東京港区・六本木にある国立新美術館。国際都市・東京ならではのアートの拠点となった、日本で5館目の国立美術館をご紹介します。
国立新美術館とは?
国立新美術館は、東京国立近代美術館(1952年開館)、国立西洋美術館(1959年開館)、京都国立近代美術館(1963年開館)、国立国際美術館(1977年開館)に次いで、2007年1月に開館した日本で5番目の国立美術館です。
コレクションを所蔵していない唯一の国立美術館ですが、約1万4000平方メートルという国内最大級の展示スペースを活かし、日本のみならず、海外の美術文化の動向に焦点をあてた独自の展覧会を企画。また、新聞社や他の美術館との共催による展覧会も開催しています。
展覧会のほかにも、美術に関する情報や資料の収集・公開・提供や、美術教育の普及活動を行うなど、アートセンターとしての機能も持つ新しいタイプの美術館となっています。
黒川紀章デザインの建築にも注目
美術館の顔とも言える建物の南側は、波のようにうねるガラスカーテンウォールが美しい曲線を描き、円錐形の正面入口とともに個性的な外観を創り出しています。
地下1階から3階までの館内には、12の展示室、アートライブラリー、講堂、研修室等があるほか、レストラン、カフェ、ミュージアムショップなどが内包されています。
印象的な建物を設計したのは、日本を代表する建築家の故・黒川紀章氏。黒川氏は生前、国内各地の美術館だけでなく、ヴァン・ゴッホ美術館新館(オランダ)など、海外の美術館の建築に携わってきましたが、ここ国立新美術館は、黒川氏の生前に完成した最後の美術館となります。
企画展を行う展示室の入場にはチケットが必要ですが、その他のエリアは無料のパブリックスペースとなっているため、散策や休憩スポットとして活用できることも嬉しいポイントです。