あそびチャレンジ#19 海上イケス釣り編
魚嫌いを克服させたい!そんな思いを抱くお父さんと一緒に、三浦半島の南端に位置する城ヶ島にやってきたのは、ヒップホップダンスと水泳が得意というアクティブな小学4年生の女の子、凛々(りり)ちゃん。
「もともと凛々は魚介類が苦手なんですけど、以前、潮干狩りに行ったのをきっかけにアサリは食べるようになったので、それなら釣りに行けば魚も好きになるかも!?なんて考えて、親子でチャレンジすることにしたんです」
実はお父さんも釣りは素人同然。ちょっとでもカッコいいところを見せたくて、今回は初心者でも釣りやすい、海上イケス釣堀「J'sフィッシング」を選んだそうです。
J'sフィッシングは、海に沿って設置された大きな釣り堀。マダイやヒラメ、カンパチ、イサキ、シマアジ、カワハギ、クエなどの大物が放流されているので、はじめてでもビッグフィッシングが楽しめます。
「今日はいっぱい釣るからね!」と、早くもやる気満々の凛々ちゃん。たくさん持って帰ることを前提に、しっかりクーラーボックスも用意しています。「この中に全部入るかな~」なんて、すでに頭の中で大漁をイメージしながら、ワクワクしているようすです。
J'sフィッシングでは、釣る場所をくじ引きで決定。場所によって釣果が変わることもありますが、実際のところは魚の気分しだい。「いっぱい釣れるところ!」と声を出して凛々ちゃんがくじを引きます。「おっ“12!”…な、なんか釣れそうじゃん!!凛々ナイス!」と、とりあえず適当なことを言いながら、お父さんが場を盛り上げます。
「エサは針が見えないくらいの大きさに丸めてね。大事なのはつねにウキを見ておくこと。ウキが沈んだら、魚がエサを食べに来た合図だからね」
スタッフから釣りのコツを聞いて、早速凛々ちゃんが釣りはじめます。
ウキを睨んだまま待つこと数分。「お魚さん寝てるのかな~。お腹がいっぱいなのかな~」なんて、凛々ちゃんはすぐに釣れないことにちょっぴり不安そう。
そんな凛々ちゃんを見て、「なかなかウキが動かないときは、魚に『ここにエサがあるよ~』というアピールのために、ちょっと揺らしたり、場所を変えるのもいいですよ」と、スタッフが親切に教えてくれます。
「そっか、お魚さんがエサを見つけられないのかもね。お~い!こっちだよ~。おいしいゴハンだよ~!」
凛々ちゃんは、じっと待つ作戦から魚に呼びかける作戦に切り替え、教えられたとおりにチョンチョンっと竿を揺らしていきます。
そんな作戦が功を奏したのか、ググッと凛々ちゃんのウキが沈みます。
「うわっ!お魚が来たよ~!」という声を聞き、お父さんは大慌て。「ちょ、ちょっと待って、竿を引いて、いや網を、あっ、やっぱり竿を…いやいや、ま、まずは落ち着いて!」と、誰よりも落ち着いていないのはお父さん自身です(笑)。
「うわっ、うわっ、パパ~!どうしよう!」と大さわぎしているふたりを見て、スタッフがさっと駆け寄ってきます。
「竿を動かさないで3~5秒くらいそのままにしてね。ウキが完全に海面から沈むまで我慢しよう」
ようやく安心するアドバイスが聞けて、すっかり落ち着く凛々ちゃん。じっくりウキが沈むのを待ちます。
「あっ!全部沈んだよ!」の凛々ちゃんに声に、「よし!リールを巻くんだ!巻け巻け、がんばれ~っ!」とお父さんも大興奮。
「重いよ~」と言いながらも、スタッフと一緒にリールを巻いたていく凛々ちゃん。しばらくして海面に姿を現したのは、大きなマダイでした!
「うわぁ!大きいなタイだ~!すっごく重~い」と、はじめて釣り上げた魚を見つめながら凛々ちゃんはニッコリ!「やった~!やった~!」と大喜びする姿に、お父さんもスタッフも拍手喝采です。
無事に一匹が連れて、すっかり満足気な凛々ちゃん。「パパも頑張って~」と凛々ちゃんに励まされるお父さんですが、なかなかウキが動きません。
「エサを変えたり、場所を変えるといいんだよ」と、凛々ちゃんはスタッフに聞いたアドバイスをそのままお父さんに伝えます。
「そうだ!エサをミックスすれば釣れるかもしれない」と、突然ひらめく凛々ちゃん。J'sフィッシングでは「マダイスペシャル」や「高集魚レッド」など、さまざまなエサが販売されていますが、凛々ちゃんは、そのうちの2種の練りエサを混ぜはじめました。
「今やってるゲームの中に釣りのミニゲームがあって、エサを変えるとよく釣れるんだよ」と、お父さんのために特製のブレンドエサを作ります。
「これなら絶対釣れるよ!」
凛々ちゃんに手伝ってもらえて、お父さんはすごくうれしそう。
エサを変えて数分後、ついにお父さんのウキにも反応が!
「やった!パパにも来たぞ~!!」と、喜び余ってすぐに竿を引いてしまったお父さん。バシャンと水しぶきが上がると同時に、魚は針から外れてしまいました。
「あ~っ!逃げた~!!」
まさかの事態に凛々ちゃんも驚きの声を上げます。
「手応えは大きかったんだけどな~。あれはきっと大物だよ!」
せっかくのチャンスを逃して悔しそうなお父さん。そんな姿を見た凛々ちゃんは、「うん、大きかったから逃げちゃったんだよ!次は釣り上げようね!!」と、お父さんを応援します。
この日は曇り空で強い日差しもなく、海上イケスの上は風も穏やか。心地の良い潮風が頬をなでます。「気持ちいいね~」と、お父さんと凛々ちゃんは海の上のひとときを満喫。
「なかなか釣れないね。もっと端っこのほうがいいかも…」と糸を下ろす場所をこまめに変える凛々ちゃん。ときおり竿を揺らして魚を誘うなど、アドバイスに対して飲み込みが早く、すでに初心者とは思えない雰囲気です。
「子どもさんは途中で飽きちゃったりするんですけど、集中力がすごいですね」とスタッフも根気強く頑張る凛々ちゃんを見てビックリ。
「なんでもはじめてのことには興味津々で、あっという間に熱中するんです。釣りって待ち時間が長いからどうなるか心配でしたが、凛々は気に入っているみたいで良かったです」と、お父さんが笑顔で答えます。
3時間の釣り放題のコースでしたが、結果、なんと凛々ちゃんはマダイを3匹も釣り上げました。一方、お父さんの釣果はゼロ。「僕は釣れなかったけど、凛々が楽しんでくれたから良し!」とお父さん。
「私がいっぱい釣れたのは、お友だちにもらったお守りが効いたんだ!」と、ポケットからハンカチに包まれたきれいな青いビーズのお守りを取り出す凛々ちゃん。帰ったらお友だちにお礼を言わないといけませんね!
最後は釣り上げた魚を並べて記念撮影。この日、凛々ちゃんたちは3匹でしたが、15匹以上釣った人も!
「今度は私たちも10匹以上釣ろうね!また絶対来るからね!!」と、リベンジの約束をする凛々ちゃん。お父さんも「もちろん!今度はお父さんもたくさん釣るからね!」とやる気満々でした。
「釣りのゲームでよく遊んでいたけど、実際にやると、迫力があってとても楽しかった!魚がかかったときのグ~ッという手応えと、魚の重さに驚きました。本当にこんな大きな魚が釣れるなんてうれしい。がんばって食べます!」
ひたすら待つ時間もあったけど、はじめての釣り体験は凛々ちゃんにとって良い思い出になりそう。
「釣りというと、のんびりと糸を垂らしているイメージがありましたが、エサや釣る場所を変えたり、意外とやることが多いので飽きませんね。凛々は結構飽きっぽい方なのですが、釣りを体験したことで少し我慢強くなった気がします!」と、お父さんもとても満足したようすでした。
家に帰ってもずっと釣りの話をしていたという凛々ちゃん。とても上手に思い出を絵で表現してくれました。釣り上げたときの喜びがすごく伝わる一枚ですよね!
持ち帰ったマダイは、お刺身やアクアパッツァとなって夕食に。今まで頑なに魚を食べなかった凛々ちゃんが「お刺身おいし~い!アクアパッツァも最高だよ!!」と、魚をおいしそうに食べる姿が、お父さんとお母さんはなによりもうれしかったそうです。
自分で釣り上げた魚は、なによりもおいしいこと間違いナシ!「うちの子も魚が嫌いで…」なんて悩んでいるお父さん、お母さんもぜひ一度、親子で釣りにチャレンジしてみてはいかがでしょう。特別な体験をすることで、凛々ちゃんのように魚嫌いを克服できるかもしれませんよ。
もちろん、魚嫌いではない子どもと挑戦するのもおすすめ!マダイやヒラメ、カンパチといった海の魚を、船酔いを気にせず気楽に釣れるので親子で遊びに行くにはぴったりです。釣るおもしろさと食べる楽しさをぜいたくに満喫してください!
<文=永浜敬子 写真=宮川朋久>
【関連記事】
◆お魚好きキッズが職人さんに大変身!親子でかまぼこ作りに初挑戦してみました 【あそびチャレンジ#18 かまぼこ作り編】
◆まさかの子どもの熱中ぶりにお母さんもびっくり!小さな成功の連続で笑顔が止まらないボルダリング体験【あそびチャレンジ#17 ボルダリング編】
◆F1日本グランプリを開催するレーシングコースも走れる!「鈴鹿サーキットパーク」で“はじめての運転”にたくさんチャレンジしちゃいました!【あそびチャレンジ#16 鈴鹿サーキットパーク 小学生編】
- 1