子どもがお絵描きする様子を眺めていると、家族や太陽、お花、動物とさまざまなテーマで想像力豊かに描いていますよね。自宅で飼っているペットの犬や猫、動物園で見たゾウに、道端で出会った昆虫たちと、触れた体験や過ごした時間が題材になっていることが多いもの。共通しているのは、対象への好奇心と大好きな気持ちなんです。
そんな子どもの純粋な気持ちに触れつつ画家の作品を楽しめるのが、京都府立堂本印象美術館で開催中の企画展「大好き 印象の動物・鳥・昆虫」。美術館に展示される作品と聞くと「子どもには難しいのでは?」と思いがちですが、見る角度を変えればグッと親しみやすいものになると教えてくれるんです。
同企画展の中心となる作品を描いた堂本印象(1891〜1975)は、京都出身の日本画家。独自の社会風俗画で画壇に刺激を与え、仏画から花鳥画、さまざまな色彩やデフォルメなどの技法を取り入れた画風で多くの作品を生み出しました。そして1966年に自身の作品を展示する「堂本美術館」を開館。それが現在の「京都府立堂本印象美術館」なんです。
そんな同氏の動物・昆虫などの生き物たちを描いた作品を集めたのが本企画展。どのように動物たちと向き合い表現したのかをじっくり紐解きます。対象をリアルに描いた写実的な表現だけでなく、愛に溢れたネコチャン画まで、その多彩な描写の数々には驚くはず。
「小さな猫」(1968年)なら、大きな瞳でこちらを見つつ、ちょっぴりイカ耳気味のかわいらしさに思わずキュンとするはず。鳥たちが飛びながら見つめ合う「羽風」(1929年)なら、「2羽は何を話しているのかな?」なんて想像力も膨らみます。鑑賞後に「さっきのかわいかったね〜」なんて子ども視点の素直な感想が聞けちゃうかも?
コラージュでおしゃれに仕上げた「千鳥」(1960年)は、図工の時間の参考になりそう。眺めるだけでなく、自分の作品にエッセンスを取り入れてみるのも楽しそうですね。
動物以外では昆虫をモチーフにした作品も展示。セミの抜け殻を眺める子どもの姿が印象的な「實」(1930年)は、“子育てあるある”すぎでパパママ的にも共感できるはず。
ぴちぴちと今にも飛び跳ねそうな「海老」(1936年)なら今夜のご飯を連想しちゃうかも。親子で楽しみながら自由な感想を言い合ってもOKなのが、美術鑑賞のいいところ。ぜひ自由な発想と感性で、画家・堂本印象の作品を家族で楽しんでみてはいかがでしょう。
<文=相川真由美>
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