青森・岩手・秋田の東北3県にまたがり、山岳や渓谷、湖沼など豊かな自然を有する「十和田八幡平国立公園」。なかでも八幡平エリアは、秋田駒ヶ岳や八幡平、岩手山といった登山者に人気の山とそれらをつなぐトレイルが有名で、冬はスノーシューやバックカントリースキーで見学できるツアーも人気です。ほかにも見どころが多いエリアですが、今回は国立公園内に位置する秋田県の秘湯「乳頭温泉郷」に泊まって、雪あそびを満喫する冬のプランをご紹介します!
東北3県にまたがる十和田八幡平公園とは?
「十和田八幡平国立公園」は本州北部の山岳地帯にあり、十和田・八甲田エリアと八幡平エリアで構成される、山と湖と渓流の公園です。
八幡平エリアは、火山地帯にあるため多くの良質な温泉が点在。十和田・八甲田エリアは、神秘的な美しさを誇る十和田湖や奥入瀬渓流、樹氷で有名な八甲田山などから成り、四季を通じて変化に富んだ景色を楽しめます。
十和田八幡平国立公園は日本屈指の温泉天国!
「十和田八幡平国立公園」には、青森・岩手・秋田合わせて20カ所以上の温泉があり、湯治場としても有名な名湯が揃います。なかでも、秋田県の「乳頭温泉郷」は日本屈指の秘湯で、ブナ林に囲まれた山間に7つの温泉が点在しています。それぞれ自家源泉を持ち、泉質も多種多様なので、湯めぐりを楽しむのもおすすめ。冬の雪見風呂も人気で、美しい雪景色を見ながら風情あふれる湯浴みを堪能できます。
冬の乳頭温泉郷へのアクセス方法と注意点
東京から乳頭温泉郷へのアクセスは、新幹線を利用するのが便利。乳頭温泉郷の最寄り駅である田沢湖駅までは、東京駅から秋田新幹線で約2時間50分。田沢湖駅から乳頭温泉郷までは路線バスで約50分。乳頭温泉郷内は循環バス「湯めぐり号」が運行していて、妙乃湯・大釜温泉・蟹場温泉・休暇村乳頭温泉郷・鶴の湯温泉・黒湯温泉・孫六温泉の7つの温泉を周遊できます。すべての温泉に入浴できて1年間有効の「湯めぐり帖(1,800円、宿泊者限定 )」または、日帰り向けの「湯めぐりマップ(600円)を購入すると、乗り降り自由で利用できるのがうれしいポイント。ただし、黒湯・孫六温泉は、11月下旬から4月上旬まで道路が閉鎖されるため、冬季は休業してしまうので注意してください。
雪遊びと秘湯に癒やされる、冬の乳頭温泉郷モデルコース
「十和田八幡平国立公園」にある乳頭温泉郷は雪深い地域で、冬になると雪見風呂やスノーアクティビティーが楽しめるのが魅力。冬にしか出会えない絶景や感動体験が待っています。1泊2日で秘湯と雪あそびを満喫する、よくばりなおとな旅へ出かけましょう!
到着したらまず田沢湖の絶景を堪能
田沢湖駅に到着後、国立公園に行く前に立ち寄りたいのが「田沢湖」です。周囲約20km、水深423.4mのほぼ円形の湖で、日本一の深さを誇ります。瑠璃色の湖面は息を飲む美しさで、水面に映る山々の景色も見どころです。また、「田沢湖」は伝説の美少女「たつこ姫伝説」の地でもあり、金色に輝く「たつこ像」がフォトスポットとして注目されています。
乳頭温泉郷でランチ&湯めぐり
絶景を満喫したら、路線バスに揺られて「乳頭温泉郷」へ。湯めぐりの前に、料理に定評がある温泉宿「妙乃湯」でランチを味わいます。
一番人気は「きのこ汁御膳(2,750円)」。秋に収穫したサワモダシなど天然のきのこがたっぷり入ったきのこ汁をはじめ、紅マスのお造りや鮎の塩焼き、あきたこまちのごはんなど、秋田の美食を堪能できます。
食後はお楽しみの湯めぐり!「妙乃湯」には「金の湯」「銀の湯」という2つの源泉があり、7つの湯船で温泉が楽しめます。「金の湯」は鉄分や硫黄が含まれている酸性の温泉で、さっぱりした肌ざわりが特徴です。一方、「銀の湯」は無色透明のとろんとした優しい温泉で、体を温める効果が高いのが特徴。混浴露天風呂は渓流を望む絶好のロケーションで、開放感が抜群です。
湯めぐり帖を片手にのんびり秘湯めぐり
「妙乃湯」で購入した湯めぐり帖を持って湯めぐりスタート!乳頭温泉郷にある7つの温泉に入浴でき、温泉郷内を周遊する循環バス「湯めぐり号」も乗り降り自由なので、旅の最初に手に入れるのがおすすめです。
湯めぐり2軒目は、「妙乃湯」から歩いて2分の「大釜温泉」へ。取り壊される予定だった小学校校舎を移築したノスタルジックな宿で、館内もどこか懐かしい雰囲気が漂います。
男女別の大浴場には内湯と露天風呂を用意。温度が高めの「あつ湯」と人肌に近い「ぬる湯」があり、交互に入ると体の芯から温まります。
憧れの秘湯「鶴の湯温泉」に宿泊
湯めぐり3軒目は、今夜の宿でもある「鶴の湯温泉」。乳頭温泉郷の中でもっとも古い歴史を持ち、秋田藩主の湯治場だった由緒ある温泉宿です。
明治初期に建てられた茅葺きの長屋「本陣」の客室は、囲炉裏付きで風情たっぷり。タイムスリップしたような気分で過ごせます。
「鶴の湯温泉」には4つの源泉があり、それぞれ効能と泉質が異なるのも人気の理由です。浴場は、源泉名を付けた「白湯」「黒湯」「中の湯」「滝の湯」と、女性専用露天風呂、宿泊者専用の2つの内風呂、混浴露天風呂「鶴の湯」の8つあり、24時間入浴できるのも魅力。混浴露天風呂の入り口は男女別になっていて、目隠しのある通路から露天風呂に入れます。
「本陣」に泊まると、客室の囲炉裏を使った夕食でおもてなし。名物の「山の芋鍋」をはじめ、岩魚の塩焼きや秋田の郷土料理が並ぶお膳が楽しめます。
囲炉裏を囲みながらの食事は秘湯情緒満点。味噌仕立ての鍋が体の中から温めてくれます。料理と一緒に、ブナ酵母を使ったクラフトビール「秘湯ビール」もぜひ味わいたい名物です。
食後は再び温泉へ。夜の建物も幻想的で、露天風呂では満天の星を眺めながら湯浴みを堪能できます。