谷のいたるところから白煙が吹き出し、異様な雰囲気が漂う大涌谷。今からおよそ3,000年前に起こった箱根火山の爆発によって誕生しました。ロープウェイや展望台から見える谷底の様子は、ほかでは見られない大涌谷ならではの風景!現在は箱根きっての観光地となっています。今回は実際に大涌谷を訪れ、現地を回って発見した景色や、絶対に訪れたい観光名所、おすすめグルメ、定番お土産など、魅力の数々を一挙に紹介します。
大涌谷ってどんなところ?
過去に何度も噴火を繰り返している箱根火山。その火山活動によって生まれた大涌谷では、白煙と硫黄の香りが立ち込める非日常的な空間が広がっています。
谷底から噴出しているのは、硫黄分を含むガスと水蒸気。その影響で地面はところどころ黄色く染まっています。
地獄を連想させるような様子から、昔は「大地獄」と呼ばれていました。現在は「大涌谷」と改名され、箱根の人気観光スポットとして広く知れ渡っています。
箱根ロープウェイ大涌谷駅の前にある展望台からは、むき出しになった山肌や至るところから吹き出す白煙を一望できます。天気が良ければ、富士山や箱根の街並みまで見渡せる絶景スポットです。
火山活動の活性化で一部区画が立ち入り禁止に
箱根随一の観光名所として名高い大涌谷ですが、火山活動の活性化(火山性ガスの噴出)をうけて、2019年5月から立ち入り禁止の処置がとられました。箱根ロープウェイの運行も一部区間のみに限定され、一時は再開が危ぶまれる事態にまで発展。
約半年後となる2019年11月に規制が解除され、大涌谷自然研究路・神山登山道・周辺のハイキングコースを除く施設が営業を再開しています。立ち入り禁止前の大涌谷自然研究路では、山道に自生する珍しい高山植物の数々や、箱根エリアと富士山を一望できる絶景を楽しめました。
自然研究路を進んだ先には噴煙が立ち上る閻魔台があり、この近くにある売店「玉子茶屋」で蒸したてホヤホヤの黒たまごを食べるのが観光の醍醐味でした。一般客の立ち入りは禁止ですが、現在も「蒸し方」と呼ばれる人が、名物黒たまごを作り続けています。
再開時期は未定ですが、今後の火山活動によっては将来的に解禁される可能性もあります。
大涌谷の魅力に迫る!大涌谷の観光スポット紹介
標高1,044mに位置する大涌谷には、ここでしか見られない景色や珍しい観光名所が多数存在します。ここからは、大涌谷を訪れたらぜひ立ち寄りたいスポットを紹介します。
延命と子育てを祈願するなら「延命地蔵」
大涌谷のすぐそばにある延命地蔵は、延命・子育てにご利益があると伝えられているお地蔵様。手前にある神泉の湯で手を清め、お地蔵様にお湯をかけてお祈りをするのが作法です。
もともとは、弘法大師が人々の幸せを祈り地蔵菩薩をつくったことが起源とされており、時がたった今も多くの人から信仰されています。
・大涌谷の名物をイメージした「くろたまごモニュメント」
大涌谷くろたまご館の目の前にある、くろたまごを模したモニュメント。大涌谷を訪れた人なら誰もが一度は足を運ぶ定番の記念撮影スポットです。
大涌谷は標高が高く天気が変わりやすいため、記念撮影をするなら晴れの瞬間を狙うのがベスト!あらゆる角度から最高の一枚にチャレンジしてみてください。
・大涌谷の歴史を学べる「箱根ジオミュージアム」
箱根ジオミュージアムは、大涌谷くろたまご館の一階にある博物館。館内の展示施設「ジオゾーン」では、大涌谷の歴史と箱根温泉の成り立ちをパネルで解説しており、実際に触れる火山地形の模型や火山岩石、採掘に使用したアンカー工を常設展示しています。箱根温泉全体の火山活動について学べるミニコラムも充実!大涌谷散策をより楽しめるようになる情報がたくさんあります。
大涌谷の玄関口!箱根ロープウェイ「大涌谷駅」
早雲山駅から桃源台駅までを結ぶ「箱根ロープウェイ」。その中間地点にあるのが大涌谷駅です。大涌谷くろたまご館に隣接しており、構内にはロープウェイの乗り場をはじめ、大涌谷名物を数多く販売する売店や、特製大涌谷カレーを提供するレストラン「大涌谷 駅食堂」を併設。大涌谷の景色を楽しめるだけでなく、グルメ・ショッピングも満喫できる観光スポットです。