千葉県船橋市にある「ふなばしアンデルセン公園」。童話作家アンデルセンをモチーフにした公園には、おとぎ話の世界のような美しい風景が広がっています。東京ドーム8個分の広い敷地は、「ワンパク王国」「メルヘンの丘」など5つのゾーンにわかれ、1日中回っても遊び尽くせないほどの規模。年間で約90万人が訪れる大人気スポット、ふなばしアンデルセン公園の魅力を探るとともに、家族連れに便利な施設やスポット、グルメ情報まで徹底的にレポートします。
ふなばしアンデルセン公園とは?
ふなばしアンデルセン公園は、千葉県船橋市にある広大な自然公園。
船橋市はデンマークのオーデンセ市と姉妹都市提携。そのオーデンセ市がアンデルセンの故郷であることから、園内には北欧の建物や歴史文化、花壇など、童話作家・アンデルセンが生まれ育ったデンマークの田園風景やアンデルセン童話の世界が再現されています。
さらにアスレチックや大型遊具、水遊び、ポニーの乗馬体験など、小さな子どもが遊べる施設も充実。実際に作って遊べる美術館、1年中咲き誇る花々と、さまざまな体験を楽しめます。
市営公園なので、入園料以外はほとんどのアトラクションが無料、もしくは安価で利用できるのも人気の理由。世界最大級のクチコミサイト「トリップアドバイザー」で行われた「日本のテーマパークランキング」では、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーに続いて、第3位に選ばれたこともあります。
どこから遊ぶ?ふなばしアンデルセン公園の5つのゾーン
広大な敷地のふなばしアンデルセン公園は、「ワンパク王国」「メルヘンの丘」「子ども美術館」「花の城」「自然体験」の5つのゾーンに分かれています。それぞれのゾーンの魅力を、親子で楽しめる遊び要素とともにご紹介。
・親子で1日中遊べる!「ワンパク王国」
ふなばしアンデルセン公園でメインとなる遊びゾーン。日本有数の規模を誇るフィールドアスレチックや、たくさんの大型複合遊具、動物とのふれあい広場などがあります。
芝生広場には、船橋の民話に登場する、優しくて力持ちの“じゅうえもん”をモチーフにした「じゅえむタワー」、50mの高さから一気に滑り降りるローラースライダーがある「ワンパク城」など、子どもの好奇心を刺激する大型遊具がたくさんあります。
アルキメデスが発明したポンプや水車の遊具がある「アルキメデスの泉」は、遊びながら水を運ぶ仕組みを学べるエリア。隣接する「にじの池」では、晴れた日に虹がかかります。夏場は子どもたちにとって絶好の水遊びスポット!子どもの着替えは忘れずに持っていきましょう。※おむつのとれていない乳児は遊べません。
ちなみに芝生広場は、小型テントの持ち込みも可能。小さなお子さんがいる家庭では、最初に小型テントを設置してから遊ぶのがおすすめです。
中でおむつ替えや着替えをしたり、夏の日差しや冬の冷たい風を防げたりと、何かと便利に使えます。子どもが遊んでいる間、お父さんとお母さんはテントでひと休みするなんて使い方もできますよ。そのほか、レジャーシートを広げてお弁当を食べるのにも最適です。
「ポニー広場」では、1回100円でポニーに乗れます。隣には、ウサギやモルモット、ヤギ、ヒツジとふれあえる「動物ふれあい広場」もあり、動物好きの子どもにはたまらない場所!
ポニー広場の利用時間は、午前(10:30~11:45)、午後(13:30~15:30)、動物ふれあい広場の利用時間は、午前(10:30~12:00)、午後(13:30~15:30)です。お昼の時間帯は動物たちがお休みしているので注意しましょう。
「森のアスレチック」は、大小合わせて100種類以上の遊具が揃う日本最大級のフィールドアスレチック。「ファミリー」「じゅえむの冒険」「力だめしの森」「ダイナミック」の4コースがあり、難易度も初級・中級・上級と分かれているので、自分に合ったコースで遊べます。
豊かな自然の森に囲まれたアスレチックを巡る冒険は、まるでトム・ソーヤになったかのような気分になれます。大人も子ども時代を思い出しながら夢中で遊べるはずですよ。
・デンマークの風景を見たいなら「メルヘンの丘」へ
ふなばしアンデルセン公園のシンボルともいえる大きな風車と、1800年代のデンマークの田園風景が広がるゾーン。風車はデンマークから取り寄せた材料を使い、デンマークの風車職人が手掛けた本物の粉ひき風車です。1年中季節の花に囲まれ、フォトスポットとしても大人気のエリアなんです。
訪れた秋ごろはちょうど花の入れ替わりの季節で、12月中旬ごろからはチューリップが咲き始めます。風車とチューリップの組み合わせって、いつ見ても絵になりますよね。
風車の近くにある「企業花壇」は、さまざまな企業がアンデルセン童話をモチーフに草花を植えているエリア。ユニークな花壇がいっぱいで、ガーデニング好きの人にはとても参考になります。
1800年当時の農家の家も再現されています。暖かそうなベッドに暖炉など、まるで今も住民がいるかのような光景が広がります。寒くて冬が長いデンマークでは、家の中で童話を読んで過ごす時間も多かったそう。当時の暮らしの想像が膨らみます。
デンマーク・オーデンセ市フュン野外博物館の管理棟をイメージしたコミュニティセンター。外観の雰囲気もバッチリで、まるでヨーロッパの街に迷い込んだかのような風景が印象的です。中ではデンマーク製品のお土産も販売しています。
手前の噴水のモチーフは「みにくいアヒルの子」。きれいな白鳥へと成長し、今にも空へと飛び立っていきそうです。噴水に使用している石もデンマークから運んだものなんですよ。
アンデルセンについて詳しく知りたい人は「童話館」を尋ねましょう。アンデルセンの生涯を描いた壁画や、アンデルセンの部屋を再現した展示があります。
壁画はデンマークにあるものを縮小して設置されました。世界ではデンマークとここの2ヶ所にしかない、とても貴重なもの。アート作品としても美しいので、ぜひ立ち寄ってみてください。
ちなみにふなばしアンデルセン公園の年間パスポートは、童話館内で購入できます。
メルヘンの丘にはアンデルセンや人魚姫の彫像もあるので、ぜひ探してみましょう。とくに人魚姫は、デンマークの彫刻作家「アンネ・マリー・カールニールセン」作のレプリカ版。オーデンセ市との姉妹都市提携30周年を記念して作られたもので、日本ではここでしか見られない作品です。
1.6ヘクタールの「太陽の池」では、船橋市で唯一のボート遊びも楽しめます。池の周りが赤や黄色に彩られる秋の紅葉シーズンは必見です。太陽の池の上にかかる「太陽の橋」は、メルヘンの丘ゾーンとワンパクゾーンを繋ぐ架け橋。ここから見られる自然風景も美しいですよ。
まるで宝探しのように、キョロキョロと散策するのが楽しいゾーンです。
・子どもの想像力を伸ばそう!「子ども美術館」
子どもと一緒に創作体験に参加したいなら、「子ども美術館」を訪れるのがおすすめです。
「食のアトリエ」「染織のアトリエ」「陶芸のアトリエ」「木のアトリエ」「版画のアトリエ」「織のアトリエ」など、さまざまなワークショップが揃う体験型美術館。
季節によって内容は変わりますが、ホームページで創作体験プログラムを紹介しているので、参加したいワークショップを探してから出かけましょう。
織のアトリエでは、年間を通じて機織り機(はたおりき)で布を織る体験ができます。最初はコースターづくりから始まり、慣れてきたら織った布でカバンを作ることも可能です。
年に2回開催される皮製品のワークショップは、大人にも大人気!皮のネックストラップは材料費込みで1,500円と、信じられないくらいリーズナブルです。
広々としたワークショップ室では、スノードームづくりが行われていました。小さな子どもでも簡単に作れるらしく、こちらも毎年人気だそうです。
陶器のカケラで作るフォトフレームは、楽しかった1日の写真を家に飾るのにぴったり。紹介した以外にも数多くのワークショップがあるので、ぜひ親子でお気に入りを見つけてみましょう。
・フォトスポットがいっぱい!「花の城」
アンデルセン童話の世界に入り込んだかのような体験ができるゾーン。「楽園の庭」をイメージした四季の庭は、童話の中で王子が見た花が咲き乱れるパラダイスのような空間です。
なかでも「ハートのトピアリー」は、ふなばしアンデルセン公園の中でも1、2を争うフォトスポット!人が比較的少ないゾーンなので、じっくりお気に入りの1枚に挑戦してくださいね。
童話「妖精が丘」に登場するトカゲをモチーフにした「とかげネット」や、「小さなイーダの花」に登場するイーダの家とブランコなど、子どもが喜びそうな遊具もいっぱい。童話を読んでから出かけると、楽しさも倍増しますよ!
デンマーク・オーデンセ市の街並みをミニチュアで再現した庭では、まるで自分が巨人になったかのようなユニークな写真も撮れちゃいます。
・大人も癒される「自然体験コーナー」
樹林地や湿地を活かした、里山の自然がそのまま残っている自然体験ゾーン。田植えや稲刈り、生き物の観察会など、季節ごとにさまざまなイベントも開催されます。
普段は賑やかな公園の中では比較的静かな場所。自然豊かな森の中をゆったり散策していると、心がフワッと軽くなりそうです。