自然豊かな別世界が広がる「三宝寺池エリア」
けやき広場から井草通りを挟んだ先に見えるのが三宝寺池。池の周囲を覆うように茂る高い木々が周りのビルや住宅街を隠すため、都会とは思えない神秘的な風景が広がります。
三宝寺池の周囲には見どころスポットが多く点在しており、池をぐるりと一周するだけでほとんどの観光名所を見て回れます。
池の北側にある森林エリアには、ソメイヨシノ約170本・ヤマザクラ約70本・コブシ約140本と多くの木々が植えられており、春はお花見スポットとして賑わいます。
植生が豊かなことから、水鳥・野鳥が好んで飛来してくるスポットとしても有名。カルガモ・カイツブリ・カワセミといった水鳥は、季節を問わず観察できるでしょう。
冬の季節は、ヒドリガモ・ヨシガモ・オオバンらとの遭遇率も上がるので、双眼鏡やカメラを持って出かけるのも冬の楽しみのひとつになりそうです。
のどかな風景が広がる「ひょうたん池」
三宝寺池と石神井池の間にあるひょうたん池は、静寂に包まれたのどかな雰囲気が漂います。
動植物を保護するために整備されたエリアのひとつで、水域から水辺の湿性草地を再現しています。
池の周囲には、湿性林のハンノキやヤナギが育ち、水辺にはヨシ・カサスゲ・カキツバタといった抽水植物が生い茂ります。繁殖のためにトンボが舞い降り、その卵をほかの生き物が食べるため、自然の食物連鎖が生み出されるようになっています。
足を止めてじっくりと池の様子を観察すれば、珍しい植物や生き物の気配を感じられるかも知れません。
貴重な植物の宝庫「沼沢(しょうたく)植物群落」
ひょうたん池を通り過ぎて道なりに木道を歩いていくと、目の前には沼沢植物群落が見えてきます。
池の浮島部分にあたる沼沢植物群落は、国指定の天然記念物。指定当初の1935年(昭和10年)頃はカキツバタが一面に咲き乱れ、東京では珍しい植物も複数生息していたようです。しかし、1955年(昭和30年)以降の急速な都市化に伴う湧水の減少によって、池の環境は大きく変化。貴重な植物の多くは消滅に追い込まれてしまいました。現在は専門家や文化庁の指導の下、回復を計っている最中とのこと。貴重な自然環境をこれからも見守っていきたいですね。
木道を通るときに気をつけたいのが、通行ルール。ジョギングや自転車に乗ったままの通行は認められていないので注意しましょう。
室町時代の居城跡が残る「石神井城跡」
三宝寺池から南方面に歩いていくと、石神井城跡にたどり着きます。
室町時代に石神井郷を領地としていた豊島氏の居城跡で、自然の地形を利用して造られた平城だったようです。
石碑を横目に小高い丘の方へ進むと、左手に主郭跡と書かれた立て看板が現れます。奥を見ると遺構の姿をほのかに感じられるでしょう。保存のため、中へ入ることはできません。
三宝寺池を見渡せる絶景スポット「厳島神社」
三宝寺池の南側散歩道を歩いた先、池の曲がり角手前に佇むのが厳島神社です。
小さな橋を渡ると社殿があります。
さらに奥へ進むと、浮見堂と名付けられた東屋が見えてきます。
東屋から一望できる素晴らしい眺めは必見!都会とは思えない自然風景が広がっています。
神社を出て右側に進んだ先にある休憩スポットでは、椅子に腰掛けて厳島神社の外観を眺められます。
創立年代が不詳である厳島神社ですが、石神井城に住んでいた豊島氏が創建したと推定されています。石神井城の築城時期は定かではありませんが、落城した年が1477年なので、その時代から親しまれてきた景色なのかも知れません。
珍しい野鳥を観察!「野鳥誘致林」
三宝寺池を背に階段を登っていくと、野鳥誘致林があります。
周囲は高木に覆われ、生い茂る葉の隙間から木漏れ日が降り注ぐ心地良い空間となっています。
野鳥誘致林にはフェンスが取り付けられているため中には入れませんが、誘致林と誘致林の間に人が通れる小道が整備されています。
たとえばこちらの木製設備は、フェンスの間に設置されている木製ゲートのように見えます。
しかし実際には開閉するゲートではなく、誘致林内の池に集う野鳥を観察するためのもの。
人の目線に合わせて所々くりぬかれた窓から、中の様子を伺えます。
ウグイス・メジロ・シジュウカラ・コゲラ・ルリビタキなど、飛来する野鳥の種類は豊富。訪れたタイミングによってはたくさんの野鳥に出会えるかもしれません。
春は公園一の花見の名所「さくら広場」
三宝寺池を右手下に見ながら進んでいくと、約25本のソメイヨシノが植えられたさくら広場に到着。春は花見スポットとしても有名で、広場一面が見事な桜色に染まります。
ピクニックにも最適な場所で、地元民の憩いの場として親しまれています。
子供用アスレチックが豊富に揃う「くぬぎ広場」
さくら広場の先にある大きな広場がくぬぎ広場です。
ここは石神井公園内でも一番開けた場所にある広場で、子ども用の遊具やアスレチックがたくさんあることから、取材時は多くの親子連れで賑わっていました。
見通しのよい広場には、ジャングルジム・鉄棒・ブランコ・滑り台などの遊具が設置されています。
鬱蒼と茂る水草を見られる「水辺観察園」
くぬぎ広場を背にして、三宝寺池の方面へ。池を右手に見ながら歩いていくと、水辺観察園の出入口が見えてきます。
この場所は日本初の100mプールとして、三宝寺池の一部を切り離して作られた場所でした。1920年(大正9年)のことです。
その後は釣堀として活用されたのちに閉鎖され、1989年(平成元年)に水辺観察園として開設。かつての三宝寺池の自然を再現するために、ひょうたん池と同様、自然環境の回復を図っています。
水辺観察園は一本の通路になっているので、左右から水生植物を観察できます。春夏秋冬に咲く草花を愛でるにはぴったりの散歩コース。
鬱蒼と茂る水草の風景からは、かつてプールとして活用されていた面影はほとんど感じられません。
キャプション:8~9月に花を咲かすカリガネソウ
人気の遊具ターザンロープで遊べる「アスレチック広場」
三宝寺池の東端には、子ども向けのアスレチックが設置された広場があります。
くぬぎ広場とは遊べる遊具の種類が異なるので、子どもの年齢に合わせて遊び場所を変えられるのが嬉しいポイント!
アスレチック広場を訪れたときには、幼児は低い滑り台で遊び、もう少し大きな子どもたちは、反対側に設置された高い滑り台で遊んでいました。
石神井公園で子どもを遊ばせたい場合は、最初にアスレチック広場かくぬぎ広場を訪れるのがおすすめ。井草通りにある「三宝寺池」のバス停で下車すれば、すぐにアクセスできます。
ピクニックに最適な休憩スポット「おべんと広場」
アスレチック広場のすぐ隣にあるのが、おべんと広場。緩やかな丘のように広がる地形が特徴的です。
一部死角はあるものの、アスレチック広場全体を見渡せます。広場を囲うように設置されたベンチがあるので、散策合間の休憩やピクニックにも最適です。
▼石神井公園の基本情報
(掲載されている情報は公開日のもので、最新の情報とは限りません。最新情報は必ず公式HPでご確認ください)