自然探勝路の開祖「遠藤現夢翁の碑」
青沼を過ぎて道なりに歩いていると、磐梯朝日国立公園の開祖として知られる遠藤現夢翁の碑へ向かう分岐が現れます。
沼があるわけではないので素通りされる方が多いかもしれませんが、氏の存在なくして自然探勝路の歴史は語れません。
氏は1888年に起こった磐梯山噴火当時から、私財を投げうって火山灰や岩石に覆われた土地に赤松を植樹し、現在の森林風景の基礎を築いたとされる偉人。
碑は自然探勝路のコースから約350m奥と少し遠いですが、氏の偉業を称え、そして感謝を伝えに足を運んでみるのもおすすめです。
秋から冬の期間に楽しめる五色沼の魅力
五色沼の「自然探勝路」は通年開放されているので、四季折々の魅力を満喫できます。ここからは、景色変化が顕著な秋から冬にかけての五色沼をご紹介。
五色沼の秋は、周囲の木々が色づく10月初旬頃から始まります。見頃は例年10月中旬から下旬で、赤色・黄色・オレンジといった秋深い色が見事に重なり合います。
水面にも美しい紅葉が写り込み、辺り一面が錦秋の絶景に染まります。
紅葉が終わる11月下旬から12月頃にかけては雪が降り始め、冬に突入。山や沼周辺の木々が美しく雪化粧される姿が見られ、沼によっては凍っている様子も観察できます。
同じ青沼でも季節によってこんなにも表情を変えるなんて驚き。季節の移ろいを感じに何度も訪れたいものですね。
雨の日でも楽しめる五色沼の魅力
1年の中でも7月と8月は降水量が多いとされている五色沼。夏休み期間中に訪問を計画されている方は、もしかしたら雨の日に当たる確率が高いかもしれません。
ということで、雨の日の五色沼の魅力についても見ていきましょう。
晴れの日は観光客で活気に溢れる五色沼ですが、雨の日は人が少ない分、静寂に包まれます。風に揺れる木の葉の音や雨粒が水面にあたる音、カエルの合唱といった自然の音が普段よりも聞こえやすくなります。
雨の日だからこそ楽しめる風景と音を堪能すれば、散策がより素敵な時間になるでしょう。周りの木々やコケ類も、雨に濡れることで一層みずみずしく艶やかな姿に。視界はどうしても悪くなってしまいますが、霧に包まれた幻想的な雰囲気を楽しめるようになります。ただし、雨で地面がぬかるんで滑りやすくなりますので、足元には要注意。くれぐれも無理はしないようにしましょう。
判断に悩む場合は、裏磐梯ビジターセンターや裏磐梯観光協会で天候を確認したり、レンタル品を借りたりするのも一つの手です。