日本が世界に誇る浮世絵師・葛飾北斎。生涯で描いた作品は34,000点に及ぶといわれており、作品の多彩さや革新的なアイデアは、没後170年経つ今も高く評価されています。
北斎が晩年に好んで滞在したとされる信州・小布施に経つ美術館「北斎館」には、北斎の描いたさまざまな作品が展示されています。
1月20日から3月31日までは、北斎の版画作品の中でも人気の高い“勝負シーン”にフォーカスした企画展「いざ、勝負!」が開催中。歴史上の偉人たちによる戦、妖怪と人間の対決、動物たちの合戦など、迫力と臨場感たっぷりの作品が数多く登場します。ぜひ、北斎の描く数々の“勝負”をその目で見てみては?
北斎が“勝負”をテーマに取り組んだ作品としては、1836(天保7)年に刊行された『絵本魁』や、1850(嘉永3)年に刊行された『絵本和漢誉』など、歴史上の武将を描き上げた版本作品などが有名です。
今回の展示では、『絵本魁』や『絵本和漢誉』の作品も登場。日本と中国の名の知れた武人を取り上げた『絵本和漢誉』からは、英雄たちの力強い姿絵や鬼気迫る戦闘シーンが展示されます。
実際の戦闘をモチーフとした作品の迫力とともに、髪の毛の一本一本まで細かく描かれた繊細な筆使いにもきっと圧倒されるはず。
また、現実の英雄たちの勝負を描いた作品だけでなく、非現実的な勝負を描いた作品も数多く登場します。
ちょっと不気味な妖怪と人間の対決、ユニークな動物たちの知恵合戦、大自然の脅威と対峙する物語の主人公など、多種多様な“勝負”シーンもとくとご覧あれ!
さらに、江戸時代の庶民たちの日常生活にかかわる小さな“勝負”がモチーフの作品もあります。
現代でも人気の高い相撲に興じる人や、剣や槍の試合稽古をする人、急激な物価高をあらわす巨大うなぎに抵抗する職人たちなど、現代の私たちにも共感できる作品が数多く登場しています。
ぜひ、北斎の作品を通じて、江戸時代の暮らしに思いを馳せてみてはいかがでしょうか?
<文=藤間紗花>
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