■ディス・イズ・ユア・キャプテン・スピーキング!
機長のリックェです。
本日の飛行ルートの天候は快晴。快適な空の旅をお過ごしください。乱文・乱筆・乱気流失礼いたします!本日はフライトシミュレーター体験に来ています。
カメラマン:聞くまでもないですけど、飛行機の操縦って未経験ですよね?
う〜ん、まったくの未経験というわけではないのですが、そうですね、最近の機体はわからないですね。1996年に操縦した『パイロットウイングス64』の就航に立ち会ってからはかなりブランクがありますので。
カメラマン:NINTENDO64のゲームプレイを就航と呼ぶな
やったことがなければ体験すればいい・・・
それが体験ハンターだ!
キャビン(客室)
今回、体験にお伺いしたスカイアートジャパンさんです。いきなり攻めた搭乗口がお出迎えしてくれて、テンションがぶち上がります。
本格的ですね!
本格的ですね、というか、インテリアは実際の航空機で使われていた本当の座席や搭乗カートなどの備品を使っているんだそうです。見た目もさることながら、独特の飛行機内の香りがするんです。なんだろう旅情を誘うあの香り。本気の再現度だ……。
なお、こちらのキャビンは客室乗務員の方の訓練や撮影用、パーティー用にも貸し出しているそうです。
それは盛り上がりそうだ。機内食、食べたい〜。
初めてファーストクラス(の座席)を体験しました。
■フライトシミュレーターを体験してみる
肩章の4本ストライプは機長の証!
機長のシャツとネクタイをお借りして、さっそくフライトシミュレーターにチャレンジしていきます。拭えないコスプレ感。まあ実際コスプレではあるんですけど。
マッハで飛ぶ乗り物を操縦する者が持つ特有のオーラが感じられない。圧倒的偽物感。
今回のフライトシミュレーターのインストラクターの小長光弘典さんです。
実際に、操縦士技能証明の資格をお持ちです。つまり本物の航空機を操縦できるってこと! プロフェッショナルの方に横についてもらって操縦を体験できるのは贅沢ですね!
マッハで飛ぶ乗り物を操縦する者が持つ特有のオーラが感じられます。
離陸
トリプルセブンこと「ボーイング777」のフライトシミュレーターです。日本の政府専用機もこの機体を使っているそうで、大型の旅客機です。
計器とスイッチの多さに圧倒されます。
簡単に計器の説明を受けます。正方形のスクリーンに表示されているのは、速度と高度、機体の向き、方位、あとナビゲーションの機能などですが、今回はカジュアルな体験コースなので安心して、あいまいな認識のままフィーリングで離陸をします。
映画『紅の豚』でも「いいパイロットの第一条件を教えて。経験?」というフィオの問いに、ポルコが「いいや、インスピレーションだな」っていってたし、フィーリングは大事。
滑走路でどんどん加速!140ノットくらいで、操縦桿を引いて機種を上げる!
見事、羽田空港を離陸できました。
小長光さんから「速度はノット表示で時速に直すときは大体2倍する」と離陸前に教えていただいていたので、時速280kmくらいで離陸したんだなあ、航空機のような重い物を飛ばすのに意外とゆっくりなんだなあと考えたのを覚えています。地上の段階で時速500kmとかいるのかと思ってた。
小長光さんの教え方はわかりやすく、伝えた知識が時間を置かずに役に立つインタラクションで楽しみながら勉強になります。
飛行
東京上空を飛行します。
高層ビル群や道路などの地上の様子もしっかり再現されているそうです。写真には写ってませんが、国会議事堂や都庁など、特徴的な建物などは形状も上空から見ることができました。
出発地と到着地は世界中の飛行場から選べるのですが、自分がよく知っている土地にするのがおすすめです。時間帯や天候なども希望すれば設定できるそうです。
着陸
着陸する空港は、思い入れのある「マデイラ島」の空港をリクエストしました。
マデイラ島は、アフリカ大陸の西側、太平洋上に浮かぶポルトガルの小さな島です。大きさは、奄美大島くらい(これは実際のマデイラ島の写真です)。
一度旅行に訪れたことがあるのですが、年間を通して暖かく、自然が多くて最高だからです。こちら、11月の最終週にとった写真ですがとてもそうは思えないですよね!
そして、このマデイラ島の空港ですが、正式名称を、クリスティアーノ・ロナウド・マデイラ国際空港 といいます。
マデイラ島の出身のサッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドにちなんで命名されました。そして、記念に作られたロナウド選手の胸像がびっくりするくらい似てなくて、作り直されました。
写真はリメイク後の胸像。リメイク前の像はぜひ画像検索してください。似てないから。
すみません、話がそれました。
そしてマデイラ空港を選んだ理由ですが、世界的に着陸が難しい空港として知られているからです(※ アメリカのヒストリーチャンネルの『MOST EXTREME AIRPORTS』世界で最も着陸が難しい空港第9位)。
こちらはシミュレーターの写真です。滑走路がわかるでしょうか? 滑走路は崖の上に位置していて短いこと、高い山と海に挟まれ強風に晒されることなどが、着陸の難しさの理由だそうです。
困難にチャレンジしてこそ、体験ハンターといえましょう。
小長光さんが、日没時のトワイライトフライトに設定してくれました。
ぽつりぽつりと街の明かりが灯り、薄暮の星が瞬いています。トリプルセブンは天地の光の間をゆったりと飛んでいます。
いよいよ着陸です。滑走路を見ながら接近、一度飛び去って、180度の旋回、滑走路を正面に捉えます。
感動したのは、過去の旅行でマデイラ島に来たときと同じ動きだったこと。そして違うのは前回は乗客で今回は自分が機長だということです。
教えてもらったとおり、フラップを操作し、着陸用の車輪が出ていることを確認。滑走路脇の進入角指示灯は白と赤が2つずつ見えれば適切。
右手は街並み、左手は絶海、崖の上にせり出した滑走路。ドキドキしてきました。
時速250km近い速度で、金属の塊を地面にタッチさせるんだよ? そりゃあ、地上が近づいてくると緊張しますよ。自分が機長ならなおさらです。
でも、航空業界にはこういう格言があるそうです。
"Takeoff is optional, but landing is mandatory"
(離陸は任意だが、着陸は必須である)
え? 要するにどういうこと!?
僕が着陸させるしかないってことだ!!
タッチ!
いっけ〜〜! 止まれ〜〜!! 止まってくれ〜〜!!!
地面について減速しながらも、中心線に沿うように微調整します。
操縦桿を握る手にも力が入る!
と、止まった〜!!!
おわりに
フライトシミュレーター体験はドキドキと楽しさで一瞬の空の旅でした。
機械操作を覚えることは楽しい
「こんなにたくさんの計器やスイッチの操作をどうやって覚えるの?」
コクピットに入ったときは思ったのです。親切な説明と実体験を通して、操縦桿を操作するとどうフィードバックがあって、景色と計器がどう連動しているのかがつかめてきます。
さらに機体の状態が、ぼんやり自分の肉体の延長線として想像つくようになってくるのがなんとも不思議なんですよ。今の姿勢は、機首が少し上向きで、お腹で空気に乗っかっていて風圧でブレーキがかかっている(気がする)、とか。このままフライトを続けていったら、遠からぬうちに、人馬一体ならぬ人機一体となるのが想像できます。
思い入れのある飛行場に着陸するのは楽しい
都市も自然も、海も空も再現されています。
旅行に行ったことのある飛行場を選ぶと良いですね。乗客として着陸した場所に、機長として着陸するのはラグジュアリーな体験でした。旅行先の着陸のシーンって旅の始まりのワクワクを思い起こさせるから、追体験になりますよね。
また、個人的には夕方の時間帯のフライトをおすすめします。街の灯りと紺色に染まる空がセンチメンタルで良いですね。センチメンタルジャーニー。
またのご搭乗、乗務員一同お待ち申し上げます!
今回の体験ハンターこれにて了!!
<文=リックェ>
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