京都府の文珠山の山上にある「天橋立ビューランド」は、日本三景のひとつに数えられる天橋立を南側から一望できる展望台。ここから股のぞきで望む天橋立が、天に舞う龍の如く見えることから地元では「飛龍観」と呼ばれています。
展望台では、サイクルカーや観覧車に乗りながらでも天橋立を眺められるので、いろいろな角度からその美しさを堪能してください。園内には、数多くの遊具や遊技施設があるので、ファミリー向けの観光にぴったり。自然や景観と一体となって、ゆっくりと楽しめるような施設情報を紹介しましょう。
天橋立ビューランドとは?
陸前の松島、安芸の宮島と並んで日本三景に挙げられる丹後の天橋立は、宮津湾と阿蘇海を南北に隔てて伸びる3.6㎞の湾口砂州です。昔から展望台より股のぞきをすると、写真のように龍が天に舞い上がるように見えることから、天橋立の股のぞきは人気を集めていました。かつては対岸の傘松公園からの眺めだけでしたが、1970年に文珠山に天橋立ビューランドがオープン。南側からも股のぞきが楽しめる天橋立ビューランドは、京都丹後鉄道天橋立駅から近いことと、園内に多くの遊技施設があるため、今では天橋立観光のメインスポットです。山上まで登って天橋立の絶景を楽しむ人が絶えません。
日本三景のひとつに数えられる絶景スポット
日本三景という発想をしたのは、江戸前期の儒官・林春斎。寛永20年(1643)に天橋立を松島や宮島とともに「三処奇観たり」と述べたことが始まりだとか。その後、儒学者の貝原益軒がこの地を旅して記録した「己巳旅行」の中に日本三景なる言葉が登場します。天橋立は、宮津湾と内海の阿蘇海に横たわる約3.6㎞に及ぶ砂嘴が造り上げた神秘の造形。6000年ぐらい前に海面が上昇し、野田川から流れ出た砂粒と外海から流れ来た砂粒がぶつかり合ってできたと考えられています。
高台から天橋立を眺められるのは、天橋立ビューランドと傘松公園、天橋立雪舟展望休憩所の3ヵ所。そのうち天橋立ビューランドは、文珠山山頂にあって南側から一望できる展望所です。
モノレール山頂駅で降りたら左側には股のぞきをする台がいくつか並んでいます。ここから股の下を通して見える景色が、天橋立観光の醍醐味です。
飛龍観・股のぞきが人気
天橋立ビューランドには、股のぞきができる台が7つ。見る場所によって少しずつ景色が異なるため、いくつか股のぞきを体験したいものです。砂嘴には約8000本の黒松が茂り、その緑色と海・空の青色のコントラストが見事。股のぞきして眺めると、天地が逆転したように見え、龍が天に舞い上がる姿に映ります。地元ではそれをたとえて“飛龍観”と呼ぶようになりました。ちなみに対岸にある傘松公園から股のぞきをすると、昇り龍に見えることで“昇龍観”と呼びます。
股の間にカメラやスマホをかざし、飛龍の様を写真におさめる人が沢山います。
天橋立ビューランドを徹底レポート!
股のぞきだけではなく、「龍」の体駆を彷彿とさせる飛龍観回廊では爽快感溢れる360度のパノラマ風景が楽しめます。サイクルカーや観覧車に乗って眺める景色もまた、天橋立ビューランドが誇る絶景です。ほかにも園内にはSL弁慶号やゴーカート、アーチェリーといった子どもが楽しめるアトラクションが設置されており、ファミリーでたっぷり遊べる絶景スポットとして評判です。
股のぞき台より高い位置から天橋立を眺めたいときは、飛龍観回廊やサイクルカー、観覧車を利用するのがおすすめです。角度によって見え方が異なるので、園内のいろいろなスポットから眺めてみましょう。
モノレールかリフトで山上まで楽々移動!
山上までは、モノレールかリフトを利用して上がります。モノレールの場合、山麓駅の発車時間は毎時0分、20分、40分。帰りの山頂駅からは毎時10分、30分、50分の発車となっています。リフトは順次流れているため、混雑時でなければ待ち時間はなし。急いでいる方はリフトを利用するのが最適です。特にこだわりがないときは、乗り場のスタッフがおすすめしていた「上りはモノレール、下りはリフト」で、どちらも体験してはいかがでしょう。
モノレールは定員40名ですが、現在はコロナ禍のため常に半数に制限しています。ペット同伴の場合は、抱っこでリフトを利用しましょう。
モノレールで天橋立ビューランドへ
山麓駅を出発して、海抜130mに位置する天橋立ビューランドに到着するまでの時間は約8分。初めは林の中から町が見える程度ですが、乗車して4分ぐらい経つと視界が一気に開け、天橋立がきれいに見えるにようになります。ゆっくり進むモノレールの車窓に、徐々に天橋立の姿が映し出される様子にきっとワクワクするはずです。
ちなみに景色を楽しみたい方は、進行方向と逆(北側)の窓際に陣取るのがおすすめ!できれば左側に立つと阿蘇海の広さもわかり、天橋立がよりくっきり浮かび上がって見えます。モノレールは先着順に乗車するためタイミング次第ですが、チャンスがあればしっかり確保しましょう。