あそびチャレンジ＃24 SUP編
「なかなかお互いの予定が合わず、今年はあまり親子で遊びに行く機会がなかったのですが、娘も来年は中学生。ますます忙しくなってしまう前に、小学生最後の思い出づくりがしたくて。前々からやってみたいと言っていたSUPに挑戦することにしました」
まだまだ太陽がギラギラと輝くある日の休日。神奈川県の丹沢湖にお母さんとやってきたのは、体を動かすのが大好きでダンススクールにも通っているアクティブ女子の今日（きょう）ちゃん。小学生最後の思い出として、親子そろって人生初のSUP（スタンドアップパドルボード）に挑戦します！
SUPは、サーフボードよりも少し大きめなボードの上に立ち、パドルを漕いで水面を進んでいくアクティビティ。海や川、湖など、さまざまなフィールドで楽しめ、子供でも気軽に楽しめるのが敷居の低さが魅力です。
「海の近くに住んでいるので、SUPを楽しむ人たちの姿を眺めながら今日と『やってみたいね～』と話していました。でも海は波もあるし、潮に流されたら…なんて考えると怖くて。だから初挑戦するなら、湖のSUPツアーに参加するのが安心かな…と」
そんなお母さんの言葉にすぐさま反応する今日ちゃん。
「楽しみだけど、湖でもちょっと怖いかも！水に落ちたら未知の魚とかに咬まれそうで…」
子供らしい豊かな想像力から生まれる不安を口にしますが、まだまだ“やってみたい気持ち”のほうが上。挑戦意欲に満ちた瞳はキラキラと輝いています。
浅瀬で基本的なレクチャーを受け、いよいよ湖上散歩がスタート！まずはボードの上に座ったままでガイドさんと一緒にクルージングを楽しみます。
「わぁ～気持ちいい！座って漕ぐだけなら簡単だよね」
今日ちゃんのバランス感覚もばっちり！安定した状態でスイスイと進んでいきます。
「こっちを漕ぐとこっちに行って…」
時折首をひねりながらも、ボードの右側を漕ぐと左に旋回、左側と漕ぐと右に旋回するということを頭に刷り込んでいく今日ちゃん。パドリングも上手にできるようになり、思いのままに水上でのひとときを満喫しているようです。
「そろそろ立ってみる？」
より視界が開ける場所へと移動しながら、ガイドさんが今日ちゃんに尋ねます。
「う～ん、まだかな！もうちょっとしてから～」と、少し自信なさげに答える今日ちゃん。
そんな今日ちゃんにやる気になってもらおうと、お母さんが先に挑戦してみます。
「見て見て～！簡単だよ！」
SUP初体験ながらも、スムーズにボードの上に立ったお母さん。
「うわ～、すごいね！お母さん上手だよ」
まるで自分のことのように笑顔で喜ぶ今日ちゃんでしたが、
「よし、今度は今日ちゃんも挑戦してみようか！」とガイドさんに声をかけられると
「ん～、まだかな！」と、顔を少し曇らせます。
みんなが自分に注目する緊張感なのか、失敗して自分が最初に水に落ちるのが嫌だというプライドなのか、はたまた未知なる魚が怖いのか…。なんにせよ、ぜひ今日ちゃんにボードの上に立つ気持ち良さを知ってもらいたいガイドさんは、「丹沢湖SUPの醍醐味“落としっこ”スタート！」と声を上げ、お母さんのボードに突進！バランスを崩したお母さんは、バシャーンと水しぶきを上げて湖へと落ちてしまいました。
「うわぁぁ～！お母さん大丈夫！？」と心配しながらも、今日ちゃんの表情は満面の笑顔。
「大丈夫、大丈夫！冷たくてすごい気持ちいいよ～！」
と、笑って答えるお母さんを見て決心がついたようすです。
「私も立ってみる！」と、あんなに先延ばしにしていたのが嘘のように、すんなりとボードの上に立ちはじめました。
「できた～！ねぇねぇ、立てたよ！うわぁ～立ったほうが気持ちいいね～」
もともとバランス感覚が良い今日ちゃんは、湖に落ちることなくサッと立ち上がることに成功。高い視点から周囲を見渡せるSUPの魅力に気づき、ますますテンションが上がります。
「私がガイドさんを落とすからね！いくよ～」
自分のボードをガイドさんのボードにぶつけたり、パドルでボードを押してみたり、試行錯誤してガイドさんを落とそうとする今日ちゃん。
しかし、巧みにバランスを取ってかわすガイドさんを落とすことはできず、最後は逆に自分が落とされることに…。
「きゃぁぁぁ！」
という悲鳴とともに上がる大きな水しぶき。
「うわぁ～ほんとだ！気持ちいいね！ずっと泳いでいたい～」
もともと泳ぐのは得意なので、一度落ちてしまえばもう怖いものナシ！
挙句の果てにはボードの上から自ら飛び込んで水遊びを楽しみます。
たっぷり遊んだあとは、ゆったりクルージングでクールダウン。滝のあるスポットに上陸してみたり、ボード上に寝そべってみたり、のんびりとした時間を過ごします。
「よ～し、最後はちょっとした技に挑戦してみましょうか！？」
スタート地点へとSUPを漕いで戻る最中のガイドさんからの提案。それは、湖上で今日ちゃんがお母さんのボードに、お母さんが今日ちゃんのボードに乗り換えるというもので、ふたりでうまく息を合わせることが大切です。
「やってみようよ！」と、今日ちゃんはやる気満々。
「ゆっくりだと難しいから、パッと動こうね」
今日ちゃんの言葉にウンウンとうなずくお母さん。
「いくよ～！」
という合図とともに、お互い相手のボードに足を伸ばしますが…
バッシャ～ン！とお母さんだけが湖に落ちてしまいました。
「あははは！なにやってんの～！！！」
と今日ちゃんは大笑い。失敗はしたけど、とびっきりの思い出ができたようです。
あとはスタート地点に戻って終了！ということで、のんびりと景色を眺めながら帰る一行。 ガイドさんが目の前の風景を説明しているとき、まさかの出来事が…。
虎視眈々とガイドさんの隙を狙っていた今日ちゃんのボードがガイドさんのボードに激突！隙を突かれたガイドさんは、豪快に水しぶきを上げて湖へ落ちてしまいました。
「やった～！落ちたぁぁ！私の勝ちだぁぁぁ！」
満面の笑みで勝利宣言する今日ちゃん。
「やられた～！！！まさかこんな最後の最後に仕掛けてくるとは思わなかったよ…」
見事なまでに“落としっこ”の雪辱を果たした今日ちゃんにとっては、これがこの日のクライマックスになったようでした。
「立って漕げるようにもなったし、SUPはすごい楽しかったです。いろいろなところにスイスイ進めるのも気持ち良かったけど、やっぱりガイドさんを落とせたのがなによりも楽しかった！」
“落としっこ”の楽しさが際立ったようですが、今日ちゃんはSUPの魅力にすっかりハマったようす。
「湖で遊ぶ機会なんてあまりないので、とても新鮮で面白かったですね。SUPも思ってた以上に簡単で、最高な思い出になりました。娘もすごい楽しかったようなので、また家族でSUPに挑戦したいですね」
と、お母さんも大満足な休日が過ごせたようです。
絵心もある今日ちゃん。この日の思い出として描いた1枚はやっぱり“落としっこ”のシーンです。ガイドさんの「うわぁ～」なんて叫び声が今にも絵から聞こえてきそうですね！
さまざまなフィールドで開催されるSUPツアーの中でも、水面が穏やかな湖でのSUPは難易度も低く、子供と楽しむにはぴったり！地域によっては秋以降もツアーを開催しているところもあるので、ぜひ一度、親子で楽しんでみてはいかがでしょう。
今回、今日ちゃんたちが参加したツアーは11月中旬まで開催。丹沢湖は紅葉の名所としても知られるスポットなので、湖上で紅葉狩りを楽しむのもおすすめです！
<写真＝中里慎一郎＞
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