和菓子5 おはぎの名店
おはぎの由来は植物の「萩の花」。外側を包む粒あんが咲き乱れる萩の花に見えたことから、平安時代の言葉づかいの影響で「”お”はぎ」と呼ばれるようになりました。
現在もお彼岸のお供えものとして、毎年秋ごろになるとスーパーなどで見かけますが、ぜひ一度和菓子専門店のおはぎを食べてみてはいかがでしょうか?シンプルながらも奥深い味わいの和菓子です。
【1】大人気!青じそ入りの爽やかなおはぎ「仙太郎」
京都に本店を構える「仙太郎」の看板商品であるおはぎもち米生地には、なんと青じそが入っています。口の中であんこと青じそが混ざり合う時に感じる、爽やかな味わいが大きな特徴。「大丸」や「三越」、「伊勢丹」などの有名百貨店にも卸されているので、ぜひチェックしてみてくださいね。
【2】芸術的で話題沸騰中の和菓子「タケノとおはぎ」
曲げわっぱに入った芸術的なおはぎを作っているのが、桜新町に店舗を構えている「タケノとおはぎ」。粒あんやこしあんなどので定番なラインナップの他に、白こし餡にドライアプリコットと洋梨ピューレを練り込んだ「アプリコットキャンディ」や「ココナッツとレモンピール」、「ほうじ茶とたくあんの醤油漬け」などの変わり種おはぎを楽しめます。
和菓子6. 羊羹(ようかん)の名店
ようかんを漢字で書くと「羊(ひつじ)」+「羹(あつもの)」。実はもともと中国の点心のひとつで、羊肉を使った汁物のことを指していたのだとか。ですが当時の日本には羊の肉を食べる文化がなく、小豆を使って見た目がそっくりなものを作ったのが始まりといわれています。
今となっては水ようかん、練りようかん、蒸しようかんといった作り方の違いの他に、全国に「◯◯ようかん」が存在します。例を挙げると北海道では「昆布ようかん」、愛知県の「上り(あがり)ようかん」など。今回は老舗のようかんから、デザイン性の高い最新ようかんまでピックアップします。
【1】「とらや」のようかんは認知度も味もピカイチ
ようかんと言えば「とらや」。長い歴史を持つ老舗和菓子屋ですが、つねに進化を重ねているんです。例えば、小形羊羹(こがたようかん)の詰め合わせには代表的な「夜の梅」、沖縄の黒砂糖を使った「おもかげ」、抹茶が香る「新緑」、コクを生かした「はちみつ」、茶葉の香りを感じられる「紅茶」が入っています。1つ1つ風味や後味が異なり、ようかんの奥深さを感じられます。
【2】お酒のおつまみとしても人気の「長門」の羊羹
日本橋にお店を構える「長門」。小豆の風味を生かした「切羊羹」は甘さが控えめでさっぱりとした味は、お酒のおつまみとしても愛されており、人気のため夕方には完売になってしまう日もあります。あらかじめカットされており、すぐに食べられるのも嬉しいポイント。
また、「長門」で最も長く日持ちをする「練りようかん」は賞味期限が6ヶ月で、小豆、柚子、抹茶、黒糖の4種の味が揃っています。蒸しようかんと練りようかんの違いを確かめてみるのも良いですね。
【3】絵柄が出てくる水ようかん「会津長門屋」
福島県会津若松市にお店を構える「会津長門屋」。こちらで作っている水ようかん「羊羹ファンタジア」は、伝統の味わいを生かしながらもインパクト抜群なお菓子です。切るたびに三日月から満月へと、鳥が羽ばたいていく様子をストーリーのように楽しめます。
断面を見てみると、その繊細さにびっくり!シャンパンのような寒天「錦玉羹(きんぎょくかん)」を小豆のようかんでサンドしていたり、鳥と月は「レモンようかん」で表現していたり、上にはクランベリーやレーズンなどがトッピングされていたりと、まるで芸術作品のよう。和菓子の繊細さを上手く生かした、まったく新しいようかんを楽しんでみてはいかがでしょうか?
和菓子7. ねりきりの名店
ねりきりは季節の色や風物詩をお菓子で表現するもの。色付けしたり、形どったり、線をつけたり…いろいろな道具や技術を駆使して、美しく仕上げています。
そんな見た目も味も繊細なねりきりは賞味期限が非常に短く配達に向いていないため、オンラインショップで買えるものがほとんどありません。事前に調達するというのはあまり向いていないですが、旅行などの際にぜひ立ち寄ってみてくださいね。
【1】心がほっこりする和菓子「いろがみ」
麻布十番にお店を構える「和菓子いろがみ」では、公式Instagramで季節のねりきりを随時投稿しています。お店には、季節折々の色使いや素材の味わいをふんだんに楽しめる上生菓子がずらりと並んでいて、そのクオリティの高さに驚かされます。
【2】イベントに沿ったねりきりが登場「御菓子司 塩野」
「御菓子司 塩野」では毎月約10種類のお菓子を作っていて、見惚れてしまうほどの美しいビジュアルと心が落ち着く優しい味わいが魅力です。ハロウィンやクリスマスなど、季節イベントに沿った商品を多数展開。植物を表現する繊細さだけなく、キャラクターの明るさがプラスされたユニークな商品も楽しめますよ。
【3】1882年創業の京都の老舗店「塩芳軒」
二十四節気ごとに異なる和菓子を考案している「塩芳軒」。京都の和菓子屋といえばここ、と言っても過言ではないくらい人気のあるお店です。春夏秋冬をさらに分けて、それぞれのシーズンカラーや「古今集」の句からイメージされる和菓子を1年間で24種類も作っています。
生菓子は難しいですが、蒸し菓子はオンラインで購入できるので、自宅でこの美しさに触れたい方はぜひご利用ください。
和菓子で日本の味覚を楽しもう
今回は和菓子の歴史や意味、おすすめ商品をご紹介しました。一概に和菓子といっても非常に奥が深く、様々な種類があります。また、古くからあるイメージが強いかもしれませんが、最近オープンしたばかりの進化系和菓子を楽しめるお店も登場しています。定番の老舗はもちろん、ぜひ令和の和菓子もチェックしてみてくださいね。