する」を基本テーマとしており、富山県に根付いた水生生物たちのありのままの姿を観察できます。可愛いアザラシやペンギンはいつでも見られるほか、ヤドカリやヒトデなど海の生き物とふれあえる「ふれあい水槽」なども。ほかにもウミガメ、ホタルイカをはじめとする発光生物、富山湾で最もポピュラーなサメであるドチザメなども展示。富山らしさいっぱいの展示を楽しめます。
そのほか、魚津観光で訪れたいおすすめスポット
ミラージュランド
「ミラージュランド」は、日本海側最大級の観覧車を持つ遊園地。入園料無料なので、気軽に訪れられるスポットです。園内にはアトラクションの他に、プールやバーベキュー広場などもあるので、夏の行楽にもオススメ。冬期は休業するので、おでかけ前に営業情報を確認しましょう。
たてもん祭り
「じゃんとこい魚津まつり」の一環として開催される「たてもん祭り」。「たてもん」とは、高さ約16mの大柱に約90の灯籠を三角形に吊るし下げ、総重量約5トンもあるそり台にたて、80人ほどの人々によって威勢よく曳きまわす船型の万燈のこと。迫力満点の風景と活気を楽しめます。開催は毎年8月第1金・土曜日の夜。魚津の夏夜の風物詩として親しまれています。
諏訪神社
たてもん祭りが開催される「諏訪神社」は、「蜃気楼の見える神社」としても知られる神社です。起源は701年(大宝元年)に諏訪大社から分霊を祀ったのがはじまりとされています。鳥居越しには富山湾が眺められ、時期によってはここから蜃気楼を眺めることも。
辻わくわくランド
魚津で気軽に入浴を楽しめる日帰り入浴施設「辻わくわくランド」。館内には大風呂や高濃度炭酸泉、木風呂、日替わり湯、ヒノキのサウナ、水風呂などがあり、旅の途中に立ち寄って汗を流すのにもピッタリです。
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魚津城跡
本能寺の変が起きた1582年(天正10年)、織田信長と上杉軍による壮絶な戦いの舞台となった「魚津城」。その跡地が「魚津城跡」です。織田方による総攻撃を受け、魚津城の人々はみな壮絶な討死・切腹を遂げたとされています。その後本能寺の変が起こり、織田軍は撤退したものの、加賀藩の支配下となった魚津城はそのまま廃城に。現在は石碑が残っているのみですが、歴史の転換点となったスポットです。大河ドラマ「天地人」ゆかりの地としても注目を集めています。
魚津神社
702年(大宝2年)創建の「魚津神社」は、魚津町の発祥とほぼ同時期に建てられた神社です。戦火による廃社や再建、増築、合併合祀を経て、昭和40年に新社殿が再建。現在の神紋「五つ巴紋(ともえもん)」は、再建によって五社を合併したことを表すもので、魚津神社独自のものとなっています。
花の森・天神山ガーデン
広大な敷地に、牡丹250品種・1,300株、芍薬120品種・シャクナゲ1,200株があり、年間を通して草花を楽しめるスポット「花の森・天神山ガーデン」。ほかにも市の管理している桜の園もあり、季節に応じた花々を愛でながらのんびりと過ごす事ができます。休憩所も完備されているので、お弁当片手にピクニックを楽しむのにもピッタリです。
東山円筒分水槽
東山地区の天神野用水・青柳用水・東山用水の3つの用水に公平に水を分配するための円筒分水漕「東山円筒分水槽」。直径9m12cmの水槽から大量の水が溢れ出て、3つの水路へ流れていく光景は圧巻。近年ではパワースポットとしても人気を集めています。また「日本一美しい円筒分水」とも評されており、円筒から溢れる水の落差がこれだけあるものは珍しいのだとか。魚津を訪れた際にはぜひ一度立ち寄ってみては。
蜃気楼とあわせて魚津の魅力を体験できるツアーも開発中!
魚津市では蜃気楼とあわせて釣りやサイクリングを楽しめるツアーを開発中です。
蜃気楼を待つ間にガイド付きサイクリングで町の魅力を探検したり、釣りを楽しんだりできる「JOY蜃気楼」や、観測地点でガイドの解説を聞きながら望遠レンズの取り付けられたカメラを覗いたり、スイーツを楽しんだりできる「おもてなし蜃気楼」の2ツアーが検討されていますのでお楽しみに!
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