「人と自然と響き合う」を企業メッセージに掲げるサントリーが、文化活動の一環として手掛ける『サントリー美術館』。11人の学芸員による、趣向を凝らした企画展示で知られる美術館の魅力を徹底取材しました。
サントリー美術館とは?
赤坂の東京ミッドタウンにあるサントリー美術館。1961年に東京・丸の内に初代美術館を開館以来、1975年の赤坂見附への移転を経て2007年、現在の所在地で再オープン。2020年7月にはリニューアル・オープンして現在に至ります。
開館当時より“生活の中の美”を基本理念に、六本木に移転して以降は“美を結ぶ。美をひらく。”をミュージアムメッセージに掲げ、絵画や陶磁器はもちろん、漆工や染織など日本の古美術から東西のガラスまで幅広く収集しています。
国宝・重要文化財など約3000件を収蔵
収蔵品には国宝の『浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえ てばこ)』や、重要文化財『泰西王侯騎馬図屏風』(写真上)なども含み、総数約3000件というコレクションを擁しています。
隈研吾氏がデザインする『都市の居間』
建築デザインは、東京ミッドタウン ガーデンサイドの設計も手掛けた隈研吾氏によるもの。『都市の居間』を目指し、外観はシックな白磁の格子で構成され、木材や和紙を多用した内観とともに“和モダン”を基調とする柔らかさと安らぎを感じる、まさに都市に暮らす人々の居間として愛されています。
印象的なシンボルマークは、漢字の「美」から変化したひらがなの「み」をモチーフにしたもの。サントリー美術館所蔵の『浄瑠璃物語絵巻』に描かれた文字をもとに、書家の石川九楊氏が監修を、葛西薫氏とナガクラトモヒコ氏がアートディレクションを担当して生み出されました。