二千年以上もの歴史を有する伊勢神宮をはじめ、約850種の植物が息吹く神宮宮域林や、さまざまな形の島々や入り江が海岸線をつくる英虞湾など、名所旧跡と美しい海岸景観めぐりの楽しみ尽きない「伊勢志摩国立公園」。単に観光だけではなく、雄大な大自然をフィールドにしたさまざまなアクティビティを目的に訪れる人も少なくありません。なかでも伊勢の海女文化に触れられる海女漁ツアーなどは、ほかではなかなか味わえない経験ができると人気です。
今回はそんな貴重な文化体験を含め、1泊2日の家族旅行をテーマに「伊勢志摩国立公園」の魅力をたっぷりご紹介します。お出かけの際の参考にして、「遊び」と「学び」にあふれるひとときを満喫してください!
自然と人の関わりを感じさせてくれる「伊勢志摩国立公園」とは?
三重県中央部にある志摩半島とその周囲に広がる、約6万ヘクタールもの広大な国立公園。伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町にまたがる地域が、1946(昭和21)年に国立公園として指定されました。大きく分けると伊勢神宮の神宮林をはじめとした豊かな森林環境をもつ内陸エリアと、無数の入り江と岬が連なる海沿いエリアがあり、ひとつの公園内でまったく異なる魅力が混在。また、ほかの国立公園と比べて民有地の割合が高く、うっとりする美しい自然のみならず、人と自然との関わりを感じられるのも大きな特徴です。
伊勢志摩へのアクセス方法と注意点
東京から伊勢志摩の玄関口となる伊勢市駅へ行く場合は、東京駅から東海道新幹線に乗って名古屋駅で近鉄線またはJR線に乗り換え。近鉄名古屋駅から近鉄観光特急しまかぜなどで約1時間20分で到着します。大阪からの場合は、大阪難波駅から特急で約1時間50分です。
東京から車を利用する場合は、「東京IC」から東名高速道路で「名古屋IC」まで約4時間。そこから東名阪自動車道と伊勢自動車道などを使って約2時間です。車を利用する際は道路状況により時間がかかる場合もあるのでご注意ください。
大自然と伝統文化にふれる1泊2日の家族旅行!
絶対に外せない伊勢神宮訪問はもちろん、今も続く伝統の海女漁が体験できるアクティビティに、英虞湾に浮かぶ島々を一望する絶景、伊勢エビやアワビの絶品グルメなどなど…。これら全部を楽しむ、大人も子どもも笑顔になれる1泊2日のモデルコースをご紹介! 夏ならきらめく海でのアクティビティが楽しめますが、伊勢エビや的矢かきが旬を迎える冬の観光もおすすめです。
“お伊勢参り”の第一歩は夫婦岩が待つ「二見興玉神社」へ!
伊勢志摩国立公園に到着した親子が、まず向かったのは伊勢市の「二見興玉神社」。ここは、二見浦に立つ由緒正しい神社で、伊勢参宮を控えた参拝者が、参宮前に訪れて身を清める場所でもあります。猿田彦大神を御祭神とし、開運・家内安全などの御利益があるとされるほか、海の上に大小2つの岩が並んだ夫婦岩は写真映えスポットとしても大人気!
海岸沿いに立つ拝殿。毎月23日の「二見の日」には限定の御朱印(通常300円、限定500円)が授与されます。
約700m沖の海中に鎮まる「興玉神石」と「日の大神(太陽)」を拝む、鳥居の役目を果たしている夫婦岩。5~7月ころは2つの岩の間から日の出が見られることも。
水をかけると願いが叶うとされる「満願蛙」がいる手水舎。境内には御祭神のお使いとされる「二見蛙」がいたるところに!
伊勢を代表する観光名所「伊勢神宮」を参拝!
二見興玉神社で身を清めた後は、いよいよ伊勢神宮へ。社格のない特別な存在とされている伊勢神宮は、正式名称を「神宮」といい、天照大御神を祭る皇大神宮(内宮)と豊受大御神を祭る豊受大神宮(外宮)のほか、伊勢志摩に点在する125社からなります。
厳かな御正宮はもちろん、別宮や参道に立つ巨木など、境内を歩けばあらゆる場面で二千年に及ぶ悠久の歴史を感じられるはずです。また、古くからの習わしでは、外宮、内宮の順番で参拝するのが良いとされています。
江戸時代に建てられた外宮の表参道火除橋。外宮は左側通行、内宮は右側通行を心がけましょう。
皇大神宮の約500年後に建てられたとされる豊受大神宮の正宮。食物の神様、ひいては衣食住、産業の神様とされる豊受大御神を祭っています。
小川の上にかかる外宮の亀石。渡った先には、多賀宮、下御井神社などがあります。
内宮の玄関口となる長さ101.8mの宇治橋。鳥居をくぐった先は、神聖な場所。
古くから参拝者が心身を清めている内宮の五十鈴川御手洗場。参宮前に、ここで手を清めましょう。
約二千年前、五十鈴川のほとりに定めたとされる皇大神宮の正宮。皇室の祖先神にあたる天照大御神を祭っています。一番外側の板垣前の石段より内側は撮影禁止です。