北海道の北東部、オホーツク海に突き出した「知床半島」。世界自然遺産に登録された雄大な自然が広がる知床は、一年を通じてさまざまな自然体験ができ、特に冬は、流氷や雪景色が織り成す神秘的な景色に出会えます。今回は、冬の知床を楽しみ尽くすアクティブなコースをご案内します!
雄大な自然に心高ぶる「知床国立公園」とは?
北海道の北東部に位置する「知床国立公園」は、斜里町と羅臼町にまたがる日本最東北端の国立公園です。火山が生んだ山々と海岸断崖が織りなす雄大な景観が特徴で、「流氷がもたらす海の恵み」「サケ類がのぼる川が結ぶ海と陸とのつながり」「海・川・森が支える貴重な野生生物」の3つが評価され、2005年7月には世界自然遺産に登録されました。
冬の知床国立公園は厳しい自然の中に美しい景色がいっぱい
冬の知床といえば、はるばるロシアのシベリア沿岸から流れ着く流氷が有名。1月下旬ごろに知床半島に接岸し、オホーツク海を満たしていきます。2月~3月末ごろまでは、ウトロでは流氷の上を歩く自然体験ツアーをはじめ、羅臼では流氷クルーズも開催。流氷とともにオオワシやオジロワシ、ゴマフアザラシなども観察できます。
高さ100mの断崖からオホーツク海へと流れ落ちる「フレペの滝」は、真冬は凍り付いて淡いブルーの氷瀑に変身。スノーシューを履いて展望台まで歩く散策ツアーも冬ならではの体験です。
冬の知床へのアクセス方法と注意点
東京から知床へのアクセスは、羽田空港から女満別空港への直行便を利用するのが便利。フライト時間は約1時間45分で、女満別空港から知床(斜里町ウトロ)までは路線バス「知床エアポートライナー」で約2時間、レンタカーの場合は約1時間半でアクセスできます。なお、11月~4月は、斜里町ウトロと羅臼町を結ぶ知床横断道路が通行止めになり、路線バスも運休しているため、出発前にしっかり計画を練りましょう。
自然の神秘にふれる、冬の知床モデルコース
冬の知床でしかできない自然体験は、ファミリーで参加できるガイドツアーも多く、レンタル品も充実しているのでアウトドア初心者でも安心して参加できるのが魅力。今回は、冬の知床を1泊2日で楽しむ、ファミリーにおすすめのモデルコースをご紹介します!
到着したらまずステーキ&海鮮丼ランチ!
旅の始まりはまずランチから。女満別空港から知床に向かう途中の網走にある「ホワイトハウス」は、ステーキと海鮮丼のセットが名物の洋食レストランです。おすすめは、湧別町の新鮮なホタテと、ウニ、イクラを盛り込んだ海鮮丼が楽しめる「ビーフとミックス丼(みそ汁付き)」1,780円。ステーキも鉄板で焼く本格派で、ボリュームも満点です!
家族3人分のステーキと海鮮丼がテーブルに運ばれると、思わず歓声が上がる豪華さ。ホタテも甘くてプリプリで、おいしい笑顔がこぼれます。
オホーツク流氷館で本物の流氷とご対面!
ランチを満喫したあとは、「ホワイトハウス」から車で約10分の「オホーツク流氷館」へ。流氷とオホーツク海の生き物について楽しく学べる体験型の施設です。フォトスポットも多く、入口ではさっそく巨大な流氷の写真がお出迎え。
流氷をイメージした神秘的な階段を降りると、いよいよ流氷体験が始まります。
まず見学したいのが「流氷体感テラス」。マイナス15℃の室内に本物の流氷が100トンも展示されていて、冷凍庫の中のようにひんやり! 濡れたタオルを振り回すと、あっという間に凍ってしまいました。
流氷の上を歩くキタキツネは、冬のオホーツク海ではおなじみの光景。流氷にふれることもできて、臨場感が味わえます。
北海道最大級のプロジェクションマッピングも見どころ。オオワシの飛行シーンやアザラシの楽しい映像など、次々に映像が変化して迫力も満点!
オホーツク海の生き物コーナーでは、初めて見る不思議な魚たちに興味津々。“北の海のアイドル”と呼ばれるフウセンウオも見学できます。
元気に泳ぐクリオネの姿も。流氷が運んできたプランクトンのおかげで、オホーツク海には珍しい生物やおいしい海産物が豊富なことを学びました。
見学後は、名物の「流氷ソフトクリーム」350円もチェック。ジェラートの国際大会で優勝したジェラート専門店「Rimo」の店主が監修した一品で、オホーツク海の青い塩を使った塩キャラメル味がクセになります。
知床の自然を楽しく学べる知床世界遺産センター
知床に到着したらまず立ち寄りたいのが「知床世界遺産センター」。知床の自然の素晴らしさが分かったり、自然の中での守るべきマナーを学んだりすることができます。また、知床世界遺産の見どころも紹介しているので、散策の前に立ち寄るのがおすすめです。
館内には、ヒグマやシャチなど知床に棲む動物の写真を実物大で展示。自分の身長と比較すると、興味が深まることでしょう。
オオワシの実物大のぬいぐるみは、3人がかりで持つのがやっと。翼を広げると2m以上にもなり、飛んでいる姿を想像するだけでワクワクします。
※新型コロナウイルス感染症対策のため、現在は常設での展示は中止しております。ご覧になりたい方は職員にお声かけください。
知床の自然を知り尽くしたスタッフが常駐していて、自然や野生動物に関するリアルタイムの情報を収集できるのも魅力。道の駅「うとろ・シリエトク」に隣接しているので、旅の拠点としておさえておきたいスポットです。
オホーツク海に面した絶景ホテルにステイ
今回の旅では、知床国立公園の玄関口にある「北こぶし知床 ホテル&リゾート」に宿泊。ウトロ温泉で唯一、海辺に立つ絶景のリゾートホテルです。客室は13タイプあり、今回宿泊したのは「オホーツク倶楽部・露天風呂付デラックスツイン」。エキストラベッドを入れても、まだまだ余裕のある広さには驚きです!
テラスに備えられた特別感あふれるオーシャンビューの天然温泉露天風呂。目の前に広がる美しい景色と温泉の心地良さで、心も体もリラックスできます。
客室のテラスはオホーツク海を一望する絶景がほしいまま! 厳冬期には、海一面を覆う流氷を眺められるのが魅力です。
ウトロ港に面した1Fの「流氷テラス」も海を眺める特等席。焚き火を囲んでくつろいだり、夜はライトアップした流氷を眺めたり、贅沢なひとときを満喫できます。
「流氷テラス」には源泉かけ流しの足湯も用意。景色を眺めながら浸かっていると足先からじんわり温まってきて、冬でも心地よく過ごせます。
お待ちかねの夕食は「テラスダイニング波音」の知床ブッフェ。知床の食材をふんだんに使った料理が約50品並び、お刺身やカニ汁など、北海道ならではの海の幸は圧巻の品ぞろえです。ライブキッチンでは、目の前で削ぐラクレットチーズや注文を受けてから茹でるパスタを提供していて、できたてを味わえます。
カニの身がゴロゴロ入った贅沢なカニ汁やサケのタタキ、スープカレーなど、北海道グルメが勢ぞろい。スイーツやフルーツは部屋にお持ち帰りもできて、至れり尽くせりです。
食後は、客室の露天風呂でやさしい肌ざわりの温泉を心ゆくまで。翌朝は、オホーツク海を望む展望大浴場で湯浴みを楽しめば、気持ちも晴れやかに一日を始められそうです。