井の頭恩賜公園をぐるり一周散歩!歩いて見つけた注目スポットをご紹介

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東京都武蔵野市と三鷹市にまたがる井の頭恩賜公園。日本で最初の恩賜公園として開園し、昔もいまも変わらず緑豊かな都市のオアシスとして愛される、人気の公園を徹底取材しました。

井の頭恩賜公園とは?

井の頭恩賜公園は、東京都がまだ東京市だった1917(大正6)年5月1日、日本で最初の恩賜公園として開園しました。100年以上の歴史を持ち、周囲約1.5kmの井の頭池は三宝寺池(練馬区・東京都立 石神井公園)や善福寺池(杉並区・東京都立 善福寺公園)と並び、武蔵野三大湧水池として親しまれ、神田川の水源地としても知られています。


東京ドーム約9個分の広さを持つ園内には、約2万本もの樹木があります。とくに春に咲く井の頭池周辺の桜の花は見事で、「日本さくら名所100選」にも選ばれているほどです。

地図の左の上に記された京王井の頭線の井の頭公園駅を起点に、井の頭池を大きく時計回りに公園内を散策します

井の頭池は歌川広重の「名所江戸百景」など浮世絵の題材ともなるなど、江戸時代から庶民に愛された有名な景勝地でした。池のほかにも高台の御殿山周辺や弁天堂、周辺地域にゆかりのある偉人を偲ぶ数々の記念碑など見どころも満載。そんな変化に富んだ広大な敷地を満喫するため今回は、井の頭恩賜公園をぐるりと徒歩で周ってみました。
 

井の頭恩賜公園をまるっと体験!

井の頭公園駅から出発!

井の頭恩賜公園の東の端に位置する、京王井の頭線の井の頭公園駅から歩き始めましょう。改札を出てすぐ右手が井の頭恩賜公園です。今回のコースはゆっくり歩いて2時間ほど。時間に余裕のあるときにでもお試しください。

 

神田川第二の橋「よしきり橋」

まずは井の頭池を目指し、神田川を右手に見ながら「よしきり橋」を通り過ぎます。神田川には合計で140もの橋が掛かっていると言われていますが、「よしきり橋」は源流から数えて二番目の橋。そのすぐ横を、京王井の頭線の高架線路が横切ります。

 

神田川の源流を発見!

駅から井の頭池に向かうと、神田川に沿って流れを遡って歩く形になります。井の頭池から流れる神田川は、江戸時代には「神田御用上水」と呼ばれ、江戸城を始めとする江戸市中の市民のための飲料水を供給していたことで知られています。

その起点がこの「水門橋」。橋の下には小さな堰があり、そこから流れ下る水がまさに神田川の始まりです。神田上水は1898(明治31)年に水道設備ができたため廃止され、井の頭池も江戸・東京の水源地としての役割を終えることになりました。

「水門橋」のすぐ下流には、「一級河川神田川」と記された石碑の姿も見えます。現在神田川は、流れの途中で善福寺川や妙清寺川など複数の河川と合流し、台東区柳橋の付近で隅田川に注いでいます。

 

ひょうたん池

「水門橋」の上流にある「ひょうたん池」は、井の頭池と神田川の間に佇む、木々に囲まれた小さな池です。太鼓橋が掛けられるなど、なかなかの風情を感じさせてくれます。この池に掛かる「ひょうたん橋」から上流の部分が井の頭池となります。

 

池畔のサクラ

井の頭池を右手に見ながら、落ち着いた雰囲気の遊歩道を進みます。井の頭恩賜公園内には約500本の桜の樹があり、とくに池の周囲には約250本のソメイヨシノとヤマザクラが植えられ、満開の春には多くの花見客で賑わいます。

ソメイヨシノ、ヤマザクラの他にも、オオシマザクラ、ヤエベニシダレ、カワヅザクラなども楽しむことができます。花の咲かない時期でも、葉の色が緑から黄色、赤へと変化する美しさで訪れた人たちを魅了してくれます。

 

水質浄化に成功した井の頭池

水質が改善し、水草の茂る池の底まで見えるようになりました

かつては1日に1万トンもの水が湧き出していたという井の頭池。しかし、近代化が進み地下水の汲み上げ量が増えたため、湧き水は1960年代には枯渇してしまったそうです。

それ以降は数本の井戸から汲み上げた水が使用されていましたが、水量が足りずに慢性的な水質の悪化に悩まされることになってしまいます。

そこで井の頭恩賜公園では、2017年の開園100周年に伴い、2014年から池の自然を蘇らせる取り組みのひとつとして「かいぼり」を行いました。「かいぼり」とは、池の水を一旦抜いて、水底を乾燥させてから水を入れ替えるというもの。

水質悪化の原因となる物質が空気中に発散されることで池の水が浄化され、絶滅したと考えられていた水草の一種「イノカシラフラスコモ」が、約60年ぶりに発芽して姿を見せたとのことです。

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