水鏡に映る大絶景!「清津峡渓谷トンネル」の幻想的なアート作品と自然の魅力に迫る

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SNSで話題沸騰中の絶景スポット「清津峡渓谷トンネル」を知っていますか。実はこのトンネル、自然が創り出した大渓谷・清津峡(きよつきょう)の一部として、壮大な峡谷美を間近で観賞できる場所なのです。トンネルの最奥に進むと、清津峡の大絶景を目の前にするパノラマステーションが出現!ビュースポット以外にもさまざまなアートスポットがあり、自然と人工物の美しいコラボレーションを堪能できます。今回はそんな清津峡渓谷トンネルの魅力をたっぷりと紹介します。TOPの写真は「マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)」

 

 

日本三大峡谷のひとつ!清津峡とは?

写真提供:十日町市観光協会

 

「清津峡」は、新潟県十日町市の南部に位置する大峡谷。日本三大峡谷のひとつにも数えられているこの峡谷は、エメラルドグリーンの清津川と切り立つ岸壁が織りなす美しい自然が自慢です。

この大峡谷が誕生したのは、約1500万年前。当時は海底にあったこの地で海底火山の噴火活動が起こり、この火山灰が固まって緑色凝灰岩となりました。さらに700万年前には、この地層にマグマが流入し、冷えて縮むときに5角形や6角形の柱状の割れ目を持つ「柱状節理」の構造となりました。

その後、海底が隆起して陸地の山が形成されました。清津川によって削られたことで柱状節理が谷底に顔を出し、現在の清津峡ができました。

 

清津峡渓谷トンネルの誕生秘話

写真提供:十日町市観光協会

清津峡は1941(昭和16)年に国の名勝・天然記念物に、1949(昭和24)年には上信越高原国立公園の一部として指定され、温泉街も整備されました。

しかし、1988(昭和63)年に清津登山道で落石事故があり、川沿いに作られていた歩道は通行禁止に。以来、清津峡渓谷の絶景を間近で見られなくなりました。

遊歩道の閉鎖後、かつてのように清津峡の柱状節理と渓谷を間近で見たいという声が多くあがり、渓谷を間近に望む4ヶ所の観望台を持つ「清津峡渓谷トンネル」の建設が決定。1996(平成8)年10月に開坑しました。

 

・清津峡渓谷トンネルは絶景アートスポットに!

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

開坑から20年以上が経った2018(平成30)年、清津峡渓谷トンネルは再び大きな脚光を浴びることになります。それがトンネルのリニューアルとエントランス施設の新設です。

清津峡渓谷トンネルのリニューアルは、ただのリニューアルではありません。マ・ヤンソンが率いる中国の建築家集団「MADアーキテクツ」が、十日町市と津南町で3年に一度開催される「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」で、2018年に清津峡渓谷トンネルをアート作品『Tunnel of Light』として改修したのです。

さらに2021(令和3)年に、第二見晴所も作品化されました。

 

トンネルが丸ごとアート作品に!清津峡渓谷トンネルの見どころスポットを紹介

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

『Tunnel of Light』は、全長750mのトンネルを外界から遮断された潜水艦に見立てた作品です。自然の5大要素(木、土、金属、火、水)をテーマにしながら、個性的な建築美でアーティスティックな空間をつくりだしています。それではさっそく、トンネルの内部を探索してみましょう。

 

・5色のライトが幻想的な「色の表出(土)」

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

トンネルに入ってまず見えてくるのが、色彩豊かなライトアップとミステリアスな音楽!ライトアップは自然の5大要素(木・土・金属・火・水)のテーマに沿っており、緑・黄・赤・オレンジ・青と、トンネルの展望台毎に色が変わります。

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

ライトアップされたトンネル内は、幻想的で美しく、ミステリアスな雰囲気。外界と遮断された非日常的な空間は、写真撮影にもぴったりです。

 

・自然の壮大さに心打たれる「第一見晴所」

最初に現れる第一見晴所からは、柱状節理の迫力ある岩肌を間近に見られます。地底のマグマが冷えて固まるときにできる柱状節理は、四角形や五角形のほか、六角形のものが最も多く見られるとのこと。清津峡の柱状節理も六角形をしているので、よく観察してみてくださいね。

 

・不思議な世界への入口「第二見晴所」

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)


第二見晴所には、2018年の大地の芸術祭で「見えない泡<金属>」と名付けられたカプセルのような形状のトイレが設置されました。トイレの渓谷側の壁は透明で内側から絶景の峡谷を見られますが、外側からは見えないようになっています。

さらに、2021年には、第二見晴所の壁面と床面を黒と白のストライプのパターンで覆い、「Flow(流れ)」としてリニューアル。

清津川と峡谷に吹く風の流れをイメージさせる空間となっています。トイレの鏡面は斜めに伸びるストライプを反射し、まるで異空間に迷い込んだような気分を体感できます。

ちなみに、作品を兼ねたこのトイレは実際に使用できるものの、撮影見学で順番待ちになる場合があるので、第1駐車場の公衆トイレを使用するのがおすすめです。

 

・火の色に照らされる不思議な空間「第三見晴所」

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

第三見晴所には「露のしずく<火>」が、トンネルのアーチ状の壁にちりばめられています。凸面鏡の “しずく”は清津峡の自然を映して取り込みながら、トンネル内の物質や人間をも映します。ぜひ火のように赤いバックライトで照らされた凸面鏡を覗き込んでみてください。

SNS映え間違いなし!トンネル最奥の「パノラマステーション」は神秘のアート

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

トンネルの終点パノラマステーションには、清津峡の景観をトンネル内に映す「ライトケーブ(光の洞窟)<水>」があります。

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)


パノラマステーションの床面は、水鏡になっているのもポイント。水深は両端が浅くなっており、壁際を伝って奥へと進みます。

 

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)


水鏡の奥に進むと足元が濡れることもありますが、水の冷たさをその身で感じるのも作品のコンセプトのひとつ。水鏡の奥に立ちたい方は、タオルの持参をおすすめします。

マ・ヤンソン / MADアーキテクツ「Tunnel of Light」(大地の芸術祭作品)

清津峡渓谷トンネルは、最初から最後まで幻想的なフォトスポットの連続!とくにパノラマステーションの水鏡に反転して映る絶景は、逆さ富士ならぬ見事な“逆さ清津峡”を堪能できます。

そして水鏡の奥に立てば、あなたもアートの一部に!さまざまなポーズをとって水鏡に映り込む、シンメトリーな構図の写真を楽しんでくださいね。
 

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